2024年9月1日より放送開始した令和仮面ライダーシリーズ第6作目の作品『仮面ライダーガヴ』13話『約束の手作りケーキ』の感想・考察記事です。
この記事には最新話のネタバレが含まれますので未視聴の方はご注意ください。
13話『約束の手作りケーキ』
シータ・ジープとの戦い
ショウマの過去と今、そしてシータ・ジープとの関係をケーキを使って結び、彼らとの戦いへと話を進めたお話となりました。
シータ・ジープ・ショウマの三人の関係を見る中で今回特に印象的だったのは、幼き日のショウマの行動。シータとジープの誕生日を影から見ていた幼き日のショウマ。ケーキを食べ、プレゼントをもらって祝ってもらう二人をうらやんでいたのかと思いきや、自分も二人に花を渡そうと動く。しかし、そんなショウマの行動が二人には気に入らなかったらしく、渡そうとした花をも踏みつぶす。これはある意味、シープ・ジータとショウマの間の関係が決して良い方向に向かう事はないという事を示しているかのようなエピソード。
そもそもストマック家の面々からすれば、ショウマは自分たちが食材とする生き物との間に生まれた兄弟。そもそも自分たちと家族であるという事すら認めがたい存在で、そういう反応になるのも仕方ないといえばそうなのですが、それでも幼き日のショウマの優しさは踏みにじられたことに変わりはない。このあたりは、ショウマとシープ・ジータの戦いが避けられないことを印象付けるためのお話という印象を受けました。
なんだかんだここ数年のライダーの初期に登場していた敵キャラクターは最終的には和解するような展開も度々ありましたが、本作でのストマック家は今のところは完全に敵。強いて言うなら、人間に対しても興味を持っていそうなニエルヴがどう動くのかというところはありそうですが、それもあくまで人間を実験動物としてみなしているだけといった感じがする。とはいえ、グラニュートの世界の描写を見るに、グラニュート自体がすべて敵というわけでもなさそう。このあたりを考えるとグラニュートと人間との共存という道はあるのかもしれませんが、ストマック家はそこに立ちはだかる敵として描かれていくことは変わらないのかもしれません。
そして、今回はそんなストマック家の中でも、シータ・ジープとの戦いが描かれる。あくまでショウマを気に入らないとして抹殺するある意味ストマック家の中ですら身勝手な暴力をショウマに押し付ける二人。これまで戦わなかったのは、自分たちが手を下す必要はないと思っていただけ、いざ戦ってみると二人のコンビネーションはショウマを圧倒。双子という要素を生かした二人の動きはなかなか圧巻でした。
酸賀とショウマの謎
今回冒頭では、ショウマがデンテ叔父さんに仮面ライダーヴァレンの情報を共有するという展開が挟まれる。その結果、デンテは人間に対してグラニュートの力を体内に宿す手術を行ったというところまで言い当てる。
この手術に関して、わしの理論では可能だったはずじゃ、という話ぶりを見るにやはり、デンテの研究に絡んだ知識が仮面ライダーヴァレンの変身に関係している可能性は高そうで、その理論は人間に思いつけるものかは怪しいとのこと。そうなってくると、やはりデンテの理論を直に継承していそうな、ニエルヴあたりが絡んでいる可能性は高そうで、以前から噂になっている酸賀とニエルヴに何らかの関係がある件も補強されて行ってるように思えます。
さらに今回、ショウマは前回の絆斗の母親の写真を見た際の頭痛の件の相談まで行ってくれる。デンテは、過去の記憶が抜けている部分があるのではないか、と判断する。このあたりから考えると、この頭痛の原因は、絆斗の母と一度会ったことがあったことがあっただけなのかという気がする。この頭痛の原因については、他にもいろいろ考えられますが、仮に過去の手術の際にショウマが暴走し絆斗の母を誘拐していたとするなら、その手術に絡んでいたデンテが何らかの反応を示していそうな気もします。
しかし、ショウマは毎度こういう気になる部分のきっちり話を進めてくれるのが良いですね。彼は、どことなく天然な雰囲気を出していますが、幼い頃から過酷な環境に身を置いていたせいか、常に色々考えて動いている印象があります。
お菓子作りが今後の話の鍵?
本作を見ていて以前から疑問に思っていたのは、ヤミガシに対する問題はストマック家を倒すだけですべて解決するのかという所。ストマック家を倒したとしても、結局一度ヤミガシに魅了されたグラニュートは残るでしょうし、それだけですべての問題が解決するのかなとどうしても考えてしまいます。それに、たとえストマック家を倒しても、ヤミガシを求めるグラニュートがいれば、またしても同じ問題が起きる可能性も十分ありそう。
そしてそんな中、今回のショウマが自らケーキを作るというお話は、もしかしたらそのあたりの答えになってくるのかなと思わせてくる展開でした。デンテが人間界のお菓子に魅入られているように、ヤミガシの魅力を振りほどけるような何かを今後ショウマが作っていくことで、ある意味ストマック家に本当の意味で対抗できるようになっていくのかも。
お菓子を食べるだけでなく、作る方向で新たな可能性を見せてくる今回のお話。ある意味次回で登場するケーキングフォームはショウマ自身の新たな道を示す力となるのかもしれません。
14話 奇跡の覚醒!ケーキング
シータ・ジープとの戦いに敗れたショウマ。次回は、自ら作ったケーキが鍵となり、新たなフォームへと変身する様子。本作冒頭から敵として立ち回り、二人でいられないなら意味がないと八つ当たりの様に戦いを仕掛けてきたシータとジープですが、いよいよ決着の時が近そう。
この二人、揃って倒れればまだ幸せ、もしかすると片割れだけ生き残ってさらに恨みを募らせるなんてこともありそうですが、クリスマス前にどのような展開を見せてくるのか気になるところです。
仮面ライダーというとちょうど1クール目終わりからの新展開の時期になるクリスマス頃大きめに話が動くことが多め。果たして今年のクリスマスは何が起きるのか気になるところです。
コメント