2022年から放送されていた仮面ライダーギーツが2023年8月27日に最終回を迎えました。これまで各話感想は書いてきませんでしたが、1年間楽しんでみてきましたので作品通しての感想記事となります。
この記事には仮面ライダーギーツのネタバレが含まれますので未視聴の方はご注意ください。
話の区切りと共に大きく話が動く展開
サブタイトルが変わるたびに、展開が切り替わっていき、『黎明F』、『邂逅』、『謀略』、『乖離』、『慟哭』、『慕情』、『創世』、と回っていき再び『黎明』に戻るという構成。
それぞれの願いを叶えるデザグラからスタートして、デザグラというもの自体が見世物なのではないかと視聴者に疑わせながらも物語が続いてく。そして本当に見世物だったことが明かされ、エースの過去にも関わり運営自体が敵、そして、未来人が敵と順を追って話が進行していく。全体の流れがわかりやすく、また区切りのタイミングも不規則な感じがあり、どこで話がひと段落するか予想がつかない展開が続いたのもよかったです。その中で、少しずつ匂わせていた要素を一つずつ拾っていく話運びは見ていて楽しい作品でした。
ただ、ラストのスエルとの戦い回りは、最後の相手だった割に少しあっさり気味だった気もする。ちょっとクライマックス感も薄目に感じたので、終盤もうちょい尺をとっても良かったのかなという気もします。
キャラクター描写が丁寧な作品
主に4人の主要キャラクターを1シーズン目から描いていましたが各キャラクターを丁寧に描いていて面白かったです。
最初のシーズンでは、それぞれが戦いに赴く理由を描いており、ちょっとのんびり目な感じもしましたが、最初にこういうところをしっかり描いておいたから後々の描写で説得力が出てきていた気がします。
最終シーズンでは、各キャラクター一人一人に焦点を当てて物語が展開していきましたが、まさに最初のシーズンから行っていたキャラクター描写が生きてくる感じでよかったと思います。
鞍馬祢音
序盤感じた家族関係の異常さ、異様に過保護な母親と、祢音に対して妙な距離感を感じる父親この二人と祢音との関係が、祢音自身のルーツが明らかになった際にしっくりときて、よく考えて作ってあったんだなという気がしました。
ある意味デザグラによってつくられたこの家族が、本当の家族になるあたりの展開がよかった。
父である仮面ライダーギャーゴの娘を守るための泥臭い戦いもよかったですが、その後ファンタジーバックルを受け取ったあとのナーゴの使いこなしてる感じのある戦い方も面白かった。
吾妻道長
ヒールに徹しきろうとする根がいいあんちゃんといった感じのキャラクター。ところどころ見せる可愛い要素や、ライダーとしての記憶を失った際には、エース様に素直にサインをねだるなど根っこの良さがたびたび描写され、そのあたりがデザグラをつぶすためにヒールに徹しようとするあたりとのギャップが魅力だったと思います。
ジャマグラで、ジャマトサイドについたあたりはかなり迷走しているようにも見えましたが、彼自身のある程度の犠牲を払ってでもデザグラを終わらせるというスタンスは後の展開を見ている中でだんだんと理解できました。景和の姉を犠牲にしてしまったあたりでの彼の後悔から、犠牲に対して受け入れつつも自分でそれを背負うという姿も見られ責任感が強く優しい人という点は伝わってきた。
最終回では彼もまた素の表情で働いており、なんだかんだみっちー呼びが似合うかわいいキャラクターといった感じでよかったです。
桜井景和
異様にフリーターを強調されたり、序盤頼りないながらも頑張っていたりと、ババを引くようなポジションも多いキャラクターでしたが、ある意味本編を通して一番成長したキャラクターといった感じもありました。
サポーターであるケララとの関係は、長編だからこその変遷をたどり最終的に景和の成長につながると少し皮肉さも感じられました。
