2024年夏より放送開始の作品、えーでるわいすにより制作されたゲーム『天穂のサクナヒメ』を原作とし、監督:吉原正行によるアニメ化作品『天穂のサクナヒメ』 10話『再起』のゲーム未プレイでの感想文となります。ネタバレとなる要素も含みますので未試聴の方は注意してください。
10話『再起』
サクナヒメの成長
何とか倒したものの峠が焼き払われるという衝撃的なラストで終わった前回。峠に戻ったものの皆の姿も見えず、家も田も焼き払われてしまった中、田右衛門が姿を見せ何とか逃げのびることに成功していたことを伝える。
皆から話を聞く中で、一足先に峠へと戻っていたココロワヒメの姿がないことに気付いたサクナヒメ。ここ数話、改めてココロワヒメの大切さを描いていたからこその彼女を失ったと思ったことへの衝撃から、その場から走り出してしまう。
この逃げ出そうとするパートは、序盤に見せた米作りの辛さゆえに、一度逃げ出した流れとも重なる展開を思わせながらも、成長した今のサクナヒメの強さを描く展開でした。前に逃げ出そうとした際は、漕ぎ出そうにも抜けることができぬ荒海があったがゆえに逃げることができなかったでしたが、今回は自らの意思で逃げることをやめ、再び立ちあがる。タマ爺ですら様子を見るために逃げるべきだという状況にもかかわらず立ち向かう事を決めたサクナヒメは、まさに神様としての強さを身に着けたことがわかる展開。
しかし、一人単独で動いていたココロワヒメだけが姿が見えないという流れを見た時は、まさかの展開が頭の中に浮かんでしまいましたが、いつもの調子で都から船を連れて戻ってくる様にちょっと笑ってしまう。
さらには、田の再生のために都にて何やら田畑の生育を早める玉を貰いに行くとのこと。このたまについては、ほかの国の神様が使うものと似ているとのことですが、神様の存在自体は何やら大本に同じものがあるという事なのかも。この作品、以前もよその国の神について少し触れられたりしていましたが、本筋にそういった話に絡んでくるといった様子でもなさそうなので、あくまで設定として存在するといった感じなのかも。
オニを匿うカイマル
そして、その裏でカイマルが今回の襲撃の原因となったオニをかくまっていたエピソードが語られる。傷つきボロボロになったオニですが、まさに今回峠が焼かれてしまったすべての原因でもあるオニ。かいまるの言葉を受け入れ許されたオニはウサギの姿へと変わる。この姿の変化は、むしろもともと野生で存在していた動物が邪気を受けることでオニになっていたという事を示しているのかも。
しかし、逃げ出したウサギはやってきた石丸に切り捨てられてしまう。ある意味、因果応報ではあるのですが、許した末にこの末路というのは、なかなか寂しいものを感じさせる展開でもありました。そういえば、何やらちらっと聞こえたありがとうの言葉は、かいまるの言葉だったのでしょうか。石丸の登場に並んでEDへと話が進む。次回は、石丸との決着をつけるエピソードの様で、田右衛門も武器を握っている姿が見られました。
話はそろそろ終盤の様で、オオミズチも復活へと進行するものの、今のサクナヒメの力では届かないとのことで、果たしてここからどのように立ち向かっていくのか。そういえばこの島には、両親に絡んだエピソードがまだ何かありそうですし、そのあたりに対抗する鍵があるのでしょうか。
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