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8000年の過去と最後の3人の意味 超かぐや姫!姫 感想・考察

超かぐや姫感想 アニメ
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2026年1月22日より、Netflixで配信されたアニメ『超かぐや姫!』の感想と考察記事です。一部ネタバレも含まれますのでご注意ください。

魅力的な映像

近未来を舞台とし、生活費か羅学費を全て自ら稼ぐ多忙な女子高生・彩葉が、七色に光る電柱から生まれた謎の少女・かぐやとの出会いから始まったものが体を描く本作。

視聴前からPVなどでのライブシーンの映像が特に印象に残る作品でしたが、それ以外のキャラクターの動きや表情、画面の賑やかさは本当に派手でキラキラとしていているもの。キャラクターの表情も、コミカルに良く動き非常に賑やか。その中でも、ヤチヨについてはちょっと古臭いまでのアニメチックな表情を出していましたが、それは彼女がAIだからなのかと最初は思う。しかし、終盤にかけて謎が明らかになってみると、それだけ様々な世界を見てきたが故、ということなのかと思わせるもの。

ことVRの世界を舞台にしているが故に、ド派手な表現も自由に出せており、ゲームを題材にしたイベントでVRファンタジー作品的な流れでバトル演出も多め、ライバーを題材にしたことで様々な現代的な題材を取り入れ、ライブシーンまで用意。これらの一つ一つが、バリバリ動き、派手な映像と大きな動きは見ていて楽しい作品でした。

細やかな前ぶり

また本作は、序盤から各キャラクターが見せる意味深な前ぶりとそれをきちんと拾い上げていく話の流れが用意されていました。

序盤からかぐやが食べ物に非常に強く反応していたのも、元々そういう娯楽がない世界にいたからだったり、序盤からカグヤが見せていた意味深な目線の意味だったり、序盤気になった小さな描写が後々きちんとその意味が分かるのが良い感じ。

月からの使者たちと接触した後、妙に物静かになったかぐやの態度から、彼女が記憶を取り戻したことを暗に感じさせたり、帝を避ける彩葉だったり、序盤から描かれていたささやかな描写がきちんと後でも拾われ、あれはそういう意味だったのかとわかるのは良いところ。

帝と彩葉の関係なんかは、彩葉のゲームの腕が良いことから、てっきり元々一緒にゲームをしていた程度の物かと思っていましたが、いざ蓋を開けてみるとより深い関係だったりと驚きもありました。

彩葉の母は何を思っていたのか

そんな本作、見ていて気になったのは無茶苦茶な生活を送らざる負えなくなっていた彩葉に対して母親が何を思っていたのかということ。

本作の主人公である彩葉、高校生でありながら親元を離れバイトで学費・生活費を稼ぎながら勉強をこなし、東大への入学も夢ではないと言わせるほどの成績を収め続ける。ただ、当然その生活は相当な無茶を伴って成り立たたせているもの、無理をして何でも自分一人でやってしまい、なまじそれができてしまうから、それがそのまま続く。友達からはいつかふっと消えてしまう、死んでいてもおかしくないと思われるほどの頑張りっぷり。そんな彼女の一人きりの生活ですが、本人はそれを納得し、すさまじいバイタリティで乗り切っていますが、やはり、傍から見るとそれは十分異常な物。

そのきっかけとなったのは、母親との割の合わない関係。やるなら勝ちに行けと娘に伝える厳しい面を見せる母親、そんな態度に幼い頃から耐えてきた彩葉はついに爆発、喧嘩の末全てを一人で賄う一人暮らしを始めることになったようです。

ただ、この母親決して娘の事を嫌ってそういっているわけではないのも事実。彩葉が語った通り、自分ができたから娘もそれができるだろうという考えもあるのでしょうが、自分に頼れば助けてあげるという気持ちも同時にあったように思える。

