世にも奇妙な物語 26夏の特別編
2026年6月27日に放送された世にも奇妙な物語 26夏の特別編の中の『止実家じまい』の感想記事です。ネタバレも含むのでご注意ください。
実家じまい
途中で流れたCMの時点でも何やらホラーなテイストが見て取れた2026年夏の世にも奇妙な物語3作目、こちらは現代団地版因習村とでもいうようなお話となっていました。
母親の死に合わせ、実家じまいをするという流れから始まったこのお話。序盤から家の様子を探ってくる松田など、団地の人々の姿が出てきたりと、何やら不気味な雰囲気が序盤から出てくる。家にあった母の荷物を捨てようとしてはそれが戻ってきたり、オークションサイトで売り払おうとしたらそれを買って部屋の中に並べ直しているなど、団地の異常さがどんどん出てくるのが何とも不気味。さらには、母の作ったバッグを渡した友人が死んでしまうなど、団地に住む人々の異常さが段々と過激に描かれていくのがなかなか薄ら寒さを感じさせるものでした。
そんな本作、最初からどこか冷たさが感じられた母親との距離感のわけが、彼女の過去が明らかになる過程で見えてくる。父との別れの前は妙な様子もなかった当たり、旦那に裏切られたという事実が母親を娘に執着させたのだろうないうのはわかりますが、その後の母親の行いは娘を縛り付けるための物でしかなく、娘が母を遠ざけようとしていたのも仕方なく思えてきます。
そんな中、娘が見つけたのは母が残した大量の遺骨。その理由を調べる中で、母が松田さんを助けたりと、団地の人を助け、皆から崇拝されるに至っていたことがわかってくる。母親の電話を聞かずに、母の求めを拒んだ娘。最後には親不孝な娘だと、団地に住む人々に追いやられ、かつての母親に閉じ込められていたように、襖の中へと逃げ込んでいくことになる。
そのままそこに閉じ込めてしまおうという団地の狂気の中で、最後に母が助けてくれるという流れは何やら救いのありそうに見えなくもないもの。しかし、それは結局娘を支配したかっただけの母親の歪みであり、何とも気持ち悪い終わり方だなと思わされたところ、更なるオチ、ここまでのお話は、最初からすべてが娘が見せられていた幻覚だった、という事が明らかになる。
母の死の間際、自らを縛り続けていた彼女の死を望んでいた娘。それを知っていた母親の怨霊は、彼女を団地に閉じ込めようとする。結局最初に母親が彼女を縛りつけようとしていた想いが、最後に娘を閉じ込めるという実にホラーらしい、逃げ場のないオチへと繋がっていました。
最後に映し出された団地は、解体工事の予定が貼られており、おそらく娘があそこに来た時から既に団地には人がいなかったという事なのかも。最初から母親の呪縛に囚われていた娘が、母の見せる幻の中でどうしようもない状況に追い込まれ、自ら母親に縛られるよう選ばせるマッチポンプ的なお話だったという事なのかもしれません。
実家じまいをしにきた主人公が、最後には自らが実家にしまわれてしまうという形でタイトルを回収した本作。団地の人々の描写が何とも言えない恐ろしさがあり、令和の時代の因習村とでもいうような空気感の不気味さが良く出ている作品でした。ただ、恵美子さんを教祖のように崇拝する流れは、勢いがありすぎて少し笑えてしまい部分でもありましたが、最後の何とも言えない後味の悪いオチは、この作品がホラーであることをはっきりと思い出させるものになっていてよかったです。


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