アニメ 葬送のフリーレン 27話『人間の時代』 感想

2023年秋に放送開始した『葬送のフリーレン』アニメ。1～4話は金曜ロードショーにて放送、その後通常放送が開始しました。こちらの記事は27話『人間の時代』の感想文となります。ネタバレとなる要素も含みますので未試聴の方は注意してください。

27話『人間の時代』

フェルンの壊れた杖

前半描かれたのは、第二次試験ラストで壊れてしまったフェルンの杖を巡る顛末。

またしても謎の老人に構われているシュタルクの元に、やってくるフェルン。いきなりむっすーとして怒られるシュタルクにはいつものことながらほほえましく笑ってしまう。

今回冒頭からいきなり機嫌の悪いフェルンでしたが、フリーレンが壊れた杖を新しいものに買い替えようと言ってしまったのが原因だった様子。フェルンからするとハイターからもらった大事な杖。そのあたりの感覚が少しずれていた感じ。

そんな中、リヒターの開く魔法道具屋には、デンケンと、ラオフェンが集まる。三人の中で唯一不合格となったリヒター、何やら色々デンケンは語っていましたが、要するに自分とそっくりであるリヒターであれば、今回落ちたのも運が悪かっただけ、さらに成長した次回ならば必ず受かるという事を伝えたかった様子。

前はリヒターにはあげなかったドーナッツを差し出すラオフェンもまた同じような気持ちを持っていたようですが、爺さん不器用なんだとデンケンの言葉不足を伝えるラオフェンに対する、リヒターのお前は爺さんの何なんだよという言葉には少し笑ってしまいました。

そんなところにやってくるフリーレンは、リヒターに杖の修理を頼む。本当にぼろぼろ、というよりも木くずのようになっている杖を最初は断るも、「できないならいいや」に対して「できないとはいってない。」と即座に修理に取り組む様には少し笑ってしまう。

ラスト、フェルンとシュタルクに杖の件を話しかけるリヒター、試験が終わった故か、デンケン達の言葉があった故かはわかりませんが、どこかこれまでと違い語り口が柔らかく感じられました。

かくして、フリーレンの計らいで直った杖はフェルンのベッドにそっと置いてある。ハイターの言葉の通り、人の気持ちを理解するのが苦手故に、フェルンの事を理解しようと頑張ってくれるというのがよくわかるお話でした。お互いそのことに触れるわけではないですが、その気持ちはしっかりと伝わっているというのがよい終わりでした。

第三次試験

そして、お話の後半行われた第三次試験。ここまでの実技的な試験とは異なり、今回行われるのはゼーリエ直々の面接。

ゼンゼの行った二次試験、協調性を問うという内容自体はよかったものの、フリーレンありきで合格してしまった本来なら三次試験に挑む力量のないものが多い状況。このままでは三次試験で大量の犠牲者が出てしまうということを防ぐための直々の面接。

しかし、その実力を見極められるという点では、何よりも過酷な試験。とはいえ、むしろ半端な実力で一級魔法使いに合格してしまう方が不幸にも思えるので、ゼーリエの言う通り優しい試験となっているのかもしれません。

ラオフェンや、エーレ、カントなど、2次試験を合格した面々も、一瞬で不合格となっていく。

そんな中、次の面談はフリーレン。最初から合格させる気などなかったとする、ゼーリエでしたが、それでもフリーレンに対して好きな魔法を問いかける。花畑を出す魔法という、フリーレンの答えに、あっさりと不合格を告げる。ゼーリエの求める魔法使いとは決定的に違うという事なのでしょう。

不合格となったフリーレンですが、さほどそこには興味はなく、むしろゼーリエに伝えたかったのは、次に来るフェルンの事。以前ゼーリエに言われた魔法の世界に、人間の時代が来るという話を逆にフリーレンが伝えることが、まさにフリーレンがフェルンの確かな才能を認めていることの証明のようでした。

フェルンの試験シーンは、本当に良い流れ。今回の話の中で、ゼーリエが最初に一級魔法使いに認めたというレルネンが最後までゼーリエの揺らぎには気づけなかったという流れを見せていたからこそ、フェルンがその揺らぎを発見し、ゼーリエもまたその才能を欲しがるという流れに説得力が出る。

素直な実力だけではまだフリーレンには届かないだろうフェルン、しかし、レルネンですら見つけられなかっただろうゼーリエの魔力の揺らぎを見つけるというシーンが挟まることで、ゼーリエの思惑すら超える才能がはっきりと伝わってくるのがはっきりと伝わってくるよい流れでした。

ゼーリエの弟子入りの誘いを断るも、自身の魔力の揺らぎを見つけるほどの才能を手放すはずもない。ある意味フリーレンの思い通り、フェルンは無事一級魔法使いに合格となりました。

28話『また会ったときに恥ずかしいからね』

次回、いつものセリフもなくまっさらな中で見えるサブタイトル。残りのメンバーの合否も気になるところです。予告の感じを見るに、次回で一度最終回となる感じでしょうか。