2025年6月18日配信開始、週刊少年サンデー2025年29号で連載された龍と苺244話「神の誕生」の感想記事です。ネタバレもあるので注意してください。
神の誕生
シンギュラリティ
冒頭からシンギュラリティについて語られ、餓狼がシンギュラリティを迎えたとほぼ確信しているCEO達は底に到達したAIが神と呼べるほどの存在となると期待を持っている様子。
そんな中、目の前で苺ちゃんとの対局に当たる餓狼は、横からのマシンガンによる妨害というとんでもない状況も、意にも介さず処理しており、確かにこのあたりは神業と言っても過言ではない。ただ、将棋会館はネットワークにはつながっていないため、そこに繋がることで本当の意味でのシンギュラリティを迎えると期待しているようでした。
しかし、餓狼と苺ちゃんとの対局は、既に餓狼サイドからすれば自分が負けるまでの道筋が見えてしまっている。今は餓狼にその答えが見えているというのは、シンギュラリティを迎える前に既にその状況に陥ってしまったが故といった感じか。今の画廊からすれば、苺ちゃんにその道筋を辿らせないことが唯一の勝つ方法となったようです。
そして、餓狼は苺ちゃんにそこへ至らせないために、あらゆる手段を用いて戦いを挑んでいる様子。真っ当にAIとして将棋を続ければ負けてしまう、であるならば苺ちゃんを揺さぶれる戦い方が必要となる。インターネットにつながれる万能のAIであるならばもっと良い方法があったかもしれないが、現在のスタンドアロンの状況の中で最善の行動が、自身のベースとなっている山野辺の記憶からの本人の再構成となったのかもしれません。
偽山野辺
前回の描写でもそんな感じはありましたが、今回の山野辺の内心の描写は、まさに山野辺本人が今の時代に蘇ったというもの。その戦いっぷりも、もう諦めた…無理だ…といった態度を見せながらも、苺ちゃんを揺さぶりながら虎視眈々と勝利への道筋をこじ開けようとするもの。
ある意味、これまで苺ちゃんが餓狼に仕掛けた圧を山野辺から仕掛けているような展開となっており、単なるAIが相手というわけではないこと、まさに山野辺本人を相手にしているような住協であることがわかる。
しかし、苺ちゃんサイドも、まだ暗中模索。それでもなお勝ちにつながると信じる道を打ち続けるのは、山野辺が手を緩めないからというのは、互いの実力を認めているが故といった感じでなかなか良い感じです。
今回のお話、気になるのはこの戦いの後何が起きるのかという事。ムサシがなぜ爆発してしまったのか、餓狼はこの後どうなるのか、そろそろ終盤を迎えるこの戦いがここからどうなるのか気になってきます。
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