第37回読書感想画中央コンクール 指定図書一覧
2025年7月1日に2025年第37回読書感想画中央コンクールの指定図書が公開されました。一覧はpdf形式で公開されており、どのような作品かわかりにくかったため、全13作品の一覧を制作。Web通販サイトでの販売情報もありますのでご参考にどうぞ。
小学校低学年の部
あいたくてたまらない:ももいろの貝とやどかりぼうやのお話
おくやまゆか 作
そうたは、泳ぐのが怖くて海に入れません。
ある日、おじいちゃんが、海で見つけた貝がらをくれました。見たことがないほど大きくて、もも色で、とてもきれいなまき貝です。部屋にかざって寝ていると、真夜中、不思議な音がします。「ざざーん、しくしく、あいたいよー」それは、ももいろの貝のなかから聞こえていました。
驚いていると、貝はとつぜん話しだし、これは、故郷の海で、やどかりのぼうやが、自分にあいたくて泣いている声なのだと、涙ながらに告げるのでした。
おじいちゃんが貝をひろったせいで、はなればなれになってしまったなんて。そうたは勇気をふるって、貝を海にかえします。するとこんどは、やどかりぼうやが貝をさがしにきてしまい……。
リリの思い出せないものがたり
たかどのほうこ 作 高橋和枝 絵
2年生のリリは、おばあちゃんの庭のクロスグリの木のところに来るたびに、ふしぎでわくわくする思い出があることを感じます。でも、どうしても思い出せません。
夏休み、リリは、おばあちゃんのお友だちのフサ子さんが書いた『水玉ハンカチのものがたり』を聞かせてもらうことになりました。それは、むかし、フサ子さんがなくしてしまったハンカチが旅をする物語……。
聞いていると、これまで思い出せなかったリリが2才のときのふしぎなできごとがよみがえってきたのです!
そして、そのリリの記憶はフサコさんが書いたお話と結び合って、とびきり楽しい物語が生まれます。
ガラガラがらくた!?
エミリー・グラヴェット 作 なかがわちひろ 訳
カササギのメグとアッシュは、森の一番高い木にせっせと巣をつくっています。もうすぐひなが生まれるのです。やがて、きれいな水色のたまごが4つ、巣にならびました。カササギ夫婦は、かわいい子どもたちのために完ぺきな巣をつくろうと、いろんなものを集めはじめますが……。
モリスくんとオレンジいろのドレス
クリスティーン・バルダチーノ 作 イザベル・マランファン 絵 まえざわあきえ 訳
モリスくんは、すきなものがたくさんある男の子。
ときめく色や音があります。
ある日、モリスくんはすばらしいドレスをみつけました。
それは、だいすきなものを思い出すとびきりのオレンジいろ。
着てみると、なんだかやさしい音も聞こえてきます。
あんまり素敵だったので、ドレスを着て外に出てみたら、みんなにひどくからかわれてしまって・・・・・・
とじこめたくない。
モリスくんの世界が奏でる、鮮やかな色と心地よい音。
主人公を「ドレスを着た男の子」だけにとどめず、素晴らしい個性の持ち主として描き出した秀作。
小学校高学年の部
いかだネコG氏12のぼうけん
山下明生 作 高畠那生 絵
瀬戸内海の入り江に浮かぶいかだ、コッパ養魚天国は、若き社長がはじめたばかりの養殖場です。唯一の社員は、ネコのG氏。仕事はいかだに寝泊まりしてタイの餌を守ること。そこにあらわれるのは、ネズミやカラスやサギ、子猫たち。それから税務署長や獣医さん、パン屋さん、魚どろぼうまで。大切なタイを無事に出荷するまで動物も人もさあ大変! 港町でくりひろげられる、猫のG氏にふりかかる冒険の数々とは!?
