2025年8月6日配信開始、週刊少年サンデー2025年36・37号で連載された龍と苺251話「後一人」の感想記事です。ネタバレもあるので注意してください。
後一人
三段リーグ佳境
濱野大の中学生棋士が決まり、残りのプロ入り一枠を競う話が開始。
未来の時代を生きる中学生たちが棋士を目指すパートのお話という事で、果たして誰が勝ち抜くのか読めないのが気になる所。ここで戦いに向かうのが主人公である苺ちゃんであったなら、最後の一人は苺ちゃんとなってしまうところですが、あくまでサイドのお話だからこそ、誰が最後の一人となるか読めない部分が出ているように思える。本編で苺ちゃんが負けないからこそ、こういった話の先の読めなさがより一層感じられるように思えます。
実際のところ誰が勝ち抜くのか、というのを考えてみるとここまでの話の積み重ねから、山野辺ミクがあり得そうに思える。彼女に関しては先祖である山野辺との僅かながらでも顔を合わせることができたり、本編でもオーラが出ていると言われていたりと今回の戦いに向けた変化が感じられます。
アッコの試合前の雰囲気は、先祖である丹生コッコによく似た楽観的な感じを出している。ただ、アホなのに勉強も運動もできると周りから褒められ、軽く見ているあたりはこのまま合格に向かうというよりも、ここで一度大きく失敗して将棋により打ち込む流れの前振りのようにも思える。
とはいえ、今のところ誰が勝ち抜くのかという点では、まだまだ読めない点も多く、次回の話が気になってきます。
未来の若者たちの話はどうつながるのか?
個人的に気になるのは、この三段リーグに挑む若者たちの話が、今の苺ちゃんとAIとの戦いにどう絡んでくるのかというのが気になる所。彼女らの実力は、当然AIと苺ちゃんとの戦いに割って入れるほどのものではなく、その差も簡単に埋まるものではないように思え、今のまま本筋には絡んでいける者ではないように思える。しかし、そうであってもあえてこの3段リーグの若者たちの話を描いているという事には、やはり作品としてのテーマに絡んだ意味を持たせてたいが故のように思えます。
苺ちゃんが成し遂げた道から続く更なる未来へつながる存在として描いていくのか、はたまた、他に役割を持つのか、今後の彼女たちの出番が気になるところです。
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