さよならララ
2026年夏アニメ『さよならララ』の11話『魔女グレイス』の感想・考察記事です。アニメの内容のネタバレ等含まれますのでご注意ください。
魔女グレイス
グレイスの過去
ローワンが目覚めたことで、いよいよ終盤へと向かい始めた感がある今回のお話で語られたのは、魔女グレイスの過去。
ララの母親であるリグモアとは双子として生まれていた彼女は、海の底で生きる人魚に疑問を持ち、地上や人間への興味を持つ、ある意味では、ララともよく似た感性を持った女性だったことが語られる。リグモアとグレイス、二人ともが特別なプリンセスとしての資格を持っていたのは、双子として生まれたが故という事なのかもしれません。
そんなグレイスですが、リグモアとの仲は当然として、前回自ら殺そうとしたローワンとも昔から面倒を見ていた姉のような立ち位置で良好な関係を作っていたこともわかりました。
そんなローワンとグレイスですが、二人の関係が変わってしまったのはグレイスが地上を目指したことがきっかけ。
リグモアがローワンに対してほんとうの愛を見つけ人魚の王国に光をもたらした中、グレイスは一人地上へと向かい、かつてのララと同じように人間の男に恋をし、人魚としての姿を見られ否定されてしまう。
グレイスもまた、かつては特別なプリンセスの一人だったようで、否定された際に自らの光がナイフへと形を変え、王子の光を奪ってしまうという結末を辿る。男の光を奪ったグレイスは、魔女の姿となり人に殺されかける、その最後を救ったのがリグモアでしたが、その時の傷がきっかけで命を失う事へと繋がってしまう。
ローワンが語った人間にリグモアが殺されたという話はまさに真実で、同時にリグモアがもたらした人魚の王国の光も失われてしまい、ローワンがあれだけ人間を憎むのも仕方なく過去でした。
自らの片割れであるリグモアを自らの行動の結果失ってしまった魔女は、ローワンの追放にも素直に従い、閉じこもっていたようですが、かつての自分と同じような想いを抱くララの存在を知り再び動き出した、というのがララと王子の事件の始まりの様です。
自分が失敗した人との可能性を、もう一度見てみたいと思っての行動は、捕えようによってはグレイスの勝手な行動とも思えますが、リグモアが最後に語ったグレイスの夢を信じたいという言葉があったからこそ、再びララに希望を託したのかなと思えました。
ララとグレイス
今回の話では、人魚は光で生き、人間は言葉で生きる、と語られていました。グレイスはララを地上に送る際に舌を切り言葉を奪っていたのも、人間の元に送っても人魚としての生き方を忘れさせないため、自らとは違う境遇で送り出すことで違う道を選ぶ可能性にかけていたが故という事なのかもしれません。
それが功を奏したのか、はたまた、ララが特別だったのかはわかりませんが、王子に否定されたララは、王子の命ではなく、自らの命を奪うという結末を選ぶ。グレイスと同じく、ララも王子に否定されるという道を辿った際には、かつての自分と重ね心を揺らし鏡を割ってしまったグレイスですが、そのララの最後に新たな希望を見出したが故に、ララを再び目覚めさせ、その邪魔をしかねないローワンたちを眠らせることに自らの力を全て捧げたようです。
人魚の世界だけでもほんとうの愛は産まれ、その光で人魚の世界を維持することはできるものの、かつてのローワンが懸念していた通り、どうやらそこには限界があったのも事実。魔女が見つけた人になる薬が、宮殿の禁域にあった点から考えると、ララやグレイスのような地上への憧れを抱いた人魚は過去にもいたようで、それが隠されていたという事実は、かつての人魚たちも人間に夢見ては幾度も失敗を繰り返したことの証のように見える。
そんな中、ララが見せた新たな可能性は、人間と人魚との新しい未来へつながるかもしれないもの。リグモアが信じてくれた夢を叶えるため、ララにかける気持ちの重さが感じられるお話でした。
グレイスと茉里の出会い
そんな今回EDで描かれたのは、茉里とグレイスとの出会い。力を失ったグレイスは、今のゴンちゃんとしての姿に体を小さくすることで命を維持し、ララの目覚めを待つことを選ぶ。
とはいえ、長い月日が流れる中で、その体でも限界に達しそうな時に出会ったのが幼い頃の茉里。もはや、自らの最後を覚悟した時にようやく出会えた、喋る魚という不気味な存在を救ってくれた茉里は、グレイスからすれば人間に見出した希望とでもいえる存在だったのかもしれません。
かつての人間を手にかけたことで失った特別なプリンセスとしての資格があれば、茉里との間にほんとうの愛、そして、そこから生まれる光を生み出すことも出来たのではないかと思える展開。そして、だからこそ、そんな茉里とララとが出会うことに、希望を見出していたとも思えました。
とはいえ、人を憎むローワンはララを再び人魚の姿へと戻してしまう。ローワンの話ぶりから考えるに、人への気持ちを断ち切るために行ったその行為がどのような意味を持っていたのかは定かではありませんが、魔女の薬の力を打ち消すとともに、人との記憶を消し去った、なんてこともあるのかも。
そんなローワンが目指すのはリグモアを殺した人間への復讐。本来自分たちを生かすための光を、人を滅ぼすことへと使おうとしている。グレイスの行いがローワンを歪めてしまったという風にも取れる今回のお話ですが、グレイスもまたリグモアの願いのために動いているのも事実。既に死んでしまったグレイスの言葉はもうローワンには届かないのかもしれませんが、今回その想いと過去を伝えられた茉里にすべてが託されたようです。
おそらく、次回最終回、果たしてどのような結末を迎えるのか、気になるところです。






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