永久のユウグレ
2025年秋より放送開始。監督・シリーズ構成:津田尚克、キャラクターデザイン:齊藤佳子によるP.A.WORKSオリジナルの本格ラブストーリーアニメ、永久のユウグレ の7話『芽吹きたる霊長類の書への賛歌』の感想文となります。
アニメのネタバレとなる要素も含みますので未試聴の方はご注意してください。
芽吹きたる霊長類の書への賛歌
地中海風の街並み
今回、センダイ周りをアモルとアキラが二人で歩くシーンがありましたが、何やら地中海の街並みを感じさせる舞台でした。北海道あたりともまた違う海外の雰囲気を感じさせる街並み、AI戦争の際に世界各地から日本に人が避難してきたということなのか、戦後のOWELによる管理の結果人を移住させたのかは定かではありませんが、世界中の人々が日本に移住しているのは間違いなさそうです。
ヨクラータとオボロ
今回は前回のエピソードで合流したヨクラータが盗んだ鍵を使い、図書館の閉架室に忍び込むという内容。そして、その前に、ヨクラータの提案により古書闇市にて本を探してみるよう話があり、アキラたちは古本闇市へ向かう事になる。
この古本闇市、本好きが集まった独自の集落といった感じで、何やらそれぞれ禁書を隠し持っているとのこと。しかし、気になるのはまたしてもここにオボロがいたということ。闇市の面々の話では、少し前からここに来ていたとのことで、アキラたちの後を付けているというだけでは説明できない状態。更に、彼の話により改めて閉架室へ向かうよう話が進んだようにも見え、ヨクラータ・オボロの間で何か繋がりがあるのではないかと思わせます。
また、今回のお話を見ていると、彼らがOWELに情報を流しているといったわけではなさそう。ヨイヤミ・ハクボが登場したあたりでは、てっきり彼女たちを待ち受けさせるのかとも思っていましたが、何事もなく侵入に成功。そうなると、彼らに何か狙いがあるとしても、アキラが東京へ向かう事をサポートしているというだけのようにも思えてくる。そうなると、この二人はトワサに絡んでアキラの旅をサポートしているなんてこともあるのかもしれません。
絵本はなぜ禁書とは何なのか?
今回、古本闇市の描写がされることで実際に禁書に指定されている本がいくつか姿を見せました。その指定があったのは、やはり科学技術や情報系の技術書といった感じで以前OWELが管理するうえで人間が過剰な技術を得ないようにコントロールしようとする意図が見える。
こちらに関しては、かつての戦争の結果を踏まえた行動と考えれば理解できるものなのですが、わからないのはアモルの両親が描いた絵本が禁書に指定されている理由。以前の話で燃やされたアモルの絵本の内容は、特に今回登場した禁書の内容と重なる部分は無いように思える。
ただ、2話でちらりと見えた本の内容は、むねの中に小さなとりがいるというものでした。この内容が問題になるとしたら、今の世界の人々がトワサの計画によるAIとの融合を果たしている故に、その秘密を守るために人の中に違う存在がいると連想させる本として禁書指定されているなんてことはあるのかもしれません。
他にありうるとしたら、むしろ両親がOWELにとって困ることを知っている、何らかの思想があるが故に彼らの本を禁書にしているなんてこともありそう。アモルと言えば、EDでは弟らしき姿もありますが、彼女の両親・家族も今後重要な要素となってくるなんてこともありそうです。
びっくりする終盤の展開
そんな禁書を巡る今回のお話ですが、終盤の図書館閉架室での流れがあまりにもひどい。
本を愛するといいながら、鞭で本を破壊していく司書、という流れもそもそも彼女は本を愛しているが故に他人に触られるぐらいなら破るというのはまだわからなくもない。しかし、アモルが本を全て燃やすと脅したのに対して、炎は厳禁だといいながら、鞭でランタンを破壊して閉架室を炎上させるというもはや何がしたいのかよくわからないレベル。
あまりの考えの浅さに、本当に本を読むのが好きなのか?と思ってしまいますが、もしかすると彼女は本を愛して並べておくのが好きなだけで、別に本を読むのが好きというわけではないのではないのかもしれません。
そんな今回、彼女のせいで貴重な禁書がほとんど炭になりそうな中、アキラはトワサのLC計画に関する本か、アモルの両親が書いた『とくべつな血 月の章』を選ぶかの選択を迫られることになる。
いつもの次回に向けたインパクトのある引きという感じですが、『とくべつな血 月の章』はEDに登場していることもあり、こちらに手を伸ばすのは間違いなさそうです。
しかし、この本が登場するEDではアモルが成長した姿が描かれていたので、てっきり成長したアモルが描いたものなのかと思っていましたが、これも彼女の両親が遺した本だった様子。禁書指定されているこの本に何が描かれているのか気になるところです。



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