彼女の彩葉への向き合い方は、彩葉に勝ち負けという点を強く意識させているように見えましたが、それ以上に、彼女が本当にやりたいことと向き合う事を望んでいたというのが一番大きかったのかもしれない。

彩葉自身も、ゲーム・音楽・勉強と、あらゆることに頑張りかなりの成果を出していましたが、果たしてそれが本当に彼女がやりたいことに向き合った結果だったのかと考えると少し怪しく思える。親元を離れ学業に打ち込み、東大を目指していたのも、これならば母親を納得させられるからという、その目標の主体に自分が存在しないものでした。最後に彩葉が目指した道を素直に応援する立場を取ったのも、これまでと違う彩葉自身がやりたいと思ったことであると感じたが故なのかなという気もします。

とはいえ、そんな母親の行動が彩葉を追い詰めていたのも事実で、とんでもなく我を通そうとするかぐやと触れ合う中で、彩葉もまた彼女のように人を頼れるようになれたからよかったものの、あのまま一人で頑張り続けていたら、本当にどこかでぽっきり折れてしまい、友人たちが懸念していた通り消えてしまっていたなんてこともあったかもしれません。そう思うと、かぐやとの出会いもまた彩葉のハッピーエンドへとつながる鍵だったということなのかもしれません。

8000年の孤独

本作を見ていて終盤にヤチヨが語った自らの秘密。その中で、ヤチヨ8000年の孤独として、それまでの経験が映像として流れることになりました。

その直前ヤチヨが彩葉に語ったお話は、どうにも楽しかったことを徹底して話し続けていたように見える。それに対してして、その後のウミウシによって導かれた先で見たヤチヨの過去はどこか寂しげなものが多い。

二人での会話の時は、あくまでかぐやらしい楽しそうな自分を見せようとしていたヤチヨですが、8000年の彩葉を待つ時間の中には、楽しいだけではない、悲しい事、つらい事、それ以外の様々な出会いもあり、そういった、かぐやから変化したヤチヨを作り上げたことを描いていたということなのかもしれません。

ラストでは、成長した彩葉が、かぐやに新しい体を用意し、ヤチヨ・かぐや・彩葉の三人でライブへと向かう事になる。

おそらく、ヤチヨの中のかぐやの部分を取り出し移殖したのが体を得たかぐやということなのでしょうが、ここに関しては、無理に3人にせずとも、かぐやから変わってしまったヤチヨをそのまま受け入れるというお話でよかったのではないかと少し思ってしまう部分でもありました。

もう少し深く掘ってほしいところも多い

そんな本作ですが、キャラクター間の関係の変化という点を意識してみると、物足りなさを感じる部分もあり。かぐやとの出会いによる彩葉の変化や、かぐやとヤチヨに関わる秘密の部分は、お話としてはかなり気になる面白そうなところではありましたが、個人的にはそのあたりの描写がもっと欲しかったなと思う。

2時間20分というかなり長い映像の大部分がライバーとしての二人の成長に割り振られており、映像的には見ごたえのあるものが多くはありましたが、その反面、個々のキャラクターの心情・関係性の変化といった点については、どこか唐突感もある流れが多い。

兄や親との確執に絡む部分はもう少しじっくり彩葉の気持ちの変化を見たかった気がしますし、ヤチヨの8000年という孤独の部分もかなりダイジェスト気味に流されてしまい、少し気持ちが乗り切れない点でもありました。ただ、このあたりは小説版で多めに描写されているとのことで、そちらを読んでみることで色々と見えてくる部分もありそうです。

全体の映像は非常にド派手で楽しい物でしたが、映像面の楽しさを重点的に描いたが故なのか、各キャラの持つ心情の重さという部分は長い映像の割に不足していたように思える部分御あり。ただ、このあたりはハッピーエンドを求める、かぐやの楽しさという部分を重点的に描こうとしたが故なのかなという気もしますね。

超かぐや姫! (ファミ通文庫) 

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又三郎

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