姉を失い色々迷走した時期もありましたが、最終的に世界平和という最初の願いに戻りつつも、その願いを叶えるため地道に勉強を始めるというのも作品全体を通しての成長を感じられてよかったです。
ブジンソードバックルはかっこいいですが、やはりニンジャバックルのちょっと緩いかんじが景和っぽくてよいですね。
五十鈴太一
ある意味一番想定外に動き続けて楽しませてくれたキャラクター。
人狼ゲームでは、景和をはめようとしたが失敗、それ以降はジャマト陣営の裏方で活躍、ジャマトの神となり人類を知恵の木の実に最初の願い全ての知識を自分のものとしようとする。
景和の姉を犠牲にした際には流石にもう戻ってこれないだろうなと思っていたら、最後の最後でまさかのジャマト農家として味方サイドで大活躍。どこか任天堂のピ〇ミンを思わせる様子でした。
ジャマト自身は本編ではゲームのNPCとしていいように使われていたある意味被害者的な面もあり、純粋にジャマトのためだけに死んだアルキメデルの意思を無自覚ながら次ぐ形になったというのもよかったですね。
そういえば、劇場版では未来人はジャマトによって滅んだという点があっさり明かされましたがそのあたりを考慮するともしかしたら世界の救世主だったのでは…という気すらしてきます。
本当に想定外を常に走り続けて最後まで言ったキャラクターでした。
ツムリ
デザイアグランプリのナビゲーターとして登場したミステリアスな女性。という感じでしたが、英寿から姉を求められたりする間に、だんだんと親しみ深い感じが出てくるキャラクターでした。
だんだんと周りに振り回されていく描写が増えていき、可愛い描写が増えていく。特にエース様に振り回されたり、劇場版でも傘で空を飛んでいたりして可愛かったです。
浮世英寿
エース様としか言いようがないキャラクター性。『スター・オブ・ザ・スターズ・オブ・ザ・スターズ』という、ぱっと聞くと何を言ってるんだ?っという敬称もまさにエース様といった感じの呼称だ思えてくるあたり素敵です。
彼自身かつての願いにより転生を繰り返していることが判明したり、それぞれのデザグラ優勝特典を使った自らのパワーアップを果たしたり。マークナインに変身後は、創世の力を使い敵を地面に埋めたり物を直したりとやりたい放題な感じの規格外な感じもある主人公。
ほとんど倒れることもなく、たまに地面に転がるとそれだけでちょっと珍しいものを見た気がして、しかし、それすらもたまに作戦の内だったりして結構な策略家。それでも、記憶を失ったときは、自分が人のために動くだろうということを信じていたり、それすらもある意味先読みして仕込みを用意していたりと底が見えないキャラクター。
人を騙すような態度だったり、実際騙したりしているので周りからも疑われますが、その実人との繋がりは求めていそうなあたりも魅力に思える。パンクジャックと仲良くしてる時とか、一緒にご飯食べてる時とか、なんだかんだ楽しそうでした。
最終的には神になり、人々の願いが叶う世界を作り上げようと頑張っていますが変身後のギーツも含めてかっこいい仮面ライダーでした。神モードの白髪は結構似合っていてかっこよかったです。
仮面ライダーギーツ感想まとめ
全体的に話を丁寧に進めている作品という感じで、序盤ちょっと退屈かなというところもありましたがそのあたりの描写が後で生きてきている気がしました。キャラクターが魅力的に動いていて、話の動かし方も割と短スパンで切り替っていき、飽きずに最後まで見ることができて面白かったです。
次回作ガッチャードへの交代もラストに行われましたが、次の主人公とは会話もせず幸福を願って見送るエース様という形が実にエース様っぽくてよかったです。
ガッチャードは1話から感想記事を書いていこうかと思っているのでよろしくお願いします。
コメント
又三郎さんはじめまして。
どうやら私の見た奴とは別物みたいですね。楽しめる人がうらやましいです。
ライダーも戦隊も毎年結構雰囲気変わりますし好み出ますよね。