2025年10月29日配信開始、週刊少年サンデー2025年47号で連載された龍と苺261話「将棋の本質」の感想記事です。ネタバレもあるので注意してください。
世界をひっくり返す
革命
O・Kとの対局は終わり、ボロボロになった将棋会館にやってきたハワードが何をするのか…というところから始まった今回のお話。
ハワードがシンギュラリティを目指すのは、大量絶滅から逃れるために宇宙へ脱出するという話が語られるもそれはあくまで建前、あくまで世界をひっくり返すようなことがしたいというのが本心だった様子。
そんなハワードの革命という話、側にいるトーマス・苺ちゃん共に口には出さずとも考えの理解を示す。やり方・考え方の違いは異なっていても、あの場にいれるほど優れた人間であれば皆それぐらいの事は常に思っているというのもわかるもの。しかし、そんな中AIであるAO・Kだけがわからないとしれっと返しているシーンにちょっと笑ってしまいました。
ハワードの次
ハワードの目論見は、シンギュラリティを迎えたAIがネットに繋がれればそれだけで世界が変わるというもの。しかし、それはAIがシンギュラリティを迎えたうえで発生した一人一人の考えがそちらを向いていて初めて成し遂げられるもの。トーマスを慕うO・Kからすれば、そんな気はそもそもなく自分の意思で繋がろうとしない等選択を取る。このあたりは、ムサシが自爆した理由とも重なる様子。
最後には、消えようとするO・Kをトーマスがその身を挺して止めようとする。毎度、登場時と比べ話が終わってみるとなかなか皆自分の関わったAIに対する気持ちが見えてくるのがよい感じです。とはいえ、そんなトーマスを傷つけるわけもなく、O・Kは一人消える道を選ぶことになりました。
ただ、これまでもネットに繋いでバックアップを残そうとしていたO・K、今回のラストではちゃっかり自分の意識をネット逃がしていたことが判明。何かを企んでというよりも、身を隠したというだけな気はしますが、インターネットに繋がったO・Kが外部の情報を知り何を考えるのかは気になる所。ここで逃げたO・Kが最後のハワードのAIに対して何か役割を持つのかなという気もします。
そんなO・Kの事情を知る由もないハワードは、単にシンギュラリティを迎えるだけではダメ、個性を獲得したAI本人が世界をひっくり返したいと考えていなければ意味はないという結論に至った様子。いよいよ次の対戦相手ともなあるハワードのAI、果たしてどのようなものが出てくるのか。
しかし、いよいよ竜王戦となると、100年後の戦いも終わりが近づいているようで少し寂しく感じる。果たしこのお話どこにたどり着いて終わるのか、気になるところです。


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