2024年1月24日に発売された週刊少年サンデー2024年9号にて、コトヤマによる漫画『よふかしのうた』の200話、最終回が連載されましたので、最終回と全体の感想記事です。
よふかしのうた
だがしかしのコトヤマによる作品。吸血鬼の少女、ナズナと不眠が続く中2の夜守コウ、二人きりのよふかしから始まっていく関係を描く、真夜中のボーイ・ミーツ・ガール作品。
最終回
前々回当たりの話で、色々とけりはついており、何となくエピローグ感のある話が続いており、
冒頭から、夜守君と別れたナヅナによるモノローグと、様々な吸血鬼、人から離れてしまった吸血鬼との出会い、彼女自身のその後が描かれる。そして、それでも生きていく…といった感じのさびしい幕切れとなるのかと思わせてからの、夜守君の再登場。
『だがしかし』での最終回は、未来がどうなるかはわからないといった空気をだして終わっており、正直少し唐突感もある幕切れという感じがありました。そのため、今回もなんとなく素直に分かれてしまって終わる感じのビターエンドを予想していましたが、よふかしのうたでは、最後にこれからの二人の関係をはっきりと描いて終了。
結局、夜守君が発症していた半吸血鬼かとは何だったのか?というあたりについては、何もわからないまま終わりましたが、そもそも吸血鬼自身が、自分たちの生態を理解しきっているわけでもなさそうなので、まぁそういうこともあるんだろうと思っておくのがよさそう。もしかしたら、何か別の場でふれられることもあるのかもしれません。
何やら夜守君の方は、かなり成長してしまい、もはや単独でもバトル漫画の主人公やれそうなスペックになってしまいましたが、そういう細かい部分には一切触れないのも、よふかしのうたっぽ感じがしました。
最終回の最後の最後まで、別れの物語といった感じで話が進んでいた気がしていたので、最後によいサプライズ感のある終わり方といった感じでした。
作品全体の感想
個人的には、全体的な雰囲気を見ると『だがしかし』のようなギャグ中心で明るい話の流れの方が好みですが、こういうじっとりとした空気感もこれはこれでよいものだと思わせる作品でした。
本作では、吸血鬼を題材としたこともあってか、バトルものっぽい展開も時折挟む作品でしたが、やはり戦いがメインというよりも、それぞれのキャラクターが、それぞれが抱える葛藤、悩みに対して、如何に自分の気持ちに整理をつけるかという部分に主点を当てているように思えました。こういう部分が、コトヤマさんの描くお話の特徴なのかなという気もします。全体的な雰囲気で言うと、個人的には『だがしかし』のようなギャグ中心で明るい話の流れの方が好みですが、こういうじっとりとした空気感もこれはこれで好きな作品でした。
最終回の方の感想でも書きましたが、なんとなく、ビターエンドでおしまいという終わりを想像していたので、ナズナちゃんと、夜守君の最終回での関係は、実にこの二人らしい感じで、良い終わり方を見せてくれたと思います。
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