二十世紀電氣目録 ユーレカ・エヴリカ
2026年夏アニメ、『二十世紀電氣目録 ユーレカ・エヴリカ』の9話『別れの時』の感想記事です。アニメの内容のネタバレ等含まれますのでご注意ください。
別れの時
伝えられないが故のすれ違い
前回、電気目録を三添に渡すことを決めた喜八。しかし、喜八が夢を諦めるのかと意固地になった稲子が今度は、三添と結婚すると言い出しなかなかてんやわんやな方向へ話が進みだすことになる。
今回の話を見ていて感じたのは、皆が皆もっとちゃんと自分の気持ちを伝えなければいけないというもの。喜八が電気目録を渡そうとした理由の一つは確かに稲子の嫁入りを阻止するため、というものがあったのでしょうが、それ以上に今回語った電気目録に頼って板はいけないという彼が電気の未来を自分の力で改めて作り上げようという決意があったから。しかし、稲子の視点では自分のために夢を諦めるという風に映ってしまっていたわけで、このあたりに二人のすれ違いを感じる。
また、稲子も彼女の父親が見せた杜氏を目指すことに驚く反応があったことを見るに、稲子が何をしたいと思っているのか、という点を父親に伝えられていないことが改めてわかる。稲子の父が稲子を三添家の嫁にやるというのは、家を守る為という面もあるのでしょうがが、稲子の将来を想っての事という面も確かにある。
ただ、それが稲子の望むものにならないのは、稲子自身が自分の夢を父に伝えられていないからという面がありそうです。
自分の気持ちをしっかりと伝えるというのは簡単な事の様で、その状況、人との関係によっては、結構難しいもの。だからこそ発生しているすれ違いをなくすには、それでも伝えるしかない。そのあたり、ここからどうなっていくのか気になるところです。
また、今回いよいよ稲子の事をイナゴ呼びしている喜八に対して、皆から一言入れられることになりました。それでもまだ喜八はイナゴ呼びを続けていましたが、この名前を敢えて間違えるという子供らしさにあふれる対応は、稲子と喜八の関係が今後明確に進む段階で改めて拾われることになりそうです。
三添と清六
そんな今回ですが話の中心で掘られていたのは、三添と清六との過去。清六に執着を見せる三添ですが、学校時代の最初の出会いが相当衝撃的であったことがわかる。元々、自身がなく、人との付き合いも嫌っていたらしい三添ですが、そこにぐいぐい来る清六が凄く刺さってしまっていたようです。
そんな今回、三添が部屋で動けなくなっていたシーンを見ていると、普段のあのハイテンションな態度も相当無理をしてやっていたんだろう、というのが伺える。本質的には、今の彼は清六と出会った時と変わってはおらず、清六を失ったが故に、彼と共に語った蒸気と電気二つを繋いでいこうという約束こそが今の彼を突き動かし、あの無理なハイテンションを作り上げていたようです。
今回、喜八が完成した電気目録を持ってきた際には、まさに夢が叶った瞬間となりこれまでにないほどの上機嫌な態度を見せていましたが、喜八がそれを越えるものを作るという宣言には一気に激昂。
三添と清六、二人の大切な夢を愚弄したと思ったのでしょうが、改めて三添がただかつての清六に囚われているだけな事を証明する場面でもある。かつての約束に憑りつかれているが故に、本当に清六が目指していた電気の未来からは遠ざかってしまっているというのが、どこかもの悲しさを感じさせる展開でした。
そういう意味では、今回電気目録を不要と判断し、それ以上の未来を作っていくと宣言した喜八はなかなか良い感じ。
本作を見ていて序盤に感じた結局目録頼り、兄頼りなのか?という疑問に対して、明確にそれを越えていくという答えを出してくれたわけで、今後の展開が楽しみです。
ひとまず見えている範囲では、清六は既に計算処理、パソコンのようなものは構想に会ったことが伺えますが、それの実現となるのか、はたまたそれを越えていくのか。それをどのような形で描いていくのか、という面も含めて今後の展開が楽しみです。




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