2024年冬に放送開始の作品、総監修:出渕 裕、監督:堀 元宣、キャラクターデザイン:川元利浩による『メタリックルージュ(METALLIC ROUGE)』12話『仮面の墓場』の感想文となります。ネタバレとなる要素も含みますので未試聴の方は注意してください。
12話『仮面の墓場』
シルヴィアからの離反
いよいよ目的を目前としたシルヴィア。金星で働くネアンは3年しか生きられないと残す。ルジュ達の前にいたジャロンを自らの手で葬り去り、ルジュ達との戦いが始まる。
その裏で起きている、ノアールVSグラウフォンの戦いでは、グラウフォンはその発言から、シルヴィアのために戦っている事がわかる。ネアンの自由というのは、あくまでシルヴィアの考えで、グラウフォン自身は、シルヴィアを守るためだけに戦っているようでした。しかし、そんな彼でも、最後に残した言葉がシルヴィアを止めてくれだった事から考えると、彼女のために戦ってこそいたものの、彼女自身の行動すべてが正しいと思っていたわけではなかったようです。
一度はシルヴィアの側についたアイスも、ジーンの皆が喧嘩をしている時には止めに入ってくれたのはお前だったという言葉もあり、ジーンの側につくことを決定。
改めて思うと、1話でのサラもアルターに対するネクタル提供の協力はしぶしぶといった感じもありましたし、ネアンの自由を求めるという思想については、ほとんどシルヴィアだけの考えだったのかもしれません。
そもそも、金星の設備を使ってネアンを製造し人間に抗うという計画も、正直かなり無理があるように思える。結局は、彼女もまた簒奪者にいいように利用されているだけなのかもしれません。
ナオミとルジュ
シルヴィアとの戦いに敗れたルジュ。イドを奪われ倒れたルジュの手を貸してという声に背を向け、どこかへ走り去るナオミ。
以前のルジュ拘束の時もそうであったように、ナオミはあくまで自分自身の役割を合理的に果たす。今回ナオミに与えられていたのは、ルジュの作戦失敗時に金星の反応炉を暴走させ、コードイブごと全滅させるという、来訪者の指示の実現。
来訪者に対して、表向きはどこか反抗的な態度を示したり、どうにか正論を固めていう事を聞かせているように見えるナオミでしたが、根っこの部分では常に従う意思を覆せないでいたのがここまでのお話。
そんなナオミが、この最終回目前で、初めてルジュのためにその役割を無視する。ある意味、来訪者に作られたナオミもまたここで初めて自由を選んだという事なのかもしれません。
そして、ナオミのイドをルジュに移植し、再び立ち上がるルジュ。ここに関してはエモいとかより、他人のイドでも問題がないという事にまず驚いてしまいまいた。これまでイドは個人の特性とか性格とか、人間でいう心的なものが含まれたものだと思って見ていたのですが、単なるエネルギー炉的な物だったようです。改めて思うと抜けても何とか動いていたノアールがいましたね。
かくして、再びシルヴィアの元に向かったルジュとナオミ。最後の戦いが始まる。
人形遣い師=ロイ・ユングハルト
以前から声などで示唆されていましたが、人形遣い師の正体が今回判明し、これまで死んだとされていたロイ・ユングハルト本人であることがわかりました。彼は、前回攫っていったシアンを使いこの物語の幕を引かせようとしている。
やはり、シアンには何かがあるようで、ノアールたちの簒奪者の記録の調査を見るに、シアンにもまたコード・イブが搭載されているような、事が語られる。
そして、今回ラストでの正体判明時には、ルジュに対して「お前は自由か?ルジュ・レッドスター?」と問いかけていましたが、彼は、一体何をルジュに望んでいるのでしょうか。
今回の話では、ここまでは台本のない即興劇と話しており、ある意味インモータルナインとルジュがそれぞれが自由を求めて動くことこそがここまでの目的であったようには思える。シアンを使い、幕引きに向かわせる立場となり、正体を現した彼ですが、やはり何をしたいのかという点についてはいまだ見えず、次回最終回で明かされることになりそうです。
メタリックルージュ 12話感想まとめ
いよいよ、次回最終回。ロイ・ユングハルトも正体を現し、彼の目的が語られることになりそうです。
とはいえ、金星に絡んだ簒奪者、来訪者の問題まで話を片付けられるのかというのはかなり怪しそう。まして、ネアンと人との共存というのも、描き切れるほど余裕はないように思えます。
あくまで、ロイ・ユングハルトが計画した一連の事件が、片付くだけで終わるといった感じになるのでしょうか。
メタリックルージュ Webtoonによる漫画連載決定
何やら3月ごろより、メタリックルージュが漫画化されるようです。詳細は以下の記事にて。
配信情報
以下の記事でメタリックルージュのネット配信情報をまとめています。地域によってはテレビ放送より早めに見れる場合もあるようなので、気になる方は各サービスに登録されてみるのもよいかもしれません。
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