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おじさんになりたい 感想【世にも奇妙な物語 26夏の特別編】

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世にも奇妙な物語 26夏の特別編

2026年6月27日に放送された世にも奇妙な物語 26夏の特別編の中の『おじさんになりたい』の感想記事です。ネタバレも含むのでご注意ください。なお、本作は同名の原作漫画がwebで公開されているようです。

トーチweb マリ〈やうやうと短編シリーズ〉 【おじさんになりたい】
マリ〈やうやうと短編シリーズ〉 【おじさんになりたい】歪んだ世界の形を映す奇想短編シリーズ

また、この作者の短編集なども販売されているようで、この独特なお話が気になった方はそちらも読んでみてはいかがでしょうか。

おじさんになりたい

今回の世にも奇妙な物語最後のお話となったのは、小学生の少女がおじさんの皮を被って家族の問題へと立ち向かっていくお話。

予告でちらりと見えた範囲でも、何やらおじさんの皮を被り、おじさんになりたい少女という事で、果たして何を見せられるのかと思っていましたが、ところどころ微笑ましさを感じさせながらも、非常に切ない展開。綺麗に終わりはしたものの、何とも言い難い感情が残る、まさに世にも奇妙な物語らしいお話となっていました。

おじさんになる少女

主人公である少女は、ある日ゴミ捨て場でおじさんの皮を見つけたとのことで、その皮を被ることそのおじさんの姿で動くことができるようになる。このおじさんの皮については一切説明がないのですが、そのビジュアルのインパクトから、そういうものであるならそうなのだろうと思わせる説得力がある。

そんな少女が中に入ったおじさんの行動は、独特の幼さを感じさせるもので、中の人物の存在がその動きからわかるのが良い感じ。特にブラックコーヒーを飲もうとして、ニガッとなってしまうのは、少女が持つおじさんのイメージが伺えて微笑ましい。

また、コーヒーを父親に渡そうとして不気味がられてしまったりするのも、幼い少女であったならそれをしても笑って受け取ってもらえるのが感じられるもの。普段の行動の何気ない行動も、見た目が変わっていまうことでどれほど反応が変わるのか、少女に現実を見せていくようでした。

見えてくる家族の不和

ただ、今回のお話の肝はそんな少女がおじさんになって不条理を味わうという所にはなく、少女を取り巻く家族の中の問題、とりわけ母親につらく当たる父親という点にありました。

娘には非常に優しい父親、しかし、母親に対しては異常に厳しく当たってしまう。それは、娘たちと仕事で距離が離れる中、娘を任せる母親にしっかりしてほしいという気持ちがあっての物なのかもしれませんが、その行動は異常。結果的に、娘たちにも心に傷を負わせるものとなってしまうものとなっていました。

娘からしても、そんな母親を助けられる力を望み、その力を持っているのがおじさんだろうと、憧れを持っていたわけで、娘にそこまで思わせてしまうほど、悩みを押し付けてしまっていたようです。

母を助けるために

そんな娘が行った行動は、学校の先生として父親に家族の問題を突きつけ、離婚するよう促すという物。赤の他人がそれを言ったところで、余計状況を悪くしてしまう、というのは当たり前ですが、幼い少女からすれば力を持っているおじさん、大人の言葉なら受け入れてくれるのではないかと思ってしまったのだと思うとなかなかつらい。

結局その言葉は、父親が家庭の事情を話したのだと、怒り狂わせるだけに終わり、最後には娘がおじさんの皮を被っまま、父親を止めに入ることになる。

しかし、父から母を救っても、おじさんの姿では母親に受け入れられない。このあたり、父親が家族を覆う気持ち自体はしっかり見えてくるのが、ラストのオチの何とも言えなさを際立たせていました。

おじさんとしては、母親を助けられない事を知った娘。公園で掃除をしているおじさんにジッパーを外してもらい、話を聞いてもらう。おじさんの言葉は、知らない他人ではなく、家族の言葉であることが大事で、娘からの言葉なら父親も聞いてくれるかもしれないというもの、

その可能性にかけた娘は、その晩父親に自分の気持ちを伝える。一見するとここで本心を伝えることでてハッピーエンドとなってもおかしくない展開。しかし、理解してくれたようで、辞めるとは言ってくれない父親に、壊れたジッパーを取り付け娘が父の皮を来て父親に成り代わるという終わりを迎える。

話は聞いてくれなくてお、理解はしてくれない父親。しかし、それでもそこから話続ければ変わってくれた可能性もあったかもしれない。それを幼さ故の純粋さ、残酷さが奪ってしまったとも取れるお話ですが、そもそも、そこまで娘が追い詰められていた、という点が重要。

大人が力がある存在、怖い面もあると知っていれば、子供は言葉を向けることすら本来は難しく、相手が間違っていると伝えるというのは、子供からすれば一度だって怖い話である。大人が子供からすれば力を持った存在であるという当たり前のことですが、大人からすれば意識しない事であるが故に、忘れがちになってしまう事を思い出させるお話でした。

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又三郎

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