2024年秋に放送開始の作品、監督:上村 泰によるネガポジアングラー 4話『釣りって難しい?』 の感想文となります。ネタバレとなる要素も含みますので未試聴の方は注意してください。
4話『釣りって難しい?』感想
鮎川さんメイン回
ここまで佐々木の借金と過去に絡んだ話が中心で進んでいた感じがありましたが、今回はそんな佐々木に釣りを教え込もうとする鮎川さんがメインとなるお話となりました。
やたら釣り具が多い不思議なコンビニ。そんな中でも、釣り具の説明は絶好調の鮎川さん。何やら魚釣り用語を大量に織り交ぜて話を進める様は、聞いていてもちんぷんかんぷん。佐々木と同じような視点で今回の話を追っていく流れがこのあたりでしっかりできていたような気もします。
そんな彼女、公式サイトを見るとまだ高校生であることは書かれていましたが、ここまでの描写を見ていると本当に学校に行ってるんだろうかと思うシーンが多め。しかし、そんな彼女の学生生活も今回ちらっと描かれることに。とはいえ、鮎川さんは真夜中も基本釣りに向かっているようで、バイトと釣りが生活の中心、学校は基本寝にいっているような状況。それでも、そんな様子を楽しそうに見ているクラスメイトの姿がちらっと描かれていたりで、そんな自由なさまがコンビニと同様に皆から好かれている様子がよくわかるお話でした。
そして、佐々木と共にバイトする中で、異様に釣り具が多いコンビニなのは、彼女が勝手に注文しているという事が明かされたり、コンビニの屋根裏に住んでいることが明かされたり、両親とのちょっと微妙な関係だったりと、彼女のバックボーンが明かされましたが、視聴しているとどちらかというと佐々木側からの視点で話を追う事が多く、彼女の行動に度々驚かされること。
今は楽しく釣りに打ち込んでいる鮎川さんですが、色々と大変な過去もあったようで、そのあたりも釣り好きに絡んでいる部分はありそう。いずれ、彼女の過去や、何を思っていたのか、語られる回も来るのかもしれませんが楽しみです。
今回は、話の中心が鮎川さんだったこともあり、佐々木のネガティブな部分もあまり表に出てこず、どちらかというと色々新しい環境で頑張っている中で、鮎川さんの行動に振り回されるコミカルさの方がよく出ており笑えるシーンも多めで面白いお話でした。
色々と笑えるシーンの多い今回の中でも、ラストで見せた鮎川さんのちょっとした仕返しは、意表を突く流れで特に面白かったです。おもりの重さならあっという間に変換して計算できるのに、お釣りがちょっと複雑になると一気に混乱してしまった彼女。そこを佐々木に助けられ恥ずかしながらおお礼を言ったらちょっとお釣りと釣りをかけてからかわれてしまう。序盤に起きた、そんな些細な出来事を、きっちり最後の最後で、お釣りは計算できても釣りはできないんだね。と言い返すあたりは、思わずあーっとなり笑ってしまいました。
釣に関してはこれまで結構丁寧に教えてくれていた鮎川さん、今回ストップアンドゴーのルアー釣りの技法を佐々木に教える釣りに放り出していたのも、そのあたりを狙っての事だったのかもしれません。
しかし、鮎川さん、表情がコロコロ変わる感じや、寝るときは頭の上で髪をまとめていたり、学校に行くときはサイドで二つに分けていたり、色々な表情や姿を見せてきてなかなか可愛いのは見ていて楽しい。全体的に、過去に引っ張られて暗めな描写が多かった本作ですが、彼女が一人いるだけで空気がだいぶ変わってくるのが良いですね。ネガポジアングラーの、ポジの部分を担っているのが彼女なのかなという気がしてきます。
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