2026年9月18日に公開された映画『映画名探偵プリキュア!不思議な庭と2人の秘密』の感想記事です。
この記事には本作のネタバレも含みますので注意してください。
映画名探偵プリキュア!不思議な庭と2人の秘密
二人の妖精とかりんの想い
探偵を題材とした今年のプリキュアの劇場版は、妖精の依頼人に招かれた不思議な庭の少女に関わるお話でしたが、困っている人を助けるために、ひたすらに向き合い、心折れそうになる時も仲間の言葉で立ち上がると、ヒーローものらしさが詰め込まれた作品となっていました。
本作のヒロインであるかりんの悩みは、きっとどの時代であっても陥りがちな一般的な悩み。自分はダメであるという後ろ向きな思いが余計に自らの足を止めてしまう負の循環を、あんなのひたむきな気持ちが変えていき、一歩踏み出す助けとなるというお話は、シンプルながらも心打つ内容になっていました。
かりんちゃんは、探偵ではない普通の女の子であり何かを目指したいと迷っている少女であるが故に、最後までプリキュアになるといったことはありませんでした。しかし、それでもアランを助ける最後の一撃は、あんな達が出した4枚の花弁に加えて、もう一枚、5枚目の花びらが映っていました。かりんのアランを助けたいという想いも、5枚目の花びらという形でしっかりと力になっているのが良かったです。
アランとレイン
そんな本作のオリジナル妖精であるアランとレインの二人。アランはかりんを守るために庭を作り、レインはプリキュアにかりんを助けてくれるよう依頼を出しに来る。しかし、探偵事務所に依頼に来たレインは、アランとかりんとの回想には一切登場しておらず、何やら違和感を感じる話の作りとなっていました。
その理由も、嘘をつくときに耳を曲げる細やかな描写を拾い、語られることになる。このあたりは少し力技な感じもありましたが、探偵を題材にした作品らしさを出すための謎といった感じでした。
同じ妖精、共にかりんを助けたいという気持ちの中で、別れてしまった存在。この二人の戦いの場面がしっかりと描かれたのは、二つのかりんに向けた想いと迷いのぶつかり合いを描き上げていたようでした。
そんな本作、アランとレインあたりの秘密がわかってみると、不思議な庭と2人の秘密というサブタイトルにおける『2人』の意味も納得のいくものでした。
また、アランに絡むお話では、るるかがアルカナシャドウの姿を取ったのも印象的。これまでの本編の話でのるるかと、アランの行いを重ねていたが故の、るるかの言葉の説得力が感じられるものでした。
忘れられた妖精
そんな本作、あくまで外伝的な映画となっており直接本編の話と絡む部分は少ないのですが、妖精に関わる描写は気になる点がちらちらとあり、本編の妖精の扱いを補足するような面もあるように思えました。
ジェット先輩がかりんの庭で、エレメント妖精を見た時のかつてはたくさん妖精がいた、という話や、かりんと出会った直後のアランがボロボロで一人でいたことなど、今の世界の妖精の扱いのようなものが感じられる。
アランそのものも、かなりの力を持っているのを見るに、彼もまた忘れられた存在側なのかな、という風にも思え、彼の力が想いを込めた石を作れるというものなのも、意味深に思えてきます。
キミプリ・わんぷりのゲスト出演 あんなだからこその答え
名探偵プリキュアの映画ですが、過去二作からのゲストとしてそれぞれのプリキュアも登場。全体的に交流はあまりなく、同じ事件を調べる中で顔を見せ力を貸してくれたといった感じで収まる程度でした。
とはいえ、わんぷり側はこむぎが引っ張りまわす勢いのままにパタパタと、キミプリのほうは知らない場所でもいつのまにかうたちゃんを中心にライブ中と相変わらず自由な感じでしたが、それもそれぞれの作品らしさが良く出ていました。
また、ダメダメへの向き合い方も、わんぷり側の傷つく気持ちに寄り添おうとする点、キミプリ側のひたすら輝きそれを見る人に頑張ろうという気持ちを取り戻させてくると、それぞれの作品のテーマとよく合っていたのもよい感じ。
そういう観点で見ると、探偵らしさという意味ではダメダメに対する向き合い方は描き切れていなかったようにも思えました。
しかし、それもまだ、たんプリは本編で答えを探している最中だからという面もあるのかもしれません。自分はどうしようもないと迷いの中にあり、動くことができないことが問題の中心にあった、かりんに対しては、あんなのような同じようにわからない中で迷いながらも進んでいる存在こそが必要だったというのもわかる。
良い意味で既に答えを見つけているプリキュアたちではなく、まだ過去に呼ばれた理由すらもはっきりとしない、あんなだからこそのお話だったように思えました。
映画 名探偵プリキュア!不思議な庭と2人の秘密 感想
比較的短い時間の映画でしたが、あんなとかりん、二人が話の軸にあったことでよくまとまった話となっていました。たんプリ側の交流はそこまで多くはありませんでしたが、心折れそうになるあんなを再び立ち上がらせるパートナーであるみくるの存在がしっかり描かれていたり、正式に先輩・後輩となったばかりのるるか・みくるの交流なんかもちらっと描かれていて本編の補足的な面を感じられました。
ゲストとして出演するプリキュア達も、出番こそ多くはないものの、ダメダメに対する向き合い方にそれぞれのらしさが非常に出ていたのもよかったです。




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