二十世紀電氣目録 ユーレカ・エヴリカ
2026年夏アニメ、『二十世紀電氣目録 ユーレカ・エヴリカ』の12話『電氣頭脳』の感想記事です。アニメの内容のネタバレ等含まれますのでご注意ください。
電氣頭脳
三添と喜八
前回、喜八と三添の目的が一致し共に電気頭脳を作りに向けて動き出しましたが、今回は電気頭脳の完成に向けた二人の協力が描かれるお話となっていました。
電気頭脳完成の過程で描かれたのは、喜八と三添との意外な相性の良さ。これまで電気目録を巡って互いに反目しあっていましたが、電気の技術を発展させるという目指す方向は同じであったのは事実。いざ手を取り合ってみると互いが足りない部分を補いあう良い関係であることがわかる。
どちらも妥協なく本気でぶつかっていくが故に、相手がどれほど本気で電気頭脳の開発に向き合っているのかを互いに理解しあう、そして、最後には互いに名前で呼び合うほどの関係へと進んでいくことになりました。
この時の二人、出会い方が違えば清六とはまた異なる相棒のようになれていたのではないかと少し悲しくなるシーンでもある。この時の三添は、喜八を清六の弟ではなく喜八として認めていたことに偽りはなかったと思うのですが、悲しきはそれ以上に失った清六を再び取り戻したいという狂気を止めることはできなかったという点。結局彼は電気頭脳を用いて清六を蘇らせる方向へ舵を切ってしまう。
現代でいう小さな集積回路を一枚の木の板にかきあげ、それを重ねることで巨大な回路、電気頭脳を完成させた二人でしたが、三添は喜八が眠った隙に電気頭脳に清六の情報をインプットし、蒸気で動く機械の清六を動かし始める。
しかし、そんな電気頭脳を用いても清六を再現するには至らず、最後の手段として蒸気と電気を繋ぐ架け橋として人間の魂が必要と判断し、そこに喜八を利用すること選んでしまったようです。
京都全ての蒸気を使い果たすという問題はあるとはいえ、電気頭脳自体の使い方は人それぞれだろうと思う部分もあり喜八がそれを否定するのはどうかと思う部分もありましたが、流石に人の命まで使ってそれを成し遂げようとするのは、もはや狂ってしまったとしか言いようがない。
ウェディングドレス姿で攫われ、水槽に沈められた喜八を助けられるのは、もはや稲子しかおらず、最終回はかつては自分を救い出してくれた喜八を今度は稲子が助けに行くという構図になるようです。
とはいえ、どうすれば三添を止めることができるのかというのは疑問。喜八を助けるにしても、それだけで三添が諦めるとは思えない。電気頭脳を破壊してしまうのか、はたまた、何か他に彼を止める手があるのか。三添のお話がどういう風に着地するのか気になるところです。
酒造りと電気
今回のお話では、電気頭脳の開発に向かう喜八と、電気錦を作る稲子、二人の夢に向けて頑張る姿が描かれる。目的は違えども、二人ともに夢に向けて進んでいくというお話の進め方は丁寧で、二人が夢に向かって進んでいるが故に、距離が開いてしまう流れの切なさが感じられるものでした。
離れてしまう二人に対して、周りの人々の声が稲子の中にある大切な気持ちに気付かせるという展開も王道なもので、そこから稲子が再び喜八を求め始める流れもよく、すっかり稲子の言葉に振り回されてしまう父の姿も何やら微笑ましい。
ただ、どうにも最後に持ってこられ三添に絡む展開のアクの強さのせいで、そのあたりの印象が薄まってしまうのが良くない気がする。三添自身はなかなか良いキャラをしているのですが、そちらの描き方に力を入れすぎてしまい、本来の二人の話が薄く感じられてしまうのがもったいなく感じてしまいます。
いよいよ次回最終回、暴走する三添を止め、稲子は喜八を取り戻すことができるのか?と思ってしまう話の流れですが、喜八自身も何か活躍するはずですし、流石に最後は正しく稲子と名前を呼んでくれることを期待したい。
三添のインパクトに持っていかれがちな本作ですが、最後の締めは稲子と喜八、二人で綺麗に終わらせてくれるとよいですね。




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