2026年冬から放送開始した『葬送のフリーレン』のアニメ2期、29話『じゃあ行こうか』の感想文となります。ネタバレとなる要素も含みますので未試聴の方は注意してください。
29話『じゃあ行こうか』
久々の二期
アニメ1期の放送が2024年頃ということで、それなりに期間が開いて始まった葬送のフリーレン2期ですが、1期の頃から描かれていた、どこかゆったりとした雰囲気は2期でも継続。旅の最中の一つ一つのエピソードを積み重ねる様に描かれていく本作、1期からちょっと間は空いたものの、描かれているのはフリーレン一行の旅の様子ということもあり、1期終了からそのまま続いているかのようなお話でした。
野宿のための料理作り、シュタルクの魚釣りの失敗など、ささやかなエピソードが積み重なっていく様子は、大きな刺激があるものではありませんが、夕方の色合いが綺麗な描写も相まって見ているだけでどこか落ち着ける不思議な雰囲気ありますね。
封魔鉱
そんな今回、前半で描かれたのは、封魔鉱のお話。フリーレンが茂みに顔を突っ込んで発見したのは、周囲の魔法を封じることができてしまう、封魔鉱。小さな石ころでも銀貨数枚、フリーレンが見つけたものなら、豪邸が開けてしまうほど、とのこと。
旅にはお金がかかるということで、次の町では仕事を探さないとと言っていたフェルン、それだけの金額があれば一気に旅が楽になるのでは、と思ってしまう所ですが、問題はそんな石を持っていたら魔法使いの自衛の手段がなくなってしまうという点。面白そうに石を弄っているフリーレンに対して、そんな石さっさと捨ててくださいとピシャリと言ってしまうフェルンにちょっと笑ってしまいました。
ただ、リスクはあるにしてもそこまでの大金を見過ごしてしまうのはもったいないのでは?と思っていまうほどの額。しかし、地下の封魔鉱の洞窟の中を見ていると、幼いころから魔力が当たり前に存在するフェルンだからこそ、魔法を失う事への恐怖が大きかったことがわかってくると、あそこで封魔鉱をすぐに捨ててと言ったこと、その重さも増したように思えました。終盤のシュタルクに抱えられて逃げているシーンの心細そうな様子が、普段は割と淡々としている彼女の内面が良く出ていたようでした。
そんな、地下での戦闘は、魔法が使えない二人を抱えてシュタルクがひたすらに逃げ続けるしか手がない状況。ヒンメルたちとの冒険の回想では、アイゼンがシュタルクとよく似ていたことを描き、シュタルクに抱えられて逃げるフリーレンが、その時の自分を思い出しているようだったのが印象的。
懐かしさを感じるフリーレンと、その状況をひたすらに怖がっているフェルン。シュタルクの方の上で、様々な思いが動いているお話でした。
シュタルクへの想い
そんな後半ですが、水浴びをしていたフェルンたちのところへシュタルクが顔を出してしまった事で、少し気まずい雰囲気で話が進んでいく。この時のフリーレン、ちゃんとPTの空気が悪いことに気付いており、周囲の人の気持ちを察するという成長を見せている様子。ただ、その空気の悪さ故をきっかけに、シュタルクを窮屈に思うなら、外れてもよい、という方向へと話が進んでしまう。
そんな中、一級魔法使い試験で一緒だったヴィアベルと遭遇。彼らも北部からの参加者だったので、同じ方向に進んでおり、今回追いついたようです。以前からシュタルクを勧誘していたヴィアベル、今回もシュタルクに一緒に戦ってくれないかと話を持ってくる。
ここで、フリーレンは、その勧誘を許可しましたが、フリーレンからすればシュタルクの気持ちを考えての行動。ただ、そんな話があったことで、フェルンの心が不安に揺れていく様子がその言葉・態度の端端から感じられました。
いつもは淡々とシュタルクの相手をしているフェルンですが、側にシュタルクがいてくれることを当たり前と感じ、安心している。それは普段は気づけないものですが、こうやって別れるのではないか?という可能性が示されることで、その気持ちが表面に出てきてしまう。
今回のお話は、普段から何気なく接しているものがどれほど大切なのか、ということを感じさせるお話でした。その安堵故に、優しくしてあげようとしたのに、逆に怖がるシュタルクというオチにはちょっと笑ってしまいました。今回1話を通してフェルンの不安を丁寧に描いたお話となっていました。
そういえば、プレゼントの件は、1期のプレゼント回にて、フリーレンの事をこっそり見ていたことにもちらっと触れられており、この一言があるだけで、昔のお話が頭によぎり、過去のお話とのつながりが感じられるのが良い感じ。
逃げるシーンのシュタルクからもらった腕輪を握りしめるくだりや、水辺で腕輪を洗うシーンでの物と一緒に積み重なる思い出の話なども合わせて、フェルンの内面が良く描かれたお話でした。


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