夜露死駆★少女 感想
『夜露死駆★少女』は、11月6日(金)に上映開始する『GROTESQQQUE-グロテスク-』という3作のオムニバス映画のうちの1作、劇場での公開はまだ始まっていませんが、Netflixにて先行で配信されており、そちらを見た感想記事となります。
この記事にはネタバレが含まれますのでご注意ください。
映像はとてもきれいだが、ストーリーはおまけ
本作は非常にビビッドでまぶしい映像は美しい一方、そのストーリーはかなり忙しく、1クールのアニメの最終回だけを突然見せられたかのような内容でした。
40分程度の短編の中でひたすらに多彩な少女たちが暴れまわり、そこにおまけのようなストーリーを加えた作品。状況の説明やキャラクターの心情は必要最低限描写されているため、ストーリーそのものはある程度理解できますが、描写が足りないせいで、キャラクター達の心の動きに感情が追い付かず、心が揺さぶられる部分はありませんでした。
話としては非常にシンプルでしたが、如何せん40分という短めな時間の中で登場するキャラクターは非常に多く、賑やかではあるものの、ただひたすらにバトルをしているだけという印象が残ってしまいました。
『夜露死駆★少女』というタイトルについても、作品の表に出ていた猫の被り物を被った少女に絡んだ言葉というだけで、そこまで深い意味が込められていたわけではなく、彼女が主人公というわけでもない。ただ、3作を束ねるメインタイトルとなっている、『GROTESQQQUE-グロテスク-』という部分に関しては、少女たちの、その場を生きることだけを楽しむような楽観的な生きざま、皆のために犠牲になったトップアイドルの在り方、とかかっていたのかな、とちらりと思う。
皆のために自らを犠牲にしていた少女が、最後にそれまで助けてきた皆のおかげで救われる、というシンプルなストーリーそのものには少し気を引かれる部分もありました。
だからこそ、個人的には40分の短編という形ではなく、1本の映画、あるいは1クールのアニメとして、キャラクターたちの背景や関係性をじっくり描いた作品として見てみたかった、そんな感想が残る作品でした。
映像を主軸にした作品?
とはいえ、元々3作品を1つの映画に詰め込んだオムニバス企画でその映像を重点的にアピールしている作品という点を考えると、ストーリーを見るというよりも、そこに込められた映像表現を楽しむ作品として視聴するのが正しいのかもしれません。
ただ、映像を軸にした作品として見るなら、出来は悪くはないものの、何か尖った部分を感じるほどの映像ではない、というのが正直なところ。
ビビッドな色彩で描かれるサイバー世界でのバトルロワイヤルゲームということもあり、首が飛ぶような過激な描写も登場します。しかし、血そのものは水色の鮮やかな液体として描かれており、グロテスクな展開をそのまま生々しく見せるというよりも、カラフルでポップな映像表現の一部として処理されている印象でした。
このあたりは、作品全体の色彩設計ともよく合っています。過激なことが起きているはずなのに、画面そのものは鮮やかで華やか。少女たちが激しく戦う姿も含めて、暴力的な題材をビビッドな色使いで包み込んでいるのが、本作の特徴の一つなのだと思います。
一方で、そうした色彩や演出が作品の中で際立っているからこそ、もう一歩踏み込んだ映像表現も見てみたかったところ。色使いやキャラクターデザインには目を引くものがあるのですが、アクションそのものや画面の見せ方について、強烈に記憶に残るような演出があったかと聞かれると、少し悩んでしまいます。
もちろん、40分という短い時間の中で多くのキャラクターを登場させ、次々とバトルを展開させていく構成を考えれば、映像の勢いやテンポを重視した作品として成立しているとは思います。ただ、映像を主軸に売っていく作品なのであれば、色彩の美しさだけでなく、アクションの見せ方や演出面でも、もう一段強い個性が欲しかったという気持ちもあります。
※この記事で使用いている画像は、『映画『GROTESQQQUE-グロテスク-』『夜露死駆★少女』予告|11月6日(金)公開!』より引用しております。
©Atsushi Nishigori, CloverWorks/Project GTQ


コメント