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鳥山明の王道冒険活劇 映画『SAND LAND』 感想・レビュー

サンドランド感想 アニメ
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2023年8月18日に公開、原作:鳥山明、監督:横嶋俊久、脚本:森ハヤシ、『SAND LAND(サンドランド)』の感想・レビューです。内容的にネタバレも含みますので注意してください。

SAND LAND

水不足で苦しむ王国サンドランドを舞台に、保安官の『ラオ』は、世界で一番のワルである『ベルゼブブ』や『シーフ』達魔物とともに水源『幻の湖』を探して旅に出る。

ちなみに、ゲームなども発売予定となっており、様々なメディアミックス展開も予定されています。

SAND LAND
鳥山明によって描かれた原作コミック。
原作との描写の違いを映画を見た後に確かめてみるのも面白そうですね。

とにかく爺さんがかっこいい

物語の中心は保安官であるラオ。彼が目指す『幻の湖』を探す中で、サンドランドの過去や、ラオ自身の過去について明らかになっていく。

しかし、何と言っても彼自身の立ち振る舞いや、行動理念がまっすぐでかっこいい。戦いのさなかにあっても強く、戦車などにも詳しいかっこいい爺さん、まっすぐなキャラクターでありながら、年の功でもある隙を見せない面も見せており非常に魅力的なキャラクターでした。

物語を進めていく中で彼の過去が明らかになりますが、過去を踏まえたうえで最後に彼がとった選択が実にこの作品を表していてよかったです。「俺たちはワルだけど人は殺さないぜ」というベルゼブブの言葉が、最後に響いてきました。

コミカルなやり取り

ベルゼブブとシーフを中心としたコミカルなやり取りが多く、クスッとさせられるシーンが多い。

三人組の一人、『シーフ』は見た目からはお目付け役のような印象を受けるキャラクターですが、実際に見ているとベルゼブブよりもこちらの方がよっぽどボケてきているのは意外な印象。

『シーフ』の名の通り盗みが得意な彼のコスチュームは、終盤さらっと寝巻として再利用されていてそこでちょっと笑ってしまう。

さらにこの二人がコミカルであるがゆえに、ラオの結構シリアスな過去が開示されるたびに逆に魔物である二人がちょっと引いた感じになるギャップも面白い。ラオには、今につながる重い過去があり、もしラオだけならば、シリアスな物語となっててもおかしくなった。しかし、共に旅するこの二人がいるから、明るく描かれていてよかったです。

戦車・メカによるアクション

巨大生物からの逃走や、巨大な兵器との戦い、戦車どうしの射撃戦など、様々な場面で戦車やメカが活躍します。

特に序盤の巨大生物からの逃走パートは、目まぐるしカメラが動き回り迫力がありました。戦車どうしでの戦闘は、戦車相手での位置取りなどを意識したり相手のセンサーを逆手に取って戦うなどラオのベテランの風格が生かされており非常に良い。

しかし、敵は巨大だったり、空を飛んでいたり、数が大きかったり、ラオの技量でもカバーしきれないちょっと足りない部分を、ベルゼブブたち魔物の力を足して敵に立ち向かっていくという感じで、戦車やメカの活躍がしっかり描かれていてよかったです。

国王軍戦車隊104号車
映画でも活躍、ラオたちが乗った戦車のプラモデル。1/35スケール 色分け済みプラモデルとなっているようです。

違和感のない3DCG

おそらくよく動くメインキャラクターは3DCGにて描かれ、ちょっと登場する人物なんかは絵で動かしているようでしたが、3DCG組がすごい。3Dらしさを動きから少し感じることもありますが、実際に描かれているキャラクターたちと並んでいるシーンを見てもほとんど違和感がなく、背景や周囲に溶け込んでいました。

戦車や乗り物も3DCGで描かれていますが、細かい部分の汚れなどもしっかり描かれており、あまり絵として浮いていない点もよかった。鳥山明の魅力的なメカがCGでしっかりと表現されているようでした。

同じく鳥山明原作の、昨年の全編3DCGで描かれた『ドラゴンボール超スーパーヒーロー』でも、CGながらほとんど違和感のない作品でしたが、本作も3Dが作品に溶け込まれているようですごかったです。

シンプルながら魅力的な冒険活劇

全体的に話はシンプル、ひねった感じの展開はありません。しかし、お話がシンプルであるからこそこ冒険に焦点を当てて物語を進められています。

ラオを中心としたサンドランドの過去、ラオの過去に触れる物語はシンプルに熱い。そして、自分たちをワルと称しながらも、純粋さを持った魔物たちがラオと心通わせていく様が描かれており良かったです。

『スイマーズ』やサンドランド王国軍などの敵についても、単に敵として終わるだけではなく、それぞれの想いが描かれ、彼ら自身の行動がそれを表しており良かった。あまりにもまっすぐな物語なので、少し泣けてくるシーンもあり。

戦車だけでなく生身での、戦闘シーンも結構ありますが、基本的には拳骨一発ですましていくベルゼブブだったり、コミカルな感じが多め。戦車での発砲もあえてあまり大きな音を出さないようにしている気がして子供もあまり怖がらずに見られそうだなと思いました。

今作の評価

評価:4.5

作中の人物も気持ちよいキャラクターが多く見ていて気持ちよい。旅の最中はコミカルな会話でつないでおり途中で飽きが来ない。なにより『ラオ』がとてもかっこよく、彼を中心とした物語は、シンプルかつ王道なストーリー展開で楽しめる作品でした。最初から最後まできっちり楽しめたので評価4.5としています。

SAND LAND シールウエハース
SAND LANDの登場人物のSDキャラが描かれたシールが付属するウエハース。
20個入で購入可能となっています。

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