2025年4月9日より放送開始、監督:鶴巻和哉 脚本:両榎戸洋司庵野秀明 キャラクターデザイン:竹によるテレビ放送版 機動戦士Gundam GQuuuuuuXの最終回12話『だから僕は…』の感想・考察記事です。ネタバレを含みますので注意してください。
12話『だから僕は…』
シュウジの目的
シュウジ側がララァを守ろうとしているのかと思いましたが、むしろ、シャアの方がイオグマヌッソを使ってララァを向こう側に送り返そうとしており、シュウジ側がララァを消すことでこの世界を消してしまうというのが目的だったとのこと。
ただ、自らのシャアを救いたいという願いを元に作った世界で、そのシャア本人に自らの願いを否定されるという事はララァからすれば耐えられるものではなく、その絶望に向こう側の世界も巻き込んで崩壊してしまうだろうという考えの元、この世界も夢の一つとして消し去ろうとしていたとのことです。
ララァを送り返そうと起動したイオグマヌッソですが、結果的に世界をつないだことで向こう側の白いガンダムをこの世界へ呼び出してしまう。それに立ち向かうのはマチュとニャアン。シュウジも大切に思っているはずのララァを自ら殺すという悲しい結末を終わらせるために戦いへと向かう。
白いガンダムが巨大化したりと、不可思議な現象も多数登場して、ガンダム云々抜きに何なんだこれは…となる絵面と共にお話が展開され、途中から半ば笑いながら見ていましたが、最終的にはマチュの気持ちとジークアクスの覚醒により決着となりました。
エンデュミオンユニットとジークアクスの正体
これまでの話でもメールを送ってきていたのも、やはりジークアクスだったようでその内側にある思えがサイコミュに何らかの意思があることが推測デキちました。今回は、それがシャロンの薔薇と共にやってきたエンデュミオンユニットなるものであることがわかる。
ワンシーンだけ流れたジークアクスの意思ともいえるその声は、まさにアムロの声優古谷徹となっており、アムロ自身であることを表しているようでした。
幾度もガンダムがララァを殺す光景を見るの事を望まない気持ちが、エンデュミオンユニットがこの世界に来た理由とのことで、同じくニュータイプとしてその光景を見てきたアムロの想いがこの世界に影響を与えていたという事なのかもしれません。
予想外だったシャリア・ブルの目的
これまでずっとシャアを探し求めている姿が描かれていたシャリア・ブルでしたが、今回彼の目的も明らかとなる。
Begginingでは、シャアのマブとして動いており、その流れからシャアに心酔している者だとばかり思っていましたが、彼の本心はむしろ逆でシャアが表舞台に出てこないよう殺してしまうというものでした。シャアの纏う虚無がというくだりは、逆襲のシャアを連想させる少しメタ的な発言ではありましたが、これまでの彼の相手の心内を察するニュータイプとしての力を見ていると、シャアの内面の闇のようなものにも気付けていたというのは十分ありそうです。
また、シャアの暗殺を計画するシャリア・ブルは、裏でアルテイシアのジオン総帥への擁立に向けて動いており、その邪魔となるギレン・キシリア・そして、シャアの3人すべてを排除することことがその目的だったようです。そもそも、キシリアとギレンを同時に殺害して、その後どうするんだ?という疑問は以前からありましたが、最初からこうするつもりだったと言われると納得できる面もありますね。
最後のアルテイシアが総帥となるシーンでは、本作では出番のなかったランバ・ラルが横に並んでいるシーンもあり、彼経由でアルテイシアの存在がジオン側に伝わっていたなんてこともあるのかも。何となくアルテイシア側で何があったのかという裏話も気になるところですが、1年戦争の時期から既にこの擁立の話が始まっていたとするなら、もしかするとソロモン落としの際にアルテイシアがシャアを攻撃したのもその目的のためだったなんてこともあるのかもしれません。
ともあれ、シャアとの戦いの果てに、共に相手を殺しきることはできず決着はつかず。そのシーンの会話では、シャアに彼のその真意を告げ、シャアもまたそれに納得して去っていったようでした。
ララァを迎えに行くシャア
ラストのそれぞれのエピローグでは、地上で難民となっているララァの元に、シャアが迎えに行くというシーンが挟まれる。
ジークアクスの世界自体がシャアを生かしたいというララァの望みにより生まれたもの、その原因となった薔薇のララァは結局その願いを叶えることはできませんでしたが、それでもシャアを望み続けていたこの世界のララァは、最後にその望みを果たすことができたというのはよかったです。
ギレンとキシリアは死に、妹であるアルテイシアがジオンの総帥につく、友人だったガルマは描写こそないもののおそらく生きている、自分さえ表に出ていかなければ望みが皆果たされたともいえる世界。ララァが望んだ世界だけあり、シャア自身にとってもハッピーエンドとなる終わりようにも見える終わり方でした。
マチュ
様々な出来事に巻き込まれ、ジークアクスに乗って世界を回り様々な事を知り、結果的にシュウジから好きだよと言う言葉を貰えたとは言え、そのシュウジも元の世界へと戻っていって消えてしまう。
最後には地球の海を満喫していたマチュですが、何一つ後悔せずひたすらに前に進んでいくというものが新しいニュータイプであるマチュという結論に終わった本作。おそらく彼女は再びシュウジと出会うためにどんな無茶でもやっていくんだろうなと思わせる終わりとなっていました。
1クールという短い時間で、毎話話を進めるうえで要点となる部分だけはしっかり描き、最低限話を構成する要素は描き切る。しかし、そこに原作要素をふんだんに盛り込んだことで、オリジナルのキャラクター周りの話は必要最小限におさまってしまうと、もう少し描写が欲しくなるところもあった本作。それでも、毎話ラストを気になる引きで終わらせることで、次回を楽しみにさせる波のある話作りがされており、原作の要素をどうこねくり回したものが出てくるのか、と楽しめるお話となっていました。
ただ、それでも個人的には、もう少しマチュ・ニャアン・シュウジ周りの描写を見たかったと思ってしまう部分もあり、シャアとララァ周りがある意味一番重要な話として終わったように思えるだけに、まだまだマチュ自身の話はこれからかな思う終わりを迎えた作品となりました。
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