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劇場版 王様戦隊キングオージャー アドベンチャー・ヘブン 感想・レビュー

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王様戦隊キングオージャー劇場版アドベンチャー・ヘブン感想・レビュー エンタメ
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2023年7月28日に公開された王様戦隊キングオージャーの劇場版映画『王様戦隊キングオージャー アドベンチャー・ヘブン』、監督:上堀内佳寿也 原作八手三郎 脚本高野水登の感想・レビューです。内容的にネタバレも含みますので注意してください。

王様戦隊キングオージャー アドベンチャー・ヘブン

舞台はギラがシュゴッダムの王様となり戴冠式の際に現れた死の国に向かうという話。おそらく30分程度の短い時間だったと思いますが、なかなか濃密に話をまとめてきた作品でした。

本作で登場した『デボニカ』や初代シュゴッダム国王『ライオニール』についても、短い出番ながらそれぞれ何がしたいのかがわかりやすく、キャラクターもたっていました。

さらに本編の今後の展開も示唆するような内容もあり、どちらかというと外伝といった感じに近い話となっていて面白かったです。

デボニカはまさかの…

あやねること佐倉綾音さんが演じることで話題となった、本作でギラたち王様を死の国へ誘うヒロイン『デボニカ』。まさかのギラの知り合いという事が早々に明かされました。

彼女の正体は、養護院で一緒だったギラたちよりも年上のお姉さん。しかし、ギラから見ても年上なのに働かないぐうたらさん。コガネとも顔見知りの様子で、ギラと関わるときは昔の感じがちらちら出ていて笑ってしまう。お互い、片や死の国の案内人、片や邪悪の王と、素を隠して何やら演じているところは割と似ている気もしてほほえましかったです。

ギラが王様になることをやめさせようとし、これから襲い来るだろう危機に対して、初代シュゴッダム国王『ライオニール』復活のためにその身をささげようとするというかなりお辛いポジションのキャラでした。

最後のキングクラウンを投げ渡すシーンは、流れ的にわかっていたけどいいシーンでした。デボニカは、本作における国民を象徴した存在となっており、誰を王に選ぶかという役割を果たしていたのかも。

しかし、ラストのシーンを見るに彼女は本編での登場もありそうなので、今後が楽しみです。

ギラとライオニール

これから襲い来る危機に対抗するために初代シュゴッダム国王『ライオニール』が自らの復活を狙う。

予告では王躯武装など、ちょっと不吉な様子も見せており悪役じみた空気もありましたが、彼もまた世界のためを思っての行動だったようです。犠牲を出してでも、何かをなそうとするというのは、どこかラクレスにも通じるところもありそうに思えました。

死者の国はバグナラクらしき影も見えましたし、ライオニールの王躯武装はバグナラクも取り込んだような姿をしている気もする。今後の本編でも、この二つの種族は単に敵ととなるわけではないのかもしれません。

しかし、そんな犠牲を認めず、犠牲を出して世界を救うことを甘いとギラは言ってのける。そして、彼と共に戦うキングオージャーの姿を見て最後は世界をギラに託す。

ライオニールがキングオージャーが揃った姿を見て懐かしい姿だなというあたりは、やはり2000年前の英雄なんだな、と感じられてよかったです。

そして、ギラがこの世界はひどいものという認識をしているというのは、本編ではあまり感じなかった部分で新鮮でした。でもだからこそ、誰も犠牲にならない新しい世界を目指すという部分が伝わってきた気がしました。

ライオニールとギラは信念の違いによって対立しました。それでも、ライオニールは初代国王としてのイメージを崩さない最後までかっこいい王様でよかったです。

それぞれの王様の思惑

ヒメノとカグラギについては、おそらく死の国について知っていて、最初から先代国王に会うことも目的の一つとして参加していたように見えました。ヒメノは両親である先代国王、カグラギは、自らが蹴落とした先代女王。

ヒメノは両親はそんなことは言わないと言っていましたが、ヒメノを死者の国にとどめようとしたのは、ただの幻惑ではなく、デボニカと同じようにこれから来る世界の破滅について知っており、そこから逃がそうとしたからとも考えられるのかもしれません。

最後現れた側近について

シオカラはヤンマ君の技術で本人が来たようでしたが、他のメンバーについてはそういう描写はなかった気がしたので、最後、それぞれの元にやってきた側近たちは、彼らのポジティブなイメージが現れたということなのか。でも、オージャカリバーを持ってきてくれていたのでそれぞれ何らかの方法で死者の国にたどり着いた本人だったのか?

どうでもいいですが、死の国に向かうときの『ヤンマ君は喧嘩がマジつえぇっす!』が嘘判定で雷落ちてきたところはちょっと笑ってしまいそうで大変でした。

ラクレスについては一切言及なし

本編では退場しているラクレスについては、映画では一切触れられることはありませんでした。シュゴッダム国王にのみだけ伝えられる2000年前の真実については、結局この映画でもよくわからないまま終わってしまいましたが、先代国王であるラクレスも、死の国に行き知っていたのかも。

その事実を知ったが故に、本編での過去のラクレスと変わってしまったという可能性もありそうです。

伏線・謎

オージャカリバーZERO

ライオニールが使用したオージャカリバーZERO。ラクレス王の秘密でも、初代が使用したものとされていたので当たり前なのですが、ラクレスのものと、死者の国で2本あることになります。

ラクレスが使用していたのラクレス王の秘密で解析していた本物だったようですし、ライオニールが使用していたものが、死者の国の力で作られたコピー品のようなものだったのかな。

ギラが王家と知っていて側にいたデボニカ

デボニカは、ギラがハスティ家のものと知っていて、映画での事態を見越してギラのいる養護院にいたようでした。つまり、デボニカを養護院に向かわせたものは、ギラが養護院にいたことを知っていたはずです。そうなると、ギラの誘拐についても関係していたとも考えられます。

そもそもギラの誘拐自体がまだまだ謎が多いですが、やはり何らかの意図が介入していた事がうかがえます。

2000年前の真実

死者の国にきたシュゴッダム国王にだけ伝えるとされた真実。これに関してはジェラミーが言っていた以上のことがまだ何かあるのか。結局映画でも触れられることはなく、よくわからないままでした。

これから起こりうる世界の危機

本作でライオニールが復活し、対抗しようとした世界の危機。2000年前の世界の危機をどうにかした自分だからこそどうにかできるとして、復活を狙いましたが、本作では最終的にギラに託すことを選ばれました。この世界の危機については、上記の2000年前の真実という点ともつながりがあるのかもしれません。

本作を通してシュゴッダムの王となったギラが、これから本当に立ち向かうべき危機。果たして、何が起こるのか気になるところです。

今作の評価

評価:4.5

本編の今後を示唆するよな内容でありながら、ギラ自身が新たな王様として初代国王に自分の姿を見せ認めさせるという内容が短いながらもしっかりまとまっていて面白かったです。ロボ戦闘はありませんでしたが、キングオージャーのアクションパートはしっかり作られており面白かったです。

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