2025年11月17日配信開始、週刊少年ジャンプ2025年51号に掲載された、原作:芥見下々、作画:岩崎優次による漫画『呪術廻戦≡モジュロ』11話の感想記事です。ネタバレもあるので注意してください。
11話『文化交流』
マル達シムリア人が乗ってきた宇宙船が呪力をエネルギーにしているということを知った日本政府。これまではエネルギーの変換効率の悪さゆえに諦められていた呪術をエネルギーへの変換の可能性が見えてくるも、それが成立してしまえば再び呪力のある日本人狩りが始まってしまう事を警戒しこの事実を隠蔽する方向で話を勧めようとする。周囲の国からは突然の宇宙人の窓口対応を強いられた日本ですが、先にこの情報を知れたという意味では幸運だったのかもしれません。とはいえ、それを隠し通すにしても、シムリア人との友好を結べていることが大前提。交流を深めるためのタコパ開催とその準備が今回のお話となりました。
ラストの展開を考えると、次回以降厳しくなるお話に向けた小休止的な内容といった雰囲気もある今回のお話。謎の一本足のタコの件であったり、ダブラの妹にかけられた呪いの解除の件だったり、カクと憂花二人だけの秘密の件だったり、その中でも、ダブラ周りはまさかの展開が挟まり、序盤に冗談で済まされていた政略結婚もあながち冗談ではなくなりつつあり様子にちょっと笑ってしまう。しかし、ジャバロマさんは、正直最初はかなり怪しく見えていたこともあり、過去回想ではつい疑ってしまいましたが、本当にただの気のいい人のようです。ただ、今回の戦士でなくても、男性でなくても尊敬されるという話の例で名前が上がりましたが、彼ではなく彼女だったりするのか、というのがちょっと気になってしまいました。
なんだかんだタコパも皆で楽しんでおり、何事も共存に向けて順調に進んでいるように見えた今回のお話でしたが、最後の展開で不穏な兆しが見え始める。何やら日本人はカリヤンを惨殺している、場を見たとの話が明かされる。カリヤンから力を授かり、その死は自分たちの死と繋がることもあると言われる聖獣、それを殺しているとなれば共存は不可能と言われてしまうのも仕方ない事。開戦派のボロ爺の話ということを考えると、戦うための嘘という可能性も頭に浮かびはしましたが、第三の目の落涙というのはルメル人からすれば相当の事態のようなので嘘をついているとは考えにくそう。
しかし、ここで気になるのはそもそもカリヤンとは何なのか?という点。今の日本人が虐殺していると言われるほどに殺すことにためらいがない事、また、これまのカリヤンに絡む話から考えてみると、呪霊の事を指しているように思えてくる。また、4話『繰り返す子供』では、マルは子供の姿を騙っていた呪詛師が呼び出した式紙を見て、カリヤンと驚いていたことも、カリヤン=呪霊ということを示していたようにも思える。
仮に呪霊であるとするなら、それを放っておけないというのも事実で、共存に向けた話をどうここからまとめていくのか気になるところです。


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