2026年11月4日配信開始、週刊少年サンデー2026年49号に連載された柳本光晴による漫画、Honey Creepの1話「運命の相手」の感想記事です。ネタバレもあるので注意してください。
運命の相手
龍と苺の連載終了から僅か半年ほどで改めてサンデーでの再開、ラブコメ、さらに連載開始前には、作者はXでアカウントを開設し投稿を始め以下のような投稿をしており、新作のラブコメにかける意気込みを伝えていました。
僕自身の環境が変わったというのもあるかもしれないんですけど。子供が出来て、できれば、この子が初めて読む漫画を描きたいという思いがあります。そういった時に、暴力的で、とりあえず人が死ぬ。そんな漫画を子供に読ませたいかなって。もちろんそれが悪ではないんですけど。
— 柳本光晴 (@yana202612) November 2, 2026
冒頭描かれたのは、主人公である大塚有栖と、幼馴染の隼人君との関係。トラックに轢かれそうになったところを助けられ、運命の王子様として彼を慕い始める。
そうやって、二人は成長していくものの、ある日占い師から二人は異なる占いを受け、隼人君は「すぐにこの地から去ったほうがいい」、ありすちゃんは「今すぐ死んだほうがいい」、とまで言われてしまう。
そんな不穏な空気を出し始めながら進む本作は、隼人君に彼女が出来たという話から一転していく。とはいえ、ここまでだったら、正統派なラブコメの導入とも言える作品ではあるのですが、ここから一転、話は転がり始める。
彼女ができた隼人と、有栖たちの卒業旅行、雪山のペンションに泊まりに行く、という話の流れはあまりにもミステリーの導入のようにも見え、正直嫌な予感がしていましたがまさにその通り。
山荘では殺人事件が起き、これだけでも大きなジャンル転換なのに、有栖はサイレンサー付きの銃を見つけてしまったことで、隼人の彼女を殺し自分の運命をつかみ取りに動き始める。冒頭の流れからは、予想もつかないとんでもない方向に話が転がっていくことになりました。
有栖が銃を撃つきっかけになったのが、隼人君の彼女の、貴方は隣にいたのになぜ何もしなかったのか、自分はやれることを最大限やってつかみ取ったという言葉なのが何とも皮肉。ただ、運命を信じるだけではだめ、自分からつかみとりにいかなければいけないという事をまさに実行するラストとなっていました。
もはやこの流れを見ていると、連載開始前のXでの投稿は完全に茶番、素直にラブコメをやるとは思っていなかったものの、出されたものは想像の斜め上。次回、有栖ちゃんの運命を開くための努力が始まるようですが、真犯人に殺しの罪を押し付けるための工作が始まるなんてこともあるのかもしれません。
そんな本作、さりげなく気になるのは幼馴染グループの中にいる徹の有栖に対する態度も少し気になる。隼人がいるから諦めていただけで、かなり気にかけているようにも見え、この二人の間にもここから話が始まりそうなのが気になるところです。
1話の犯人は誰?
今回最初に発生した、岡崎さんの事件は、窓ガラスに穴が開いており、岡崎さんはベッドで頭を撃たれて死んでいました。
凶器はおそらく有栖ちゃんが発見したサイレンサー付きの銃。そして、それを見つけた際に、有栖ちゃんは犯人に気付いたそぶりを見せており、今回の事件の犯人は既にわかっているようです。
状況の説明では、窓の外から撃たれたと言われており、外部の犯人説が挙がっていますが、サイレンサーがついた銃で銃声が鳴っている、という点がおかしく何らかの偽装工作が行われていそうです
そもそも岡崎さんの部屋は2階だったり、窓から撃たれた割には岡崎さんの倒れ方など少しおかしな点も多く、室内でサイレンサー付きの銃で撃たれ、窓ガラスもその後に内側から撃って穴をあけたと考えたほうが良さそう。
有栖たちがきいた銃声は、その後事件のタイミングをずらすために敢えて鳴らしたものだとすると、サイレンサー付きの銃が置かれていた1Fの女子トイレで銃を鳴らした、というのがありそうです。
銃声が鳴った時、どこにいたのかという点を考えてみると、まず有栖とオーナーは外で話をしており鳴らすのは不可能。他の証言を見ていくと、岡崎さんの死を確認した医者である今井さんの奥さんは、1Fのトイレに行っていたという話がちらりとあり、今回有栖が銃を見つけたのも1Fのトイレだったことを考えると、奥さんがそこで銃声を鳴らし、そのままトイレに銃を隠した、というのが現在わかっている範囲では一番それっぽく思えました。
ただ、銃は見つけてくれと言わんがばかりの雑な隠し方がされてあり、そもそも、外部との通信をどうやって断ち切ったのか、といった点は気になり、さらにもう一段何かあるのかな、とも考えられます。ただ、本作の主軸はおそらくミステリーではなく有栖周りのサスペンスになるだろうことを考えると、そこまで深い展開はないような気もします。
まだ見えていない部分もありますが、とりあえず、今回の要素から考えると、今井さんの奥さんが犯人なのではないか、と思いました。
Honey Creep 感想
連載前から続いていた、ラブコメアピールから、急展開としか言いようがない連載内容となった本作。素直にラブコメではないだろうな、とは思っていましたが、思っていた以上のものが出てきて、次回の展開が気になる作品となりました。
隼人と結ばれるために、人を殺して運命を切り開こうとし始めた有栖。これまでも、この作者の作品の主人公は1話の過激な言動が話題になりましたが、ここまで明確に一線を越えてしまったのはおそらく彼女が初めて。タイトルロゴもこの内容を踏まえてみると、なかなかにおどろおどろしい黒に染まっているように見えるのが怖いですね。
占い師の言った通り、もはやその行く先には真っ暗闇としかいいようがない有栖ですが、果たしてここからどうなっていくのか、気になるところです。






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