銀樹
森埜こみち 著 日下 明 絵
家族をなくし、過酷な暮らしをおくるシンはある日、朽葉の里に住むマボウに引き取られ、山で生活することに。マボウに憧れ、薬師になった頃、都から一人の薬師がやって来て、銀樹から作られた秘薬が欲しいと言ってくるが…。
ラナと竜の方舟:沙漠の空に歌え
新藤悦子 作 佐竹美保 絵
気がついたら、沙漠の町の前に立っていたラナ。隣にいた男の子ジャミルは「竜に乗って空を飛んできた」と言いますが、ラナは、いつ、どうやって来たのか覚えがありません。
その町は、沙漠のオアシスだったのが、いまでは人には見えない〈蜃気楼の町〉になっていました。竜は、いのちの危険にさらされている子どもを救いだして連れてきていたのです。
故郷から逃げ出そうとしていた自分も、危ないところを助けられたのだろうか? そうだとしても、これからどうすればいいの? どこへ行けばいいの? どう生きていきたいのか、ラナは自問します。
イランやトルコなどの中近東に造詣の深い著者が、死の危険と隣り合わせの子ども達への思いをこめて綴った、方舟の町を舞台にした物語。
ダンス・フレンド
カミラ・チェスター 作 櫛田理絵 訳 早川世詩男 絵
ある日、レオのとなりの家に、同い年のリカが引っ越してきた。
レオが一言もしゃべらないことを全く気にせず、たくさん話しかけてくるリカ。
そんな明るく元気なリカも、ダンスが大好き。
互いの庭のトランポリンで一緒にポーズをとりながら、楽しい時間を過ごす。
中学校・高等学校の部
やなやつ改造計画
吉野万理子 著
世のため、人のため、だけど一番は自分のため?!中学3年生の気まま男子、京座木光也は、生徒会長に立候補することを決意。選挙を勝ち抜くべく、リーダーになるための研究を始めますが……。恋に友情、SNSの炎上、etc。思いもかけない大波小波が次々と!自分を変えたい、変わりたい、と思っている人にエールを送る、青春ストーリー。
ミルキーウェイ:竹雀農業高校牛部
堀米 薫 作
「進学校にも行ける」という担任の声をよそに、竹雀農業高校へ入学した夢生。大学進学を目指せば、母さんに負担をかけると思ったからだ。牛に惹かれ、実習用の牛のお世話をする「牛部」へ入部する。日本の乳牛の99%を占めるというホルスタイン種。夢生の体の三、四倍はありそうな大きな牛たちとの生活が始まる――。
七月の波をつかまえて
ポール・モーシャー 作 代田亜香子 訳
パパが家を出ていって以来、あらゆるものが怖くなってしまった12歳のジュイエ。旅先の海辺の町で、太陽みたいに明るいサーファーガールのサマーと出会い、気づけばサーフィンに挑戦することに――。別れの予感を胸に、生まれては消えていく波を夢中で追った、とくべつな31日間の物語。生きることのきらめきに満ちた傑作!
この銃弾を忘れない
マイテ・カランサ 作 宇野和美 訳
二年前に内戦が始まった後、炭鉱で働いていたミゲルの父さんは「民主主義を守る戦い」に身を投じて、行方がわからなくなっていた。
十三歳になったミゲルは、母さんとおばあちゃん、幼い五人の弟妹たちを支えるため、進学をあきらめて、牛の世話をして働いていた。
そんなある日、炭鉱で父さんといっしょに働いていた男が村に戻ってきて、父さんが二百キロ近く離れた町の収容所に入れられているのを見た、と告げる。
すると母さんはミゲルに、「父さんのところへ食べ物を持っていって。そして、ここへ連れて帰ってきてちょうだい」と言い出す。
そんなことできっこない、と思いながらも、母さんや弟たちの勢いに押され、ミゲルは忠実な犬だけを連れて、一人、旅に出ることになった。
だがオオカミのいる森、敵か味方かわからない放浪の兵士など、道中は危険でいっぱいで…?内戦時代に実際にあった出来事をもとに、スペインの実力派作家が描く、家族の絆と、少年の困難な旅と成長の物語。
クマはなぜ人里に出てきたのか
永幡嘉之 文・写真
大量出没と人身事故の増加でマスコミを騒がせるツキノワグマ。背景では何が起こっているのか?
著者が大切にしているのは「自分の眼で見て考える」こと。
クマの棲む山岳から里山まで丹念に調べ歩き、クマと人間との関係を読み解いていきます。
「怖い」だけでは終わらせず、クマという生き物を知る面白さを考える一冊。
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