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報いを受けるのは誰か 映画『ジョン・ウィック コンセクエンス』 感想・レビュー

ジョンウィックコンセクタンス感想 エンタメ
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ジョン・ウィック コンセクエンス ネタバレアリ感想

シャロンの死

コンチネンタル・ホテル・ニューヨークのコンシェルジュであり、これまでのシリーズでも象徴的なキャラクターだった彼の死は冒頭に訪れ、ホテルは崩壊する。これまでのシリーズでもジョン・ウィックを助け、情に厚い彼の死はなかなかに衝撃的でした。

終わってから思うと、ある意味これが本作がジョン・ウィック最後の戦いの開幕を告げていたことを示していたのかもしれません。

ケイン

伯爵の使命を受け、ジョン・ウィックを殺すために追い続けるも、たびたびかつての友人たちに情を見せていた人物。最後の戦いでは、ジョン・ウィックを助け、大阪・コンチネンタルでは、友人であるシマヅの仲間に対しては、明らかに手を抜き殺さないように戦っており友を思う人でもある。しかし、そんな人物でも、友人であるシマヅを殺してしまった報いが訪れたというのは、報いというのは誰に対してでも訪れる無常さを感じさせました。

キーラ

ベルリンにて、ジョン・ウィックが家族に戻るための条件としてターゲットとなった男。なぜかジョンウィックを狙う3人相手にポーカーをはじめ、すさまじく余裕ぶってイカサマを披露。その結果ジョンウィック、ケイン、トラッカーの三人を敵に回し、いきなり首筋を狙われ逃走を始めた時は何なんだだこいつと笑ってしまいました。しかし、いざジョン・ウィックと戦い始めてみるとその巨漢を生かしたパワーファイターといった感じで強い。地に倒されジョンウィックにマウントをとられての顔面パンチ連打を受けてなお立ち上がる様には、ジョン・ウィックもマジかよ…という顔をしていてちょっと笑ってしまう。

独特の話口といい、最後は奪われた自慢の黄金の前歯といい、なかなか癖がありながらも魅力的な敵でした。

車に強いジョン・ウィック

終盤、パリでのカーアクションシーンはよかったです。これまで、車の一撃を貰って気絶することが多く、ジョンウィックの弱点といえば車なんじゃないかと思っていましたが、本作では車に対しても強い。

防弾スーツを着ていたり、轢いてくるのが一般車だったり、不意打ちではなくきちんと受け身をとってるからダメージを最小限に抑えてるのかなと思いながら見ていましたが、平然と走ってくる車に投げつけられてもピンピンしていて笑ってしまう。その後のシーンでは、一般殺し屋が車に轢かれて一発でダウンしているのを見て、本作のジョン・ウィックは間違いなく車耐性を得ていたことを確信。

最後の決戦に向かう高揚感で痛みをカバーしていたということも考えられますが、ジョン・ウィックという存在の強さを感じさせました。

ファイアージョン・ウィック

今回、賞金を狙って襲ってくる殺し屋は、焼夷弾を用意していました。銃弾なんて何のそのといった感じの防弾スーツが標準装備となっているジョン・ウィックに対して有効そうな装備だったので、なるほどなーと思ってみていました。しかし、結局活躍することはなし。それどころか、あっさりと奪われジョンウィックのメインウエポンになる始末。同戦闘シーンでは、おそらく同じ武器から弾薬を奪ってリロードまでしており、使い勝手がよかったようでちょっと笑ってしまう。

実際、銃弾更に追加で一発入れてとどめを刺していくことの多いジョン・ウィック的には、急ぎのあのシーンでは、一発で倒しきれる焼夷弾は相当便利だったことでしょう。

犬に優しいジョンウィック

本作における『犬』は印象的な存在です。やはり一作目ジョン・ウィックで、彼が過酷な世界に戻る理由となった存在。

本作で登場した、その犬を相棒とする殺し屋トラッカーには、何か意味がありそうと思ってみていましたが、殺されかけた犬を救うシーンがありました。

犬を救われ絆されたトラッカーがジョン・ウィックを狙うシーンでは、相棒の犬が「おい、あいついい奴だぞ。」といった感じで飼い主を見つめるシーンは可愛かったです。

結果的に、犬を救ったことが、ジョン・ウィック自身をも救う結果となったのは、何とも不思議な縁を感じました。

そういえば、犬を殴った彼は、その報いを受けていたのも、ある意味コンセクエンスを表していたのかもしれません。

報いを受けるのは誰か

本作のサブタイトル、コンセクエンスとは、報いという意味がこもっており、それに沿うように本作では様々な『報い』がありました。

グラモン侯爵は、本作においてはまさにわかりやすい悪役といった感じで、作中自分が行った傲慢な行為すべてが自身への報いとなって帰ってきたのを感じました。特にラストでは、まさに調子に乗って出てくるから!といった感じでジョン・ウィックとどめを刺されましたが、本作で一番報いを受けた悪役といった感じのキャラクターでした。

さらに、報いとして、印象的だったのは、ED後のシーン。全てから解放され娘に会いに向かうケインが、自ら殺したシマヅの娘のアキラにナイフで狙われて物語は終わります。この締めが、本作における『報い』を象徴となるシーンとなっており、コンセクエンスというサブタイトルの印象をきっちりと残して言ったように思えました。

そして、ジョンウィックもまた、これまで取ってきたすべての行動、生き残るために多くの人を殺してきたことに対する報いが死であったのだと思います。死ぬこと自由になれるというのは、ジョン・ウィックが常にかけ続けられた言葉でしたが、彼は自由を勝ち取って死ぬことができました。死は彼の行いへの報いではあったかもしれませんが、それでも、死による自由ではなく、死ぬ直前とはいえ自由をつかみ取ることができたということが、彼の人生の成果だったのではないかと思えました。

彼の死をもって物語は終わりを迎え、それでも死の自由ではなく、生きる自由を勝ち取って死んだジョン・ウィック。どこか寂しいながらも、余韻を残す終わり方はとてもよかったです。

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