2025年秋に放送開始の作品、原作:高橋留美子、監督:宇田鋼之介によるらんま1/2の2期17話『格闘出前レース』 の感想文となります。旧作アニメ、原作のなどネタバレとなる要素も含みますので未試聴の方は注意してください。
17話『格闘出前レース』感想
九能先輩が凄い
今回は格闘出前レースとのことで、らんま・茜・シャンプーの3人による格闘レースが繰り広げられるお話なのですが、最後まで見ると一番印象に残ったのはレース自体には参加していなかった九能先輩でした。
今回の九能先輩は、夢の中でらんま・茜の二人に迫られ、その返事のために朝一番で薔薇を携えやってくるという、常人では理解不能な行動をとってくる。そんな彼が茜にした返事は、いつ会えるかもわからないらんまではなく、茜を選ぶというもの。しかし、その決断も女のらんまが現れた瞬間揺らいでしまう。
一見すると、優柔不断としかいいようがない流れではあるのですが、それでも彼は真剣というのが凄いところ。まずそもそも彼の頭の中の世界は、現実とは完全に独立しているようで、その中では二人に言い寄られている自分がいる。彼が二人から一人を選べないのは、どちらか一人を選んでしまえば、選ばれなかったもう一人を傷つけてしまうから。ある意味でその優柔不断さは、彼なりの優しさゆえのものなのである。
更に彼が凄いのは、現実でどれほど茜・らんまたちにそれを否定されようとも、その自分の中の世界が一切揺るがないところ。そして、その自分の世界の愛を貫き通すためならば、らんまですら食べさせるのに引け目を感じるほどぐちゃぐちゃになったラーメンを一切迷わずに食べ切ってしまうという行動力まで備えている。中途半端におかしいだけならば、単なる頭のおかしい人なのですが、ここまで最後までやり遂げるともはや愛の力としか言いようがない。
ラストのらんまは、そんな九能先輩の行動に愛だろという諦めの言葉を放ちましたが、まさにそんな今回の九能先輩を表すもののようで思わず笑ってしまいました。
格闘出前レース
そして、今回の話のメインとなった格闘出前レースは、シャンプーのいる猫飯店が出場。彼女が出場してしまえば、もはや一強になりそうなところですが、茜はそもそもレースの常連、らんまも今回緊急参加ということで勝負の場が整っていくことになりました。
そんな今回、まず話を動かし始めるのはやはりシャンプー、積極的にらんまにアプローチをかけ、優勝したらデートをすると約束を取り付ける。そして、それに対抗してあかねもやる気を出す。らんまはらんまで負けるわけがないという持ち前の自身で勝負に向かっていき、話を盛り上がっていくのが良い感じ。
シャンプーに関してはは、いざとなれば泣き落とし、余裕があればらんまにちょっかいをかけ、ついでのように茜を煽ると、なかなか良い性格をしている。そして、それに対する茜も泣き寝入りとならず、水をぶちまけたりとなかなかの反撃。こんな茜の反撃があるからこそ、シャンプーの大げさな行動も笑って見ていられる気もします。そして、そんな混沌とする中でもちゃんと存在感があるのが九能先輩。合間合間に適度な手助けなんかも入れており、その臨機応変さも流石といった感じで笑ってしまいます。
今回の格闘出前レース、コミカルながらも派手にキャラクターが動くシーンも多く、特に序盤のらんまとシャンプーのラーメンを巡る戦いは、見ていてなかなか楽しいものでした。次のお話はどのようなものが来るのか楽しみです。


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