ジークアクステレビ放送9話『シャロンの薔薇』感想・考察【機動戦士Gundam GQuuuuuuX ジークアクス】

2025年4月9日より放送開始、監督：鶴巻和哉　脚本：両榎戸洋司庵野秀明　キャラクターデザイン：竹によるテレビ放送版機動戦士Gundam GQuuuuuuXの9話『シャロンの薔薇』の感想・考察記事です。ネタバレを含みますので注意してください。

9話『シャロンの薔薇』

9話『シャロンの薔薇』

マチュ地球へダイブ

前回ラストの突然のマチュの地球へのダイブ、冒頭はきっちりその続きから話が始まり、マチュの目的がシュウジがいるだろうシャロンの薔薇のある地球へ向かうことだと改めてわかる。

地球への降下の不安の中、ジークアクスは内部にあるアームでマチュを抱きしめてくれるというのがなかなか意味深。これまでもマチュのピンチに勝手に動くことの多かったジークアクスでしたが、今回はいつにもましてその意思のようなものが感じられる行動を見せていました。

大気圏への突入こそ成功したものの、下は海。そのまま落ちれば買い手に沈んでしまう中で背中のバックパックが飛行機に分離。改めて思うとガンダムなのでコアファイターがあってもおかしくないのですが、いざ外れてみるとびっくりしますね。

ともあれ、色々と自体は混沌としたままですが、マチュは念願の地球へ足を踏み入れることに成功となりました。

ジークアクスの中には誰がいる？

今回のジークアクスのマチュを抱きしめるような行動や、これまでの話での突然の起動などを考えると、ジークアクスの中にあるように見える人格は一体何なのか、というのが気になってくる。これについて色々考えてみましたが、今回の話では、ララァ・スンは夢の中で他の世界を見ており、そのいずれもシャアは白いMSのパイロットに殺されてしまったという話をしており、キラキラの先にあるのがジークアクス世界との並行世界であることが示唆される。

更にララァは何度も夢を見ていたという話から考えると、それだけの数のララァがいた世界があったとも考えられ、もしかするとオメガサイコミュを通じて並行世界のララァがジークアクスの意思のような存在となっているなんてこともあるのかもしれません。

捕まった後のマチュ

今回は冒頭こそいきなりの大気圏ダイブでしたが、ソドンに掴まった後のマチュの様子も語られる。手荷物やハロだけは手元に戻してもらい、コモリさんからもらった服を着たマチュは、シャリア・ブルから尋問を受ける。

この尋問パート、ニュータイプの力がこれでもかと活用され、マチュが頭に思い浮かべてしまったものはすべてシャリア・ブルに筒抜け。ちょっと頭によぎるだけで相手に見抜かれてしまうというのは、傍から見ているとなかなか怖いシーン。そして、そんな尋問の果て、最終的にシャリア・ブルはシュウジがシャロンの薔薇を求めて地球へ目指していたことを知る。

用は済んだと言わんがばかりに独房に戻されたマチュですが、そこに再び謎のメッセージが入り、独房のロックが解除、外へと脱出することに成功する。その内容自体はシャリア・ブルにも傍受されており、見えた範囲では、ジークアクスの位置まで誘導をしていた様子。かなり詳細に曲がり角の位置なども伝えており、現在のマチュの位置とソドン内部の構造を完全に把握していないと不可能な物というのもなかなか意味深。

マチュの位置という意味では、スマートフォンの位置や側にいるハロあたりが関係していそうですが、ソドン内部の構造はそう簡単にわかるものではなさそう。一応メッセージ自体は、送れる状況ではあったようなので、外部からと言う可能性もありますが、ソドン内部にいる何かが連絡してきていたなんてこともあるのかも。

そうなると、何やら意思を持っているらしいジークアクスが自分の元へ来るよう誘導していたなんてこともあるのかもしれません。

ララァの登場

前回の予告でも意味深に姿を見せていた女性は、初代ガンダムでの重要なキャラクターであるララァ・スン。マチュが落ちてくることを知っていた彼女は、マチュをカバスの館で保護することになる。

地球に行けば自由になれると思っていたマチュに対して、ララァ自身は宇宙に出れば自由になれると考えているというのがなかなか意味深なところ。つまるところ、自由というのは結局今の境遇から飛び出したいという思いであり、違う世界を目指そうとする気持ちなのかもしれません。

最終的にカバスの館は、そこから逃げ出そうとする女性たちにより火の海となり、それに乗じてマチュ達も脱出。館の女性たちに頼まれた通り、ララァを連れて逃げ出そうとするも、最後にはララァが自らマチュと共に行くことを拒否する。

ララァは、あそこから逃げ出し、宇宙に行きたいという気持ちはありましたが、それはシャアによって連れ出されることを望んでいたという事だったのかもしれません。マチュがシュウジを追いかけてここまで来たように、ララァもまたシャアに出会いたくて今の世界を生きている。二人に共通する部分となっているのかもしれません。

シャロンの薔薇の正体

脱出したマチュは、海に落ちたジークアクス本体の回収へと向かう。水陸両用のジークアクス、海中に潜り本体の発見に成功。しかし、そこでマチュはジークアクスだけではなく、シャロンの薔薇まで見つけてしまう。

今回はシャロンの薔薇の正体まで明かされ、それがララァ・スンの乗るMAエルメス、そして、その中に時間が凍結したララァ・スンが登場していることが判明する。

気になるのは、ジークアクスが降り立った場所にちょうどシャロンの薔薇があったという事。単なる偶然というにはあまりにも出来すぎた出来事となっており、つまりジークアクスの地球への降下は、最初からシャロンの薔薇の位置を知ったうえでそこにたどり着くように行われていたという可能性が高そうです。

さらに、今回気になるのは、落ちる直前にコアファイターを分離させマチュをララァの元へ誘導したようにも見えること。結果的にマチュは、シャロンの薔薇のララァを知る前に、ララァが何を考えているのか、どのような人物なのかを知ることになりました。

ジークアクスの内部の意思がララァの事を教えるために、ジークアクス世界のララァの前へマチュを誘導したのだとするのなら、ジークアクス内部にある意思もララァとの関係が強いという可能性が高まったように思えます。

いよいよシャロンの薔薇が見つかり、ジオンに回収されたことで、イオグマヌッソの計画は進行。次回予告の時点で完了した段階まで話が進むようです。ギレン・キシリアの二人が揃う場所、ソーラ・レイといよいよクライマックスが近づいてきたことを感じさせるシチュエーションになってきましたが、果たしてここで何が起きるのか、気になるところです。