るろうに剣心 2023年新アニメ 21話『明治剣客浪譚第零幕後編』感想

2023年夏に放送開始した『るろうに剣心明治剣客浪漫譚』アニメ 21話『明治剣客浪譚第零幕後編』の感想文です。

原作既読なので作品全体に関するネタバレもある感想。原作未読のままアニメで初めて触れる方は注意してください。

るろうに剣心明治剣客浪漫譚
21話『明治剣客浪譚第零幕後編』
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るろうに剣心明治剣客浪漫譚

和月伸宏により、週刊少年ジャンプにて連載されていた漫画作品。過去にも一度アニメ化されていますが、今回再アニメ化となるようです。

幕末、人斬り抜刀斎として数多の命を奪った剣客、緋村剣心。明治維新後、彼は人を殺さぬ刀『逆刃刀』をもち、『不殺』の誓いを胸に流浪人としてさまよう。神谷薫や仲間たちとの出会い、過去の因縁に触れる中で、己が過去へと向き合い新たな時代での生き方を考えていくことになる。

ちなみに、現在ジャンプSQにて、本編の直接の続編にあたる『るろうに剣心-明治剣客浪漫譚・北海道編-』を連載中。瀬田宗次郎や、新月村の少年、石動雷十太の弟子であった弥彦のライバルの由太郎など、原作に登場した様々なキャラクターも再登場している作品です。

21話『明治剣客浪譚第零幕後編』

全話ので、医者の暗躍から話は続き、エルダーを誘拐しようとする流れから話は始まる。エスピラールを試そうとする悪徳医者でしたが、自らの用心棒をあっさりと撃退され、仕事を任せることに。

しかし、この悪徳医者、前回の時点でも医療の価値が落ちるから困るという話で悪質ではありましたが、今回は更にその資金についても横浜に天然痘のウィルスをばらまいてその治療で回収しようとする。実に悪徳な医者でした。

エスピラール

今回そんな医者の用心棒として雇われていた西洋の剣士エスピラールでしたが、戦い方がすさまじい。

体をねじり、その反動を生かした回転による勢いでレイピアを放つさまは、なかなか異様。特に最終奥義発動の際の体のねじり方はなかなかのケレン味がありました。

しかし、そんなエスピラールの必殺の技も勢いを自らの剣術に乗せ切り返すすさまじい剣心の技量の前に敗北。最後に、日本の侍の魂である逆刃刀を見て、剣心の覚悟を知る。

そんな、エスピラールの敗北を見て、全てが明るみに出ることを恐れた悪徳医者が天然痘のウィルスをばらまきそれに乗じて逃げようとするも、その天然痘がぶちまけられる最後にキャッチしたのはエスピラールでした。

途中ちらっと見せた、エルダーへの心遣いもあり、単に悪い奴ではなさそうな感じもありましたが、彼もまた自身の剣術が時代に捨てられていくことに絶望した剣士の一人でした。

そして、最後には襲ったはずの自分すらも治療するエルダーと、彼女の言葉により自身のこれからの在り方を変える。最期には、エルダーと共にアメリカに向かって旅立っていきました。

レイピアのドリルまでもまっすぐにしてしまうのは、気持ちの問題とは言えそこまでするのか、という気もしましたが、これもまた剣心の不殺の気持ちに感銘を受けての事といった感じでしょうか。

登場時には、なかなか異様な雰囲気を放つ強敵といった感じでしたが、なかなか気持ちいい人物でした。

エルダーと剣心

今回、エルダーが女性であるゆえに仮面をつけ、正体を隠してまで人を治療し誰もが健やかに暮らせる未来が来ると信じる気持ちに、剣心がかつての自分を重ねているシーンが印象的でした。剣心もまた、誰かのためになると信じて人を斬ってきて、それが確かに今の時代を作ったけれど、そこで生まれた後悔も己の中にある。だからこそ、素直に未来を信じて人を助けるエルダーに心ひかれた部分があったのかなと思う。

最後の別れのシーンでは、剣心に心を休めるために一か所にとどまり生活することを勧める。今回のお話が神谷道場に来る5日前というのは、神谷道場の人物たちと同じようにちょっと驚きでしたが、この出来事があったというのが、剣心が薫殿の元にとどまる一助となったのかなと思わせるあたり、後日追加されたお話ながらも感慨深く思わせる点がありよかったです。

しかし、てっきりエルダーとダン吉は何やらいい感じになるのかと思いましたが、特にそういうわけではなく、最後のお別れのシーンで初めて女性だと明かされたのはびっくりしました。

ラスト、同じ異邦人ながら皆に見送られ、また来ることを望まれるエルダー。この後の未来の剣心を示唆するようでよかったです。

紅茶の香りをかげなかった剣心。今は緑茶の香りを理解できる。前回、冒頭で触れられた久しぶりに緑茶を楽しめたというのが、剣心の気持ちの変化を描いているようでよかったです。