2026年4月13日に放送開始した月9ドラマ『サバ缶、宇宙へ行く』、略称さばうちゅの感想記事です。ネタバレも含まれますのでご注意ください。
2話 先生、サバ缶を宇宙に飛ばす条件に奮闘するも生徒が
HACCAP取得に向けて
朝野先生の熱意が生徒たちを動かし、HACCP取得に向けて動き出した前回のお話(1話感想はこちら)。
そこから続く2話では、実際に食品の安全にかかわるHACCAP取得に向けて皆が努力し、それと並行して、1話では一人どこか遠巻きに眺めていることが多かった木村さんが話の軸となりました。
今回のお話、HACCP取得、普通に工場を機械化するなら億という単位のお金がかかる挑戦を、生徒たちの工夫でお金をかけずに達成してくと言う流れがなかなか面白い。HACCPの基準を、木村さんの実家のクリーニング店舗での仕事と重ねたりと、アイディアが出てくる元が、生徒の家庭の仕事に根差している点が発想の説得力を高めているようでよかったです。
一見すると興味がなさげな木村さんという皆に合わせているだけに見える生徒についても、よく見てその考えに気付いてあげる朝野先生が実によい先生でした。
JAXAサイドのお話
今回のJAXAサイドでのお話は、実際に宇宙食のサンプルを食べ基準を満たす上で味を捨てる必要があるという木島の考えが見えてくるもの。
だし卵の宇宙食、僅かに基準を満たせていない項目でも厳密に弾くシーンは、彼がこの部署へ呼ばれた理由がよくわかるもの。部長のちょっと緩い感じだと、あの細かい項目をどこかで許してしまいそうで、あそこまでカリカリと詰めていう木島さんに対して仕事を回すのもよくわかるのですが、それでも実際に細かい項目を頭に入れ、僅かでも満たしていなければ相手に伝えなければいけない木村さんがすごく大変そうでした。
そんな今回印象に残ったのは終盤のランチタイムのシーン。味気ない料理で宇宙で過ごすのは無理という話は、わざわざ周囲で楽しそうにランチを食べる人々を写すことで強く強調されたメッセージになっていたように思える。
今回のこのシーン、宇宙食を目指す上での一番大事なのは安全性の徹底、それは正しく絶対に守らなければいけないものですが、果たして本当に味という料理の一番大事な部分を損なってそれを成し遂げていいのか?という木島さんへの大きな課題が投げかけられるきっかけとなっていたように見えます。
今回大きな課題を達成し、話が進んでいった本作ですが、まだまだ2話の時点という事で、ここから先まだまだ課題はあるはず。その一つが、味をいかに担保して基準を満たすか、というものがあるのかもしれません。
サバ缶が宇宙食へと近づき始めた本作、今回それを象徴するようなシーンが、恒常での二人のすれ違い。今回はあくまで同じ工場を視察しすれ違うだけでしたが、それでも確かに以前よりも二人が近づいていたことを確かに表していたようでした。
次回は予告を見る限り、実際に宇宙食の話を聞きに行くようなシーンを見えており、本格的な二人の出会いが描かれることになるのかもしれません。
卒業?
次回予告で少し気になったのは、次回のお話で卒業まで話が進みそうなところ。3話時点で卒業まで行ってしまうとするなら、もしかすると、宇宙食の達成という目標は今の生徒たちの代では達成できず、次の世代に受け継がれていくなんてこともあるのかも。
本作のモデルとなった若狭高等学校には、宇宙食開発のページにはその年表が乗っており、宇宙食の開発は、若狭高等学校に合併される前の、小浜水産学校で始まっています。この年表は、現在のさばうちゅのエピソードの作中時間である2006年から始まっており、この年にHACCPを取得していることがわかります。
しかし、最初に宇宙食を志した小浜水産高校は、試作品の開発と講評を受けるまでとなっており、実際には宇宙へサバ缶を届けるまではいけていないようです、実際に宇宙へ届けることができたのは、若狭水産高校へ合併した後の2018年となっています。
学校が閉校しそうという状況もどこか重なる部分があり、あえて実際にあった出来事と年代を合わせているとするなら、もしかすると今の登場人物の代では宇宙食を実際に届けることはできず、大きめの年代スキップがあるなんて可能性もあるのかも。
そうなると、寺尾の妹さんが成長して、新しい高校で再びサバ感を宇宙へ届けようと動き出す展開が、後々来るなんてこともあるのかもしれません。

お話として少し気になった点
ただ、個人的に気になったのは、全員で協力する事を絶対に正しいものとして描くようなお話の流れ。結果的には木村さん自身も最初から本気で向き合う気持ちがあったから良かったものの、決して皆が皆そうはなれないのではないか、と思えてしまうお話でもありました。
HACCPの取得や、宇宙を目指すという突拍子もない話をあと半年しかない高校3年生から始めると言われても、それ以外にもやりたいこと、やらなければいけないことがある人だっているはず。クラスの皆で一致団結して頑張ろうというのはわかりますが、だからといって全員がそこに全力を出せるのか?と言われたら、果たして自分はあのようになれるのか?と考えてしまう。
先生が木村さんに語った、真剣にやっていないから楽しくないという話も確かに正しい事ではありますが、自らここに望んできた先生と、親に連れてこられたこの町へ来た木村さんとの境遇は全く異なるわけで、そこでやる気を見出せるものを見つけられないことだってあるのではないかと思える。
結果的には、木村さんは皆が気付いていないだけで、最初からよく注意して頑張っている人だった、という前提があって初めて成り立つお話だったともいえる気がします。
とはいえ、そんな木村さんの隠れた努力を見逃さず、周囲からずれてしまっている雰囲気に気付ける朝野先生は、やはり周囲をよく見ている先生というのがよくわかる。今のあのクラスのメンバーであれば、ここからの目標も達成していけるだろうと思えるお話でした。


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