追放されたチート付与魔術師は気ままなセカンドライフを謳歌する。
2026年秋アニメ、『追放されたチート付与魔術師は気ままなセカンドライフを謳歌する。(チー付与)』の1話『何も上手くいかない時って誰だってあると思うんだけどそんな時俺はどうするかって?決まってるさただひたすらに叫びながら走るんだよおああああッ!』の感想記事です。
原作は既読、アニメの内容のネタバレ等含まれますのでご注意ください。
1話 何も上手くいかない時って誰だってあると思うんだけどそんな時俺はどうするかって?決まってるさただひたすらに叫びながら走るんだよおああああッ!
アニメ化したが故のうざさ
本作は小説を原作としながら、コミカライズでは「ほとんど違う内容」と言われるほど独自の方向へ進んだ漫画を原作としたアニメ。正直これがアニメ化すると聞いたときは、どんなものが出来上がるのだろうという不安も結構あったのですが、1話を見るだけでそんな不安が吹っ飛ぶような内容となっていました。
本作の序盤の印象は、追放ものの作品のテンプレの流れをやりつつも、ちょっとひっかかる妙な空気を醸し出しており、話が進むほどアクセルを踏みこみ正体を現していくというもの、それゆえに、序盤の部分のアニメ化は、そこまで魅力を出しきれず盛り上がりにかけるのではないか、とも思っていました。
しかし、いざアニメを見てみると、原作のあの何とも言い難い絶妙な雰囲気がきっちりと描かれており、漫画以上の仕上がりになっているようにも思えるものになっていました。
キャラクター同士の何気ない会話の中でも、それを突然遮ったり、何を言っているのかよくわからない反応を返したり、原作での展開が映像化されることで、その破壊力が増しているのが感じられる。
声優さんの演技もキャラクターにばっちりはまっており、放送前に流れたBlu-rayのCMの宣伝ボイスのあの最後にふにゃふにゃになってしまう流れは実にチー付与らしいもので、CM部分の視聴まで気が抜けない作品となりそうです。
ギルドの中で皆に強化を付与していたレインが、その働きを認められず、追放が流行っているからというだけの理不尽な理由で追い出されてしまう。このあたりだけ見ているとレインもただの好青年のように見え彼が可哀そうに思える展開。
しかし、その後のレインを見ていくと、レインはレインでおかしいな…?と思えてくるのが序盤の肝。このレインの変な奴っぷり、アニメ化でレイン自身に動きがついたことで、原作でのちょっとおかしい動きの説得力が増していく。
特に妙にフラフラした落ち着きのない歩き方なんかは、まさにレインとしかいいようがないもので、見ていると自然に「なんだこいつ?」という感想が浮かんでくる。こういった、ささやかな描写の積み重ねがレインというキャラクターを形作っているように思え、アニメ化したからこその恩恵を感じさせるものでした。
リリィの描写もよい
そんな細かい描写への誠実さは、レインだけに言えるものではないのもよい感じ。中盤、レインを斬りつけた後の、リリィの剣を持つ手が震えているあたりも、きちんとキャラクターを意識した描き方となっており良い感じ。
とはいえ、彼女もまだまだ本領発揮とは言い難い状況であるのも事実で、ここからどんどん登場人物が増えていったときに、それぞれのキャラクターがどのように動きだすのかとても楽しみです。
また、キャラクターだけではなく、背景の描写も素晴らしい。標識やら、エアコンの室外機やらファンタジー世界にしては妙なものがそこにあることがはっきりとわかりますが、「なんでここにこれがあるんだ?」と思わせるものが普通に背景へ置かれていて、それが特に強調されることもなく話が進んでいく。この妙な雑多さも、本作独特の世界観を作っているように感じます。
また、これらがちゃんと描かれているという事そのものが、製作が本作をよく理解していることを表しており、今後のお話への期待感を高めるものとなっています。
唐突な終わり方も本作らしい
そんな本作、1話ラストの話の切り方もあまりにも唐突、リリィの2年間何もしていなかったという過去、それを大口を開けて叫んで終わる。
一瞬、ここで終わるの?と思ってしまうものでしたが、逆にここで終わるのが本作らしくもあり、次回への引きとし考えても次にどうなるのかと思わせてくれるものでよい感じ。
そして、終わりの後には、OP音源を元に流れたスタッフロールが流れ出す。映像や音楽自体はかなりカッコイイのですが、1話本編の妙なテンションとの落差もあって、なんとも不思議な気分になります。
カッコよく締めているようで、やっぱり何かがおかしい。この感じも含めて、1話からかなり「チー付与らしいアニメ」になっていたと思えるラスト。
キャラクターの動きや、背景の描写、アニメ故の声、様々な要素が、漫画の世界を広げてくれているように思え、何とも楽しみな作品。1話だけでもかなり「変なアニメ」になっていたので、ここから先、どこまでアクセルを踏んでいくのか、とても楽しみです。




コメント