2024年春に放送開始の作品、監督水島努、シリーズ構成:横手美智子、キャラクターデザイン:西田亜沙子による『終末トレインどこへいく?』4話『なんでおしり隠すの?』の感想文となります。ネタバレとなる要素も含みますので未試聴の方は注意してください。
4話『なんでおしり隠すの?』
8駅進行
今回の話は、池袋に向かう旅が大きく進行するお話でした。最初の3話は各駅停車といった感じで進みましたが、今回の話では、一気に8駅進行となりました。
吾野、東吾野もなかなかファンタジーな状況でしたが、そこから駅たちは、山羊頭の化け物が襲ってきた梨、植物人間のようなものが笑っていたり、かと思えばゴルフボールが降ってきたり、家だけがあったりと、より一層混沌とした世界になっている様子。なかなか、予想もつかない駅がたくさんあるようで、このあたりの旅の描写は大変そうながらも面白かったです。
かくして、何とかそれを乗り越えはしたものの、何やら昌にトラブル発生。東吾野で発生したキノコの件が、じわじわと昌のお尻で成長しているという事態。おそらく、ミストサウナに一人はいらなかった昌は、キノコの生育が遅く、出発後に成長してしまったというような感じでしょうか。
電車の中で、隠していたがゆえに、東吾野での他の面々よりも成長してしまったそのキノコ。すっかり、昌もキノコの思考に頭を乗っ取られてしまっている様子。何とかそれを引き抜くことに成功しますが、処置が遅かったせいなのか、昌は頭がぽやーッとした感じになってしまう。
そんな中、善治郎さんとのモールス信号でのやり取りで稲荷山公園には医者がいるという事がわかる。これまでいまいち役に立たないまま元に戻ってしまっていた善治郎さんですが、ここにきて初めてこの通信が役に立ったような気がします。そういえば、前回橋が壊れたことで線路が壊れたのに通信はできるのかな?と思っていましたが、あくまで線路は曲がってしまっただけで続きはしているという事が、ちらっと語られ通信が今だできることへの、の解答もありました。
そんなこんなで、稲荷山公園駅まで向かう面々。何とか到着する物の、何やら遠くに小さな町。まさにガリバー冒険記のような感じにとらわれてしまった静留、玲実、果たして次回どうなるのでしょうか。
今回到着した駅と地図のマークの意味
今回到着した駅はおそらく、以前仙人からもらった地図では以下のような感じに描かれていました。
駅名 | 地図のマーク | 囲う形 |
---|---|---|
武蔵横手 | 山羊頭 | ○ |
高麗 | 植物人間 | ○ |
東飯能 | ゴルフボール | ○ |
飯能 | 人の形の木 | ○ |
元加治 | 家 | ○ |
仏子 | 地蔵 | □ |
入間市 | 内臓 | ○ |
稲荷山公園 | たくさんの人 | ♢ |
武蔵横手の地図のマークは、狐化と思っていましたが、今回襲撃してきた山羊を頭につけたような人たちを表していた様子。続く、高麗は植物人間、東飯能は大量のゴルフボール、飯能は、人の形をした木、元加治は家、仏子は地蔵、入間市は宙に浮かぶ内臓と、それぞれ地図の模様と一致。
今回、玲実がこの周囲にあるものについて、近くに住んでいた人々が山羊頭の化け物や、植物人間、ゴルフボールになっちゃったんだ、という話をしていましたが、実際に会話可能な地蔵が元住人であることを考えると、それが正解という可能性が高そうです。
地図は、各駅のマークが、○や□、♢の形で囲まれていましたが、こちらにも意味があったようです。今回までで登場した駅は、ほとんどは○で囲われていますが、動物マークの吾野、キノコマークの東吾野、そして地蔵マークの仏子だけは、□で囲まれている。これらに共通するのは、会話ができる元人間がいるかどうか、という点。住民の姿こそなんでもありですが、この□に囲まれた駅では、意思疎通が可能なに元人間が存在する予想できます。
しかし、わからないのは♢のマークで囲まれた今回最後に到達した稲荷山公園。何やら小人がたくさん住む町がそばにあり、駅のマークのたくさんの人というのは、この小人を表しているようす。
しかし、何やらコミュニケーションは取れず、町に入り込んだ静留、玲実に対しては攻撃をしてくるという状況。今回の描写を見ていると、会話ができない、もしくは、外部の人間を攻撃する危険な町を♢として囲んでいるということなのかもしれませんが、次回更にこの駅周辺の様子が明かされることではっきりとしそうです。
各駅でのマークについては以下の記事でもまとめています。
幼き日葉香へ語った静留の夢
ここまでのお話でも、葉香と静留二人の幼き日の関係が冒頭に語られてきましたが、今回のそのパートでは、気になる発言が少しあり。
やりたいことがない葉香に対して、静留は、『吾野柔術免許皆伝になってアリクイと戦いたい』、『めっちゃ賢くなりたい』、『きのこをめっちゃ食べたい』、『そして、小人を絶対見つけたい。』といくつものやりたいことを語る。この時、静留が語った内容がここまでの各駅に反映されているのかもしれません。
アリクイと戦いたいは、動物のいる『吾野』、きのこをめっちゃ食べたいは『東吾野』、小人を見つけたいは、『稲荷山公園』と、全てではないですが語った内容が駅の特徴と一致する点があり。
7G事件の発端には、葉香がいることは1話の出来事でわかっていることため、人と物を直接つなぐ7Gにより、その大本にいた葉香の『静留の願いを叶える』という願い世界に反映されているなんて可能性もありそうです。
二人の会話のラストは、シリウスを約束の星として、私たちの名前にしよう、と終わっていました。葉香を探し池袋を目指す静流と、おそらく今も池袋にいるだろう葉香、この二人の再開と物語の鍵はこのシリウスとなるのかもしれません。
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