2024年1月9日より、監督『山本裕介』、ストーリー原案『鴨志田一』、シリーズ構成『あおしまたかし』による製作の『Synduality Noir(シンデュアリティ・ノワール)』の後半クールがスタート。第19話『Body Double』の感想文です。
最新話のネタバレを含みますので未試聴の方は注意してください。
第19話『Body Double』感想
シエルとの別れ
カナタを探し動くエリーが見つけたのは、雨に打たれるカナタと眠るシエル。
急いでアルバの元に連れていくも、そこで伝えられたのは前回の脱出劇の裏で行われていたシエルの覚悟を決めた行動。マスターから送られた初期化命令、そして、本来はそこから行われるはずだった再契約。それを拒否するためのプラグインをカナタに入れてもらう事で、メイガスとしての本当の死をシエルは選んでいた。シエルの覚悟、ある意味それまでカナタ達を騙していた自分自身の罪の意識もあった故の行動なのかもしれません。
もはやシエルは戻ってこない。そして、シエルにその選択をさせたのは自分自身だったという事実に悲嘆にくれるカナタ。しかし、そんなカナタに対してシエルの想いを告げる再び前を向かせようとするエリー。
カナタの事を想っていたエリーだからこそシエルの気持ちを伝えることができる。そして、その言葉をかけてくれたエリーがカナタを想っているという事を、いつも鈍感なカナタが今回しっかり理解しているというのは、とても良いシーンだったと思います。
イデアールにて
酒を飲んでも酔えないとするマハト、そしてそんな彼に対して酒をふるまうトキオ。
一度は捨てたはずのイデアールに戻ってきたトキオを問い詰めるマハトでしたが、トキオはいつもの調子でひょうひょうとその問いかけをかわしてしまう。
マハトからしてみると、そんなトキオの態度すらも、自分自身を馬鹿にしているように見えてしまうようで、真面目なマハトに対して、どうしても素直に腹の内を出せないトキオという不器用な兄弟関係のようなものが見えてくるシーン。
トキオは、理想のためにずっと変わらずにいるマハトの事は認めている、だけど、その態度故に本心は伝わらない。ある意味不器用ともいえるトキオですが、どうにもこの態度のせいで互いに理解できていない状況になっている気もして、トキオ側に問題があるように思えてしまう。今回ムートンにちらっと言われていた、カナタに過去を語るという話も先延ばしにしている件といい、裏で手助けしているのはわかりますが、どうにも何もかもがふわふわしているように見える。トキオもそろそろこれから何をするのかはっきりと示す時が近づいてきている気がします。
そして、その裏で、シエルとの契約の瞬間を繰り返し眺めるヴァイスハイト。自ら消去し、今度こそ戻ってこなかったシエルを前に、果たして何を思うのか。前回はメイガスは必要ないとしていたヴァイスハイト、今回は「僕の予測すら超えていく。メイガスは本当に素敵だ。」との発言。単に好き、嫌いでは言い表せない執着を見せているようです。
シエルにより繋がるノワール
シエルの覚悟と、二人が犠牲になるという現実を前に、シエルの体にノワールを移す覚悟を決めたカナタ。アルバの元で行われる移植作業でしたが、ノワールのデータの移動が進まないというトラブルが発生。
ノワール初期化の際に起きた、ノワール自身の消えたくないという思いがミステルを傷つけてしまったという後悔となり、枷となっているようでした。
一人になりたくない、消えたくないという気持ちだけは確かにあるノワール。ある意味自分の心の中で迷子になってしまっているような状態。そんなノワールを導いたのは、シエル。ミステルの体とシエルの体がつながったことにより、シエルの奥底にかすかに残っていた思いが、ノワールを導いてくれたということなのかもしれません。シエルの導きにより、新たな体へと移ったノワール。かすかにその髪の色にシエルの名残を残しながらも、その姿はノワールの物へと変わる。
この姿が変わるという特殊な事態。ゼロ型だからこんなこともある、という冗談でちらっと語られましたが、本来は姿が変わるなんてことは起きない様子。改めてノワールの特殊さが描かれるシーンとなりました。
これまで体を共有していたがゆえに、記憶は曖昧、その能力も抑えられていたノワール。果たしてシエルの体を100%使える今の状態で、どのようにふるまうのか、もしかしたらイストワールに繋がる大事なことを思い出すなんてこともあるのかもしれません。
そこに、投影される映像。現れたのはミステルのマスターであるパスカル。この子たち二人のマスターだねという言葉から察するに、ミステルと、ノワール二人の事を知っていた様子。果たして、パスカルからノワールについて何が語られるのか、そろそろイストワールに向けて物語は終盤となるのかもしれません。
アルバとエイダ
今回、シエルの行動を見たアルバの言った「メイガスってやつは。」という発言は非常に意味深でした。以前から、ゼロ型のデータに関する調査を続けるアルバ。
メイガスの「残されたものの気持ちを知ったうえで貫く。」という発言だった利、やはりエイダに関して、過去に何かがあったことを示唆しています。ゲームでは、プレイヤーがその足跡をたどることとなるアルバ。
話ぶりから察するに、物語のラストにてエイダが消えることでアルバを助けたといった感じに見えますが、果たして何があったのか。このあたりはゲームをプレイすることでわかりそうです。
小説:はじまりの青 シンデュアリティ:ルーツ
先週、Syndualityプロジェクトの一環として、小説『はじまりの青 シンデュアリティ:ルーツ』の情報が公開されました。何やらブルーシストの原因についての話となりそうなので、18話にてちらっと触れられたイストワールによる環境破壊に関する話に触れられるのかもしれません。
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