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アニメ 小市民シリーズ 最終回 10話『スイートメモリー後編』夏期限定トロピカルパフェ事件 感想

小市民シリーズ10話感想スイートメモリー後編 アニメ
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2024年夏より放送開始の作品、米澤穂信による『小市民シリーズ』を原作とし、監督:神戸 守によるアニメ化作品『小市民シリーズ』 10話『スイートメモリー後編』の原作未読での感想文となります。ネタバレとなる要素も含みますので未試聴の方は注意してください。

10話『スイートメモリー後編』

二人の別れ

小鳩君が問い詰め、小佐内さんが認めた、自分自身を誘拐させ罪を増やさせようとする計画。それに対して小鳩君は、やってもない罪人に罪をかぶせるのはだめと、小佐内さんの行動を否定する。しかし、そんな小佐内さんの嘘を暴く際の小鳩君もまた、知恵働きを楽しんでいたと指摘。一つの事件をきっかけに、二人がすれ違っていく様子が、なかなかに寂しげなお話となりました。

小佐内さんからしても、いつ襲ってくるかわからない相手をどうにか遠ざけたいという恐れの気持ちがそこにあったのも間違いなく、その気持ちを理解してくれない小鳩君に冷たい言葉を伝えてしまう。そんな二人の会話の中、中学時代の小鳩君が言われた過去の鬱陶しいという言葉、小市民を目指す小鳩君の根っこにあったそれを思い出すのは、小佐内さんの言葉がその自分の根っこに触れるものがあったからなのかもしれません。

色々と言葉で飾り新たな自分を演じることで、そのうちに自分自身を隠そうとしてきた彼ですが、それらを取り払ってしまえば残るのは傲慢なだけの二人の高校生。そんな、自分たちを取り繕うための二人の関係性にも、既に意味はなくなりつつあり、二人は二人でいる理由を見失ったがゆえに別れることを選択してしまう。

小佐内さんが最後に語ったスイーツ巡り少しは楽しかったよという言葉は、彼女の本であることは間違いない。その後の、一人でケーキを食べる寂しげな顔は、いつもの楽しそうなケーキを食べる顔とは全く違い、小鳩君が消えた穴をはっきりと感じさせるものでした。

そして、小佐うちさんの言葉を言われるがままに聞き別れを納得した鳩君も、二人でなら楽しく食べられていたトロピカルパフェが、最後一人で口を付けたらたまったものではなかったというのもなかなか意味深。これもまた、淡々としているように見えた小鳩君も、相応にショックを受けていたことを表していたのかなとも思わせてきました。

理路整然と言葉を並べ、頭で考えて合理的に動き、喧嘩すらできないという二人ですが、表に出そうとしないだけで相応に相手を思う気持ちはあるように思える。小市民、相互互恵関係の解消、色々と言葉を並べて納得していましたが、その奥にある気持ちも感じさせる話の流れ。本当に二人は別れてしまってもよいのかと思わせる夏の終わりとなってしまいました。

秋のお話?

二人が別れ、夏休みも終わり、学校でも静かにすれ違う二人の姿が寂しい中、お話は新たなん展開へ。今回最終回だったはずだよな…とどうしても思ってしまう中、新たなキャラクターが登場。

裏表がなさそうで、ぐいぐい小鳩君に対して接していく中丸さんによる告白と、小佐内さんへ告白する新聞部の瓜野君の二人が新たに登場。小佐内さんの、はっきりくる男の子って嫌いじゃないのというのは、どことなく小鳩君とは真逆のタイプと接してみようという気持ちも感じられるような気もする。

何やら二人の悲恋と新たな歩みだしで終了といった感じかと思いきや、ラストは長良川河川敷で燃え上がり爆発する車で終了と、何やら洗譚事件を匂わせこれで最終回は嘘だろうと思わせる展開。

これで二期の発表がなかったらどうしようかと思いながらEDを見ていましたが、放送後には2025年4月に2期が放送開始とのこと。『秋季限定栗きんとん事件』、『冬季限定ボンボンショコラ事件』の告知がなされました。

秋、冬のストーリーという事で、このまま放送が続いていれば季節的にもぴったりだったのはちょっと残念な気もしますが、きちんと続きも見れるようで楽しみです。

問題となるのは、原作を読んだうえで春からのアニメを見るか、確認せずにアニメを見るか。ひとまず春と夏のお話については、原作の方も読んでみようかと思いますが、これを読んでしまうと、いよいよ続きが気になってしまいそうでもあります。どちらにしても、すれ違ってしまった二人が今後どのような関係を新たに見つけるのか楽しみです。

秋期限定栗きんとん事件 上

コメント

  1. 匿名 より:

    夏までなら読むのをオススメする。地の文からアニメ小鳩くんのモノローグが削られてるから
    読めば小鳩くん側の心情がよりはっきりする
    (アニメは絵で理解させる努力はしてるけど)

    • 又三郎 又三郎 より:

      なるほど、アニメだと色々と削られてるのですね。そういう意味ではアニメ→原作だと色々と補完しながら読めるというのは良さそうです。

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