2024年春に放送開始の作品、原作・企画・製作:東映アニメーション シリーズ構成:花田十輝 シリーズディレクター:酒井和男 オリジナルアニメ『ガールズバンドクライ』の4話『感謝(驚)』の感想文となります。ネタバレとなる要素も含みますので未試聴の方は注意してください。
4話 感謝(驚)
すばるがバンドをやめる理由
今回は、すばるの今の状態に触れた話。前回のライブ成功でとてもハイになった仁菜ちゃんからのスタートでなかなかほほえましい。しかし、そこにすばるからの突然のバンドをやめるという連絡で、話が大きく進展。納得いかない仁菜は、すばるに詰めかけるも、すばるのおばあさまが登場。
てっきり、おばあさまに対して仁菜が家族に持っているような不満を持っているのがすばるだと思っていたのですが、今回の話を見て大分感想が変わる。どちらかというと、すばるは、むしろおばあさまのために、頑張っているようで、今回かなりすばるを見る目が変わったお話でした。
役者かライブか
すばるに話を合わせる中で、役者の卵扱いを受けていた桃香と仁菜。エチュードのふりをしながらすばるに真意を求める仁菜でしたが、あの土壇場な状況でそういう行動をとれるのは流石といった感じ。しかし、なかなか圧も強いすばるのおばあさまからエチュードへの参加を問われた際にも速攻「いやです。」と言い切れるあたりも、実に仁菜という感じでちょっと笑ってしまう。
しかし、その後のおばあさまの前での、机したのでブラインドタッチのスマホでのやり取り、なんかも、結局おばあさまには見抜かれていたりと、やはりただものではないおばあさま。
仁菜の気持ち
バンドをやめてほしくない、ただ一心ですばるの元に行き、桃花さんには文句を言いと、相変わらずやりたい放題の仁菜。話が死体と、すばるから家に誘われるも、最初こそ、喧嘩の流れのまま時間がないと断る。しかし、即、うそある。なるあたりもかわいらしい。前の話であれば、仁菜がもっとずっと意固地になっていただろうことを思うと、かなりバンドメンバーとの距離感も縮まった感じもしますね。
色々と文句を言っていたすばるでしたが、結局のところその根っこは、おばあさまが喜んでくれるからという一点。しかし、それでも、いつかは言わなければいけないという、仁菜の言葉で、演劇をやめ、バンドを告げる覚悟を決めるすばる。無事、その話をして一件落着、となりそうなところでさらにもう一点するのが実にこの作品だなという感じでした。
更に一転
共演は果たして、あとはすばるから話を聞いて終わり、といった空気の流れたラストシーン。一度は、後押したはずの仁菜が、最終的にその決断を後回しにするためすばるを連れ去る流れは、まさに仁菜でなければできない動きといった感じ。
自分でバンドをやめてほしくなくて、きちんと決着を付けようと話しておきながら、最後の最後で引き延ばしという選択。本当にうれしそうなおばあちゃんの様子をみている間、ずっと何やらいつものトゲトゲが出続けていた仁菜。いつかは演劇をやめるにしても、その最後の選択を自分の言葉で後押しするというのは違う、自分で決めなければいけないと思ったのかもしれません。
あのまま決着がついてすばるは素直にバンドの道にとなりそうな流れでありましたが、その展開を最後ぶっ壊せるのが仁菜ちゃんの魅力でもあるのだろうなと思うお話でした。
おばあさまの真意は?
今回、ちょっと気になったのは、すばるとの共演を終えた後のすばるのおばあさまが何を考えていたのかという事。最後の「確認しに行かなきゃね」、という流れは、演技の確認という意味もあったのでしょうが、その裏にどこかすばるの気持ちを聞きに行こうとするようにもみえました。もしかすると、既にすばるの演劇を目指すという演技を見破っているのかもしれません。エチュードの時の演技を見て、少なくとも仁菜と桃香の二人は、役者を目指しているわけではないことを察していそうで、実際バンドかどうかは別としても、すばるが何かやりたいことを見つけたと理解しているような気がします。
すばるはいつかおばあさまに自分の言葉で演劇から離れると伝える時は来るのか、先の展開に絡めても気になるお話でした。
次回5話『歌声よおこれ』
そろそろ、残り二人との合流のお話に進むのかなと思いながら見ていましたが、予告を見る感じではまだ今の三人でのお話となる様子。
おそらく、学校に通っている頃だろう仁菜の姿もあり、仁菜自身の過去について触れるお話となりそうです。額に傷をつけて、何やら放送室のようなところでクルッと回っている仁菜。過去に何があったのか気になるところです。
Blue-ray DVD発売決定
TVアニメ『ガールズバンドクライ』の映像商品の発売が決定。全13話の映像を収録した全7巻となり、TVアニメの映像以外にも、各巻トゲナシトゲアリの新曲や、豪華封入特典も付属した特別仕様となるようです。
まだパッケージの画像は出ていませんが、1巻は2024年6月26日(水)に発売、各巻1~2話収録となるようです。
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