2024年10月30日配信開始、週刊少年サンデー2024年49号で連載された龍と苺214話『踏み入れられない領域』の感想記事です。ネタバレもあるので注意してください。
踏み入れられない領域
前回ラストまさかの志水会長まで苺ちゃんに協力という事実が判明しましたが、今回はその続きからスタート。
後々苺ちゃんに協力していたのか、最初から知っていたのかはちょっと気になっていましたが、どうやら最初から知っていたが正解だった様子。「最初の藍田先生じゃない。誰だお前は。」は、志水会長なりに考えたごまかしの手だったようですが、むしろ胡麻化さず否定するだけ、むしろ苺ちゃんとの関係を疑いたくなってしまっているようにも見える。そんな志村会長、これまでの厳格な会長といった感じから一転、今回は周りからダメ出しされたり、苦し紛れの言い訳を使ったりとなかなか微笑ましい面が見えてきてちょっと笑ってしまいました。
苺ちゃんに負けた寒河江ですが、3戦ある戦いの中、苺ちゃんの事情を知っているだろう塩原から聞こうとするも正体は聞けず。しかし、塩原の言う「俺たちが踏み入れられない領域がある。」という言葉だけは、非常に意味深で苺ちゃんの正体にも絡んでいそうな発言でした。
寒河江に勝利した苺ちゃんは2局目の試合では、上座に座り明確に格上であることを示してくる。どのように寒河江が立ち向かうのかと思ってみていたところ、そこにまさかのBirdのハワードの乱入。止める寒河江を気にも留めず、刀で苺ちゃんの腕を一刀両断。もはや将棋どころではない事態ですが、苺ちゃんの腕の中からはケーブルのようなものが出ており、その体がロボットであったことが明らかになりました。
前回に続き、今回も苺ちゃんの正体については大きく話が進展。ひとまず、その体はロボットであることがわかりました。とはいえ、それがどのように動いているのかという点は謎のまま。
今回、将棋連盟の会長である志村に対して、命令するような口調で話しているのを見るに、少なくとも志村からは上の相手として見られていることは明らかで、将棋連盟が作ったAIやロボットというわけではなさそう。
むしろ、100年後では貴重な生前の苺ちゃんとのつながりが深そうな人物という意味では、今の志村の対応は藍田苺に向けられているもののように思える。そうなると、引退した苺ちゃんが、何らかの方法で意識を残し生き残り、機械の体を使って試合に臨んでいるといったあたりなのかもしれません。苺ちゃんの部屋の方に本人の意識があり遠隔でロボットを動かすがゆえに、その手助けをする人物が一人部屋に必要というのが、苺ちゃんが試合の日には、一人、人がいなくなっているという理由なのかも。
今回気になったのは、そこまでして正体を隠す理由。「こっちの手の内は、ギリギリまで明かしたくない」という発言を今回の苺ちゃんはしていますが、これは自身の正体すらも手の打ちとして戦っている相手がいることを示しているように思える。100年後の名人寒河江ですら、踏み入れられない領域で戦っている彼女が、見据えている相手とはいったい誰なのか、やはり気になるところです。
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