2026年7月8日配信開始、週刊少年サンデー2026年32号に連載された名探偵コナン、FILE1164『命懸けのイタズラ』の感想・考察記事です。ネタバレもあるので注意してください。
FILE1165「孤独な殺意」
若狭先生と灰原
若狭先生を意味深につかんだ灰原のラストシーンで終わった前回のお話。そこから続く今回のお話で描かれたのは、灰原が若狭先生に向けていた想い。
まだ黒の組織への復讐を願っていた灰原が、コナン・阿笠博士、そして少年探偵団の皆との交流を通じて如何に変わっていったのか、というのが改めて描かれることになる。灰原登場からの皆との交流、過去の回想を交えながら描かれる彼女が変われた理由を描くシーンは、続く続いてきた名探偵コナンだからこそ、描けるシーンでもあり思わずぐっと来てしまうものでした。
18巻で描かれた初登場時は阿笠博士の元にいつの間にか潜り込んでいた灰原ですが、思えば彼女が博士に拾われた時の話は、具体的にはよく知らず、今回その時の出来事が描かれることになりました。ある程度コナンの件で薬の事などは知っていた博士だから話がスムーズに進んだとはいえ、あそこまでするりと受け入れてくれた阿笠博士、本当にお人好しとしかいいようがないその存在は当時の彼女にしてみればすごく大きかった、というのも伝わってきますね。
そうやって、変わってきた自分だからこそ、かつての復讐者だった自分と重なる若狭先生を放っておけず、昔の孤独な自分を見るようについ気持ちを重ねてしまっている。そんな灰原の気持ちは、かつてアマンダが若狭先生に向けた想いとも重なり、彼女の復讐者の瞳が元に戻に戻っているのが非常に印象的でした。
これまでのお話でも、段々と自分の趣味を表に出したり、態度が柔らかくなったりと、灰原の変化は察することはできていましたが、こうやってはっきりと描かれると、やはり想うところもひときわといった感じ。
今回の灰原の思いは言葉にせずもその瞳から若狭先生にも響いたように見えましたが、解決編となる次回、先生がどのような変化を見せるのか気になるところです。
ラストのスタンガンを見つけたコナンの「この俺が何とかしてやっからよ!」というセリフもこの事件を解決するという意味なのでしょうが、灰原の気持ちが語られた回に重なると、もっと大きな意味が込められたセリフのようにも思えてくる。最後の皆の明るい顔を見ていると、やはり、コナンが主人公だからこその本作というのがよくわかってきて、来週の事件解決とても楽しみになってきました。
今回、長いシリーズの中でも一つの大きな節目といった感じのお話でもあり、リアルタイムで読むことができてよかったです。




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