2026年5月27日よりPrimeVideoにて配信が開始した、オリジナルドラマ『スパイダー・ノワール』の3話『裏切者』の感想記事になります。ネタバレも含まれますのでご注ください。
スパイダー・ノワール
スパイダーとしての姿を再び見せたライリー、能力者達の繋がりが見える裏で、シルバーメイン内部の裏切者の存在が明らかとなった前回のお話。
今回は、シルバーメイン内部の裏切者を巡る情報戦ともいえる戦いが繰り広げられることになりました。前回奇しくもフィン・バーンを助けることになってしまったライリーですが、新たにフィン・バーン自らの依頼を受けることになり、組織内部の裏切者探しが開始する。敵のボスから依頼を受けるスパイダーという何とも妙な状況ですが、これもまた正体を隠した探偵ものだからできるお話といった感じでなかなか興味深い展開でした。
裏切者は誰?
前回の時点では、ウィンストンかハーディか、といった感じのフィン・バーンに対する裏切り物の存在でしたが、今回ウィンストンの視点ではハーディが裏切者でライリーがその手助けをしていたという形で報告されることになりました。
ただ、ハーディが裏切っていたのか?という点は少し疑問を感じる話の流れでもある。男は皆私を自らのストーリーに当てはめようとするという話ぶりは、どうにも本当にアディソンにそんな依頼を出していたのか、彼女が裏切っていたのか?という点を怪しく思わせてきます。
ハーディのこの発言は、愛するフリントが自分を去ってしまったが故の捨て鉢的なものであったのでしょうが、だからといって嘘をついている風にも聞こえなかった。市長とのつながりがあった彼女ですが、まだ何かその内側に隠し事があるようにも思えます。
またアディソンの妻についても、最初はハーディと言いながらも状況に合わせてウィンストンに依頼されたと平然と嘘をついた人間。今回も、ハーディを庇おうとするライリーからお金をせしめるチャンスと思い彼女に罪を着せただけとも考えられる。
今回ちらりとスパイダーと接触しようという動きを見せてきた市長、彼が絡んでいるのは間違いないとしても、今回のハーディが直接裏切っていたのか?という点はまだ疑ってかかる必要がある気もしますね。
能力者達
今回、警察の不法住居の摘発の中、姿を見せ能力を使い皆を守ったロンニー・リンカーンと、フリンツの二人。彼らをヒーローであると報じようとしたロビーの記事は、書き換えられ街を襲った怪物であると報じられてしまう。
このあたりは、ニューヨーク市長の手による情報操作、というのが一番それらしく思え、どうにもニューヨーク市長側がここから本格的に話に絡んで来そうな気配を感じさせるものでした。
そんな今回、前回語られた能力者達の共通点『ムーズ・アルゴンヌ』の戦いに参加していたというだけではなく、彼らは皆捕虜になっていたことが明かされる。
当時の相手はドイツ軍となると、捕虜として能力覚醒の実験に使われたなんてストーリーが自然と頭に浮かんできてしまいます。少なくともこの共通点が能力隔世のきっかけとなるようですが、そうなると、やはりライリーのスパイダーの力を手に入れたのとは、また別ということでもありそう。
本筋的には、能力者達の共通点があった、という点が重要で、どのように力を手に入れたのか、という点はそこまで重要ではない気もしますが、今後どのように語られるのか、怪物扱いされた彼らがどのようにその名誉を回復するのか、気になるところです。
見事な逆転劇
今回、ウィンストンに捕らえられ、ハーディの前に連れていかれたライリーですが、そこから逆転までの流れが非常に面白い展開でした。
フィン・バーンのお金にマークを付けておく習慣を軸に、アディソンの妻に対する情報の対価であったお金、更にウィンストンのお金を受け取っていた件などすべてが伏線として繋がり、ハーディの裏切りをウィンストンに押し付ける流れへと繋げていくのは、これまでちょっと頼りなさも感じさせていたライリーの鋭さが光る展開で思わず声が出てしまいました。
ハーディと共に囚われ、周りは敵に囲まれ絶体絶命のピンチ、そこをスパイダーの力で乗り越えるのではなく、それまで自らが仕掛けていた作戦を使って乗り越える流れは、探偵ものの作品だからこそといった感じがしますね。
しかし、ウィンストンを殺したフィン・バーンは墓穴がもう一つ必要になったと語る。ラストの銃口が誰に向けられていたのかというのは次回に向けて気になる所。ライリーが撃たれたとも取れる流れではありましたが、状況を考えると自分に対して嘘の報告をしたアディソンの妻が撃たれた、と言う方がありそうかも。果たして誰が撃たれたのか、次回が気になるラストとなっていました。
ムーズ・アルゴンヌ
そんな今回のお話で記憶に残ったのは、ムーズ・アルゴンヌという単語。こちらは、1918年に行われた第一次世界大戦の一幕、フランス北東部でのドイツ軍とアメリカ外征部隊との戦いとのこと。
本作は、1930年代のニューヨークを舞台にした作品という事で、主人公であるライリーもまたこの戦いに参加していたことが語られました。そんな、ムーズ・アルゴンヌでの戦いですが、前回砂の能力が目覚めたフリント、炎の能力でシルバーメインの屋敷に火を放ったアディソン、さらに今回登場したアディソンの友人もまた戦いに参加していたことが明らかとなる。
ライリーを含め、多くの能力者の共通の過去という点を考えると、この戦いに参加した人物が能力者としての力を持つに至っていると考えられそうです。厳しい戦場、治療に合わせて何らかの実験が行われた、なんてこともありそうですが、果たしてこのあたりがここからのお話に絡んでくるのか、ただ能力が目覚めるきっかけというだけで終わるのか。
今回のフリントの話では、かつても能力が発現したことがあったが、その時は元の姿に戻ることができていたとのこと。しかし、能力は命を削られているという医者の話もあり、その能力は同時に体にかなりの負荷をかけていることもわかる。
その点を考えると、ライリーのスパイダーとしての力は、命を削るという触れられていないのが気になる所。ライリーの能力の出自は違ったりするのか、はたまた、うまく能力に適応しているが故ということなのか。このあたりも少し気になる所となりそうです。
シルバーメイン内の裏切者?
そんな今回、敵組織であるシルバーメインの中に裏切者がいることが示唆されるラストとなりました。ライリーや、秘書のジャネットがシルバーメインに狙われる中、警告のために久々にスパイダーとして動いたライリーでしたが、警察の検問が控える場に向かう途中であったフィン・バーンを足止めしてしまうことになってしまう。
結果的にフィン・バーンを助けるという皮肉な結果に終わったライリーの久しぶりのスパイダーとしての活躍。しかし、それと同時にシルバーメイン内部に情報を警察に流した裏切者がいることを示唆する展開となりました。
話の流れから考えると、今回警察に情報を流した人物が、前回のアディソンによるシルバーメインの家の火災を依頼した黒幕であるとも推測でき、そうなると黒幕は能力者の事も知っていると考えられそうです。
今回のカナダ人との取引を知っており、警察にタレコミできる立場となると、先だって現場を見に行って安全を確かめていたウィンストンあたりが怪しく思える流れではありますが、まだまだ確定とは言い難い状況。他の人物で考えるなら、キャット・ハーディも、直前の二人の会話の場面にいたあたり、情報を流す余裕はあってもおかしくはない。以前の市長との密会も何か関係している可能性もありそうです。
果たして組織の裏切者は誰なのか、何を目的としてフィン・バーンを狙ったのか。次回何が描かれるのか気になるラストとなりました。




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