2024年秋に放送開始の作品、原作:高橋留美子、監督:宇田鋼之介によるらんま1/2の話 3話『好きな人がいるんだから』 の感想文となります。旧作アニメ、原作のなどネタバレとなる要素も含みますので未試聴の方は注意してください。
3話『好きな人がいるんだから』感想
勢いあふれる久能先輩
2話での告白がすっかりトラウマになっている様子のらんまから始まるお話。前回、放送前に流れたアバン映像は、今回使われず、2話限りだったのか、今後も時間があれば使われるのかはちょっと気になる。
前半は、前回に引き続き久能先輩が全力で残念さを前面に押し出す話。おさげの女を追いかけるにあたり、あかねは諦めるのか?という問いかけに対して全く悪びれる様子もなく、二人と交際したいと言い切るあたりは、ひどい発言のはずがあまりの潔さに逆に笑ってしまう。声優が杉田智和に変更されたとのことですが、勢いにあふれたその声は、すっかり馴染んでしまいました。
そして、久能先輩が勢いを増してくると、隣にいることも多いなびきの性格も際立ってくるようで、今回もおさげの女の写真に加え、あかねの写真まで久能先輩に売りつけ、そのいい性格っぷりを見せてくるのもよいですね。
久能先輩があかねの前でらんまに言い寄るシーンでは、なんだかんだ迷惑そうなあかねが、これ幸いと身を引く発言でらんまに久能先輩を押し付けようとしているのもよいシーン。しかし、既に女らんまと男らんまを同一人物として認める生徒たちの中で、腕の中で女から男になっても、同じ人と認めない先輩の様子にも笑ってしまう。
少し関係ない話ですが、学校であかねに余計な事を言って殴られてしまったシーンでは、ワンカット何やら可愛い絵が挟まっていたようでした。ほとんど見えないような瞬間で、はっきりとは見えませんでしたが、こういうちょっとした演出もなかなかよいですね。
らんまとあかね
前半は久能先輩を中心に笑いどころの多い話で面白かったですが、後半は後半で、あかねと東風先生との間の微妙な関係を中心に、らんまとあかねの関係を進める話が広げられる。
度々余計な事を言って、あかねにボロボロにされているらんまが、東風先生のところにお世話になり、そこから姉かすみと、東風先生との関係と、その裏でのあかねの複雑な気持ちを知ることになる。
普段はあかねの事を気にかけたりととてもまともなのに、かすみさんがくると無意識にめちゃくちゃな行動をとってしまう東風先生を見ていると、かすみさんがくると連絡を受けたあかねがすぐ帰ると言ってしまうのもよくわってしまう。
姉でありながら、東風先生を前にすれば勝てない相手として認識してしまっているあかね。おそらく、普段はできるだけ見ないように避けていただろうその状況を、見かけて落ち込んでしまう。
この状況でらんまが、どうしても余計な一言もついてしまいますが、あかねの事を気遣っている様はよい感じ。あまり意識してした発言というわけではなさそうでしたが、笑っていた方がかわいいと、普段馬鹿にしてくる男の思いがけない発言で少し気持ちが緩んでしまうというのもよいシーンでした。とはいえ、その直後の窓からやってきての発言で一気に台無しになるのが実にこの作品らしくてよい。
らんまからあかねに対しては、東風先生の手により急に足の力が抜けてしまい倒れるらんまという形で、あかねの優しさを知ることになる。背負われ帰るらんまの、あかねの優しさ、確かに感じているようでそれでもよくわからねーや、と思ってしまうシーンは、二人きりの帰り道というシチュエーションもあって非常に良い雰囲気が出ていてよかったです。
ちょっとずつ二人の気持ちが寄って行く描写もかませながら、お互い素直じゃないのでそう簡単には関係が進まない感じはもどかしいながらも、今後の話が楽しみになっていきます。
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