じゆうちょうQ 最終回 12話 鏡
2026年3月26日に幻冬舎plusにて公開された記事じゆうちょうQ 12話 『鏡』の感想記事です。ネタバレも含むのでご注意ください。

じゆうちょうQ 最終回 12話『鏡』
最終回となる今回のお話は、加辺瑞紀なる人物から送られてきたメールに絡むお話。何やら、10年前に美大生だった彼女が恩師より依頼された絵画の修復に関する物、とのこと。
最初描かていたのは、とある女性の肖像画で、こちらは絵の所有者の男性の母親の若き日の姿のようですが、修復をしようとするもどんどん表面の剥離が起きぐちゃぐちゃになってしまう。
それだけなら、ただの修復作業の失敗というだけなのでしょうが、なぜかそこに加辺さんの顔が描かれるという妙な現象が起きてしまう。友人のいたずらかと思い、それを剥がしていくと、次々としたから誰かの肖像画が出てくるという不気味な絵だったことが明らかになるというお話。
はがれていく過程でそれぞれの顔が見える関係で、一人一人の顔ははっきりとは見えませんが、一部は年老いた男性、若い少年、長髪の女性、はては軍人のような人物と、そこに描かれている人にはまとまりがなし。鏡というタイトルから考えると、これまでこの絵に関わってきた人たち、ともとることはできそうですが、人同士が混ざり合ったような状況の絵を見ていると、何とも言えない不気味さがそこにある絵でした。
結局、この絵が何だったのか?というのは分からずに終わった今回のお話。読んでいると不気味さは感じる者の、どうにも、かなり作り物っぽい、フィクションっぽい話だなという感想も同時に浮かぶ。そういう視点で見るものだから、どんどん下地から異なる肖像画が出てくる今回の絵も、かなり手を込んで作っているなぁといった感想が浮かんでしまう。ただ、読み終えた時点で、今回のお話は冒頭の時点でこの現象をフィクションとして描いてほしいというお願いがあった事を思い出す。
呪い、怪異は信じることで成立する、であるなら、フィクションであると皆が思ってしまえばそれはただの物語になる。今回のメールを送ってきた加辺さんのそんな願いがあるからこそ、より個お話自体の真実味が増していくように見えるのが本作の面白い部分なのかも。
加辺さんが送った動機についても、あくまで何か悪い自体に巻き込まれたわけではなく、この不気味な絵と出会ってしまったが故の不安を解消するためのもの。この本当の怪異なのか、そうでないのかわからない絶妙な境界にあるお話だからこそ、嘘と真実の境目にあるフェイクドキュメンタリーらしい作品の題材として相応しい物であるように思えました。
そんなじゆうちょうQも今回でひとまず最終回とのこと。なんだかんだ毎月面白いお話が読めていたので寂しさもありますが、また新しい何かが始まることを楽しみに待ちたいところです。


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