2025年4月9日より放送開始、監督:鶴巻和哉 脚本:両榎戸洋司庵野秀明 キャラクターデザイン:竹によるテレビ放送版 機動戦士Gundam GQuuuuuuXの11話『アルファ殺したち』の感想・考察記事です。ネタバレを含みますので注意してください。
11話『アルファ殺したち』
マチュとニャアン
イオグマヌッソを起動してしまったニャアンの次の目標は地球。キシリアが前回言っていた、地球の香水が作れなくなるという話も、まさに地球の人類をイオグマヌッソを用いて消し去る為だったようです。そして、そんなニャアンの乗るジフレドを止めるべく、間に入るジークアクスとマチュとの戦いが始まる。
てっきりイオグマヌッソを巡るこの二人の戦いが、本作の最後の戦いになるのかなと思っていたのですが、そういう形では終わらず。前回なかなか激昂していたマチュでしたが、相手がニャアンだとわかったことで、落ち着きを取り戻し、ニャアンまた今の状況に混乱する気持ちもあったのか戦いをやめることになりました。
マチュは、シャリア・ブルから譲り受けていた銃でオメガサイコミュのリミッターを解除することで、ララァの時空凍結を解除すべく動き出す。
その後のシュウジの出現による混乱の中、シャアとキシリアとの再会と敵対の中、マチュとニャアンも巻き込まれることになる。
流されるままにジオンに入っていたニャアンでしたが、キシリアの言う自由に対し手疑問をもったこと、そして、友人であるマチュに銃を向けられる中で、思わずキシリアを撃ってしまう。自分に恩をかけてくれたキシリアですが、それを撃つという自分のやったことを理解できていない様子も見せており、色々変わったようでもマチュに対する想いも変わっていなかったといった感じなのかもしれません。
ジークアクスの世界の謎
今回の話では、ジークアクスの世界の根幹の設定に触れる話が繰り広げられました。どうやら、この世界は薔薇のララァのシャアを生かしたいという願いが作り上げた世界だったようです。
シャロンの薔薇に搭載されていたアルファサイコミュと、赤いガンダムに搭載されたアルファサイコミュが共鳴する故にゼクノヴァという現象が起こり、ララァが元居た世界とジークアクスの世界が繋がり物質が行き来してしまっていたとのこと。
一寸驚きだったのは、思った以上にゼクノヴァ現象は解明されていた事。改めて思うと、イオグマヌッソへの兵器転用など理解が進んでいなければ不可能な状況だったので当たり前と言えば当たり前なのですが、今回コモリさんが理解しておりきっちりと語ってくれました。
まず、これまで起きた3回のゼクノヴァはこちらの世界の物質が向こうの世界にあふれ出る形だったとのこと。ただ、ララァが目覚めた際に起きた今回のゼクノヴァは、逆に向こう側がこちらにあふれてきている形になったようです。その現象が一番わかりやすく表れたのは、シャアの衣装がいつもの仮面をつけた軍服へと変わったという事。一瞬で切り替わったその衣装は、つまるところララァの知っていた向こう側のシャアの見た目にこちら側のシャアの姿が上書きされてしまったという事のようです。
そして、どうやらそれだけにとどまらず、この世界自体も向こう側に塗り替えが進んでいるようにも見え、シュウジが以前語っていた世界をやり直すというニュアンスの言葉も、今回の現象を意味していたのかも。また、あの時のシュウジの発言は過去にも世界を塗り替えていたようにも聞こえ、もしかするとこれまでジークアクスとは異なるパラレル世界をいくつも消してきていたなんてこともありそうです。
色々意味深なラストに現れたガンダムですが、もしかするとジークアクスの世界を向こう側の世界に塗り替える象徴といった感じなのかもしれません。
シュウジの謎
今回明かされたのシュウジの正体とシャアとの関係。シュウジとシャアとの関係は単にゼクノヴァ後のシャアと遭遇しただけだったようで、そのニュータイプとしての実力を認められた故に赤いガンダムを託されたようでした。シャアはシュウジをこの世界のゆがみであるララァを排除する同士として迎えたかったようです。しかし、シュウジ本人は、薔薇のララァと同じように向こう側からやってきた存在とのことで、そもそも最初から同じ目的で動くことはできない存在。更に、こちらに来れたタイミングを考えると、ソロモンでのゼクノヴァの際にこちらにやってきていたという事なのかもしれません。
シュウジとガンダムの目的は?
そんな彼の目的は、薔薇のララァが苦しむこの世界を終わらせるため。シャアと同じく、今起きている問題を解決しようとしているようにも聞こえる発言ですが、シャアが薔薇のララァを消すことで世界のゆがみを消そうとしているのに対して、シュウジは違う方法で終わらせようとしているように見えます。
そして、ゼクノヴァの向こうからやってきたのはよく見慣れたガンダム。流れるのは逆襲のシャアのテーマソングである『BEYOND THE TIME』、ララァの陥っているメビウスの輪から解き放とうとしていることを表しているということなのかもしれません。
結局、シュウジがガンダムを呼んで何をしようとしているのか、という点はまだはっきりとはしていない。ただ、ララァがジークアクスの世界を作ったのはシャアを守ることのできた世界が欲しかったと考えると、シャアを殺すことで薔薇のララァの願いが叶わなくなり、同時にこの世界も終わりを迎えるという事なのかも。
つまるところ、シャアをガンダムに殺させるという流れをジークアクスの宇宙でも再現し、それによりララァの願いを打ち砕き、この世界を終わらせようとしているという事なのかもしれません。
何がマチュを導いたのか?
シュウジとシャア、シャロンの薔薇に関する謎が大きく明かされた今回のお話でしたが、それでもなお、マチュに連絡を送りここまで導いてきた意思については謎が残ったままとなっています。
ソドンの中でジークアクスへと導いた案内あたりの描写を考えると、あのメッセージを送ってきていたのは、ジークアクスとその内側にあるオメガサイコミュのように見える。しかし、ではそれがいったい誰なのか?何を目的としていたのか?と言われるとまだわからないまま。
ただ、アルファサイコミュ同士の共鳴がゼクノヴァに絡んでいたとするのなら、オメガサイコミュも何かと共鳴しているという可能性はありそう。そして、何より地球へ向かった際にシャロンの薔薇へ導いたことを考えるとジークアクスもララァに絡んでいるように思えます。シャロンの薔薇のララァが、マチュに何かをしてほしいと願い動いてもらっていたなんてこともあるのかもしれません。
いよいよ、次回最終回となるGQuuuuuuX、新たに登場した原作のガンダムの目的、そしてそれに対してマチュとガンダムクアックスは、何をするのか気になるところです。
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