るろうに剣心 2023年新アニメ 22話『蘇る狼』感想

2023年夏に放送開始した『るろうに剣心明治剣客浪漫譚』アニメ 22話『蘇る狼』の感想文です。

原作既読なので作品全体に関するネタバレもある感想。原作未読のままアニメで初めて触れる方は注意してください。

るろうに剣心明治剣客浪漫譚
22話『蘇る狼』
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るろうに剣心明治剣客浪漫譚

和月伸宏により、週刊少年ジャンプにて連載されていた漫画作品。過去にも一度アニメ化されていますが、今回再アニメ化となるようです。

幕末、人斬り抜刀斎として数多の命を奪った剣客、緋村剣心。明治維新後、彼は人を殺さぬ刀『逆刃刀』をもち、『不殺』の誓いを胸に流浪人としてさまよう。神谷薫や仲間たちとの出会い、過去の因縁に触れる中で、己が過去へと向き合い新たな時代での生き方を考えていくことになる。

ちなみに、現在ジャンプSQにて、本編の直接の続編にあたる『るろうに剣心-明治剣客浪漫譚・北海道編-』を連載中。瀬田宗次郎や、新月村の少年、石動雷十太の弟子であった弥彦のライバルの由太郎など、原作に登場した様々なキャラクターも再登場している作品です。

22話『蘇る狼』

今回、斎藤一の登場回。斎藤の登場を予知するかのような、出稽古中の剣心の夢、そして、久しぶりにそんな夢を見たことを薫と、弥彦に語るあたりから物語が始まる。

幕末、剣心も幾度も戦った新選組。一人に対して複数人で相手どる剣術は、京都の町を守るための戦い方。新撰組と一口に言っても、その剣術の技量は人それぞれ、そのため、そういった形の戦い方が使われることとなった。

剣心も、かつて命を取り合った相手ですが、その中でも特に幹部級、実働部隊の一、二、三番隊の隊長たち非常に強かったと語る。しかし、その敵であったはずの相手に、妙に好意的な話ぶりをしていることが気になった二人。

立場は違えども、互いに刀を持ち命を懸けて戦った相手ということで剣心自身も少し、親近感を感じていた様子です。

藤田五郎

飯をたかりに神谷道場を訪れていた左之助の元に訪れる、謎の薬売り、藤田五郎。最初こそ薬売りの姿で寄ってきていましたが、薬売りには似合わない竹刀だこを見抜かれ、左之助に警戒される。

かくしてその本性を現した斎藤は、その細い目を見開く。目を閉じているときは人の好さそうなお兄さんという感じから、目を見開くと一気にすごんだ顔になるのはやはりインパクトがある。

抜刀斎は留守ということで、置き土産をしなくてはなと、左之助と戦うことに。

しかし、明治ではよい拳打、しかし、幕末の京都では通用しないと言ってのける。剣心とかつて互角に戦った斎藤。

家に帰った剣心達が見たのは、壊れた神谷道場と、倒れた左之助の姿でした。

今更調べてみたのですが、藤田五郎というのは、本当に斎藤一が名乗っていた偽名だったんですね。ちょっと史実とフィクション部分が混ざっている作品ですと、どこまで実際の出来事なのか調べてみて驚くことがあります。

斎藤一

新撰組三番隊隊長であった、斎藤一。刃衛を使い、剣心を暗殺しようとした面々との繋がりにより、改めて剣心の暗殺を指示されていました。元々仕事を頼まれていた赤松という男に対しては、仕事を譲る振りをしながらも、むしろ何やら利用しようとしている様子を見せる。

その一方、あえて現場に新撰組由来の薬箱や、折れた方名を残すことで、自信が関与したことを剣心に匂わせるなど、剣心に対する挑発も行っており、このあたりは実に底が見えない感じのキャラクターで不気味さも感じさせます。現在は、警察というのも、そういうポジションの人間が裏か行に関わっているというのがちょっとした怖さにもつながっている気がしました。

剣心を、自身の手紙で誘い出し、赤松と戦わせるその裏で、自分は何やら神谷道場の方へと足を向ける。果たしてそこで何をしようというのか。その素の恐ろしいまなざしも含めて怖いキャラクターという印象を強く残していて面白かったです。

現場に残された壁をぶち破った痕跡から、牙突を使ったことを見極める剣心。自身の刃で壁を切るも、傷をつけることのみ。かつてからおちた自身の腕と、逆刃刀と不殺というハンデをもって果たして戦えるのかと考える。これまで、多少の苦戦こそあっても、ほぼ格上として敵を倒しきってきた剣心の前に現れる強大な敵といった感じが描かれていてよかったです。