2025年秋に放送開始の作品、原作:高橋留美子、監督:宇田鋼之介によるらんま1/2の2期19話『即席男溺泉』 の感想文となります。旧作アニメ、原作のなどネタバレとなる要素も含みますので未試聴の方は注意してください。
19話『即席男溺泉』感想
いい性格をしているらんま
らんま1/2を見ていると、らんまも結構いい性格してるよなと思う時がちらほらありますが、今回はまさにそれを強く感じるお話でした。
今回のらんまは、シャンプーの持ってきた即席男溺泉を手に入れるため、彼女とのデートに応じることになる。素直にデートした上でもらうというのであればまだわかるものの、実際にはデートに行きはするものの貰う物だけもらったら即さようならとでも言わんがばかりの態度。なんだかんだ、花を用意していたり、真面目にデートをする気はあるのかと思わせておいて、その花にも何やら仕込んでおり、最初から奪って逃げるつもりだったのがありありとわかるのが本当にひどい。
しかし、シャンプーはシャンプーで抜かりはなく、そんならんまの行動を予想していたのかきっちり即席男溺泉を入れ替えていたり、偽物を見せていたりと、きちんと対策をしているのが良い感じ。デートをかけた攻防共に抜かりない戦いといった感じで、思わず笑ってしまいました。
道場破り
そして、その裏で行われているのは天道道場への道場破り。最初は、父親二人がらんま・あかねの関係を深めさせようと自らが道場破りとして敵対する計画でしたが、まさかの同じ日に本物の道場破りが来てしまうというとんでもない事故が発生。
さらに、その日にらんまとシャンプーのデートが重なり、あかねが一人で対応することになってしまう。やってきた道場破りは、大量の看板をタスキのようにかけた妖怪のような人物。一切言葉を発さず、黙々と戦う様は何やら異様な様相でしたが、最後のらんまへの対応を見るに割とまともな人なのかもしれません。
どこか異様な道場破りですが、その実力は本物。あかねは手をケガしていたとはいえ彼女を追い詰める戦いっぷりを見せる。それを助けに来るらんまはよい感じではありましたが、そこをかっこよく決めて終わりとはならないのが本作らしいところ。
終盤、即席男溺泉とシャンプーのキスの件で怒るあかねに対する「女をもてあそぶちゃちな男だと思ってるんだろ」というらんまの発言なんかも、今回のシャンプーへの対応を見ていると、そうだろ、としか思えないもの。そして、その嘘が暴かれるのがまさかのそれまで一言も話していなかった道場破りの「嘘つき」の言葉で笑ってしまいました。
その後の茜の対応も非常に良い感じ、何やらそれまでの反省した態度を残したままらんまにお礼の言葉を述べるものの、あくまでお礼はお礼として怒る前にちゃんと言っておきたかったという律義さゆえのもの。最後には怒りが爆発、らんまも自業自得な結末を迎えましたが、この先に守ってくれたお礼を伝えるという段階が挟まるというのが何とも良い感じでした。
また、今回の話のシャンプーなんだかんだらんまを振り回しつつも、全然つれない態度ばかりで可哀そうに思えてしまいそうですが、最後の最後でちゃんとシャンプー側も即席男溺泉は一日限りの玩具を掴ませていたことがわかり、今回のデートを楽しんでいたことがわかるのも良い感じ。らんまもらんまですが、シャンプーはシャンプーでいい性格しているなと感じさせるラストでした。


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