2026年9月25日に金曜ロードショーで放送された名探偵コナンのテレビスペシャル『30号事件』の感想記事です。
ネタバレも含まれますのでご注意ください。
30号殺人事件
偽札に絡んだ事件
今回はテレビアニメ30周年を記念した完全オリジナルのストーリーという事で、新一万円札に絡んだ偽造事件と殺人事件に挑む作品となっていました。コナンや服部に加え、警察庁・警視庁、各地の県警が登場する、まさにオールスター作品とのことで登場人物がかなり多い作品となっていました。
印刷局の製造工場に見学に来ていたコナン君たちが、お金の作り方を学ぶ裏で、警察が死体を発見、その靴の中には偽造された一万円札が入っており、新一万円札の偽造事件が発生していることが明らかになる。ただの殺人事件かと思いきや、既に偽造された1万円が世間に広まりだしており、1万円の使用を停止するといった事件が起きたり、印刷局に勤めていた職員が犯人だったり、果ては印刷局の工場が爆破までされてしまい、コナン世界の日本は大丈夫なのか?と思ってしまうほどの話の規模でびっくりしました。
そんな本作、お話の規模が大きく、警察組のキャラもたくさん登場するということで、前半の警察パートは会議室での会話が多めだったのはちょっと寂しいところ。たくさんの警察のキャラクターを登場させるためか、印刷局の工場が県をまたいで設置されていたりとちょっと強引さもありましたが、30周年を記念した1つのエピソードの中にあれだけの地域をまたいだ警察キャラクターを出す上ではこういう設定を用意するしかなかったというのもわかるもの。
終盤30分ではじけるお話
全体的にはゆったりと事件に向けて進んでいましたが、事件の犯人がわかってからの30分ほどは、なかなかのスピード感でお話が展開。
犯人の男性は、紙幣に余計な文字を入れて首にされてしまった人でした。自らが偽造した紙幣の方が優れており、新札は許せないという目的でしたが、紙幣の工場に爆発するインクを仕掛けたりと思った以上に行動が派手。今回冒頭に元太が紙幣の印刷工程にすっげー!と声を発しており今回はここが爆発するのかと冗談で笑っていたら、まさかの実現という流れに思わず笑ってしまう。
そんな彼ですが、紙幣の板を彫る仕事に全力を傾けたことで、子供の死に目に立ち会えなかったが故に余計に自らが作る紙幣に狂ってしまったというバックボーンはあるのでしょうが、それでも人を殺した後に殺人罪で捕まるぐらいなら高跳びするという考えが出てくるあたり、技術以前に犯罪者になってしまったのだなと思えるお話でした。
終盤では、序盤で描かれていた、地下壕からの脱出、急に動くことで締まる扉のセキュリティの件(扉が開かなくなったのはボタンが事故で壊れたとはいえ)忘れた頃に拾ってピンチや脱出を演出していたのはよかったです。また、序盤に元太がインクに近づいたときに過剰に反応していた件は、あまり触れられませんでしたが、おそらく爆発するインクを使っていたからという事なのかもしれません。
ただ、最後に描かれた蘭の脱出の流れはちょっととってつけた感もあり、とりあえずこれをやっておこう的な蛇足感がありました。この辺はシンプルに脱出できてよかったねと、皆で泣き合うぐらいでもよかったんじゃないかなという気もします。
全体的に粗も多いが楽しく見れる作品
今回珍しく事件の日程が表示され、4月の頭の物語であることが明かされる。そもそも、コナンはまだ1年生だとすると彼や灰原の転入とのタイミングは?という疑問がでたり、この時期長野県警の大和敢助警部は行方不明で入院していた時期なのではないか?とか、色々と突っ込まない方が良さそうな部分も見えてくる。
ただ、この作品30周年記念で相応に規模があり、大勢の警官を出す必要があり、更には翌日に放送される服部と和葉二人の重要なエピソードである、浪速ハルカス周りの事件の前日譚的な宣伝も挟み込まなければならないという事もあり、かなりまとめあげるのが大変だったのではないかと思われます。
FBIのメンバーや、ハイウェイの堕天使でも活躍した千速さん、由美さん、苗子ちゃんあたりはノルマ的にちらっと登場する程度だったり、序盤でアポロを退勤して着替えシーンを見せたまま結局最後まで姿を見せなかった安室さんなどもなかなか何とか登場させたり、目立たせようと頑張っていたように思えました。
逆に、普段出番が少なめな京都県警でリスを肩に乗せているのが印象的な綾小路文麿に関しては、諸伏高明の発言の翻訳をしていたりと思い掛けない形で出番が多めとなっていました。
色々とやらなければならないノルマが多い中で、多数のキャラクターを賑やかに登場させ、最後には何となく盛り上がる爆発まで仕込む。紙幣が刷り上がるごとに爆弾となり、燃え尽きながら空を舞う描写は、なかなかインパクトがあり、終盤の話の勢いもあってなんだかんだ楽しく見ることができました。
これが劇場版としてお金を払って観る作品だったら、少し文句が出ていたかもしれません。ただ、テレビアニメ30周年を記念したお祭り作品として見るなら、これだけ多くのキャラクターを登場させつつ、最後にはしっかり盛り上げてくれる、なかなか楽しい作品だったと思います。






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