2024年11月18日配信開始、週刊少年ジャンプ2024年51号で連載開始、『僕たちは勉強ができない』の筒井大志による新連載『シド・クラフトの最終推理』の感想記事です。ネタバレもあるので注意してください。
シド・クラフトの最終推理
探偵の宿命に翻弄
恋する人はみんな犯人。そんな名探偵シド・クラフトを主人公とした探偵ものの作品。探偵ものとはいえ、全体的にはコメディチックな作風となっており読み味は軽い。前作『僕たちは勉強ができない』と同様にラブコメ的な要素も含んでいるようです。
主人公のシド・クラフトのつい名探偵として格好をつけてしまうけど、その実は探偵なんて嫌気がさしているというあたりも、どことなく親しみを感じさせる設定で良い感じでした。
きちんとまかれていた事件の伏線
そんな本作、パッとみだと探偵風コメディ漫画、ということで軽い気持ちで読んでいたのですが、思ったより推理パートがしっかりしている。
これまでのシド・クラフトの女難の話を見ていると、今回急に脈が出てきたこの女性がまさに犯人なんだろうな、とつい予想こそできてしまい、結局犯人はその通りではあったのですが、事件のトリックや証拠に絡む要素がきっちりとそれまでのコマできっちり描かれていたというのはなかなか良いポイント。
正直、最初は探偵風コメディ漫画といった印象で読み進めていたので、深く考えていませんでしたが、こんな感じでちゃんと伏線をまきながら話を進めているのなら、次回以降もきちんと証拠が描かれているのなら、きっちり読み進めてみてみたくなる要素となりそうです。
名探偵コナンなんかも出そうなのですが、やはり、きちんと本編で証拠が描かれており、それらを元に推理できるような作品は読んでいて楽しくなってきます。毎週事件を用意してとなるとかなり大変そうな気もしますが、そのあたりがどうなるのかもちょっと気になりますね。
今回は1話完結のお話となっていましたが、週を跨いだ続き物のエピソードなんかもありそうですし、推理できる要素もきっちり出してくる作品となるなら、毎週楽しみになりそうです。
先の展開が気になるシドを囲むヒロインたち
基本的には恋する人はみな犯人といった勢いで話が進んでいく本作ですが、そんな彼を取り巻くヒロインたちも、単にかわいいという以外にも、今後のお話にも絡んで来そうな気になる要素あり。
この助手のエリオっ子女の子っぽいな?とか、警部のスフレは、髪型が過去にお別れした女の子と近かったり、色々先の展開を予想しながら読んでいました。このあたりのヒロインたちの気になるポイントは、今後のエピソードとして色々回収されていくのかなと思いきや、今回の話の中できちんと触れられており、何となく満足。
エリオは、なぜ男装をして助手になっているのか?、スフレ警部のシドが想い人のシー君だといつ気付くのか?周囲を取り囲む女性陣からのシドへの矢印が今後どう話を広げていくのか、なかなか楽しみな作品となりました。
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