さよならララ
2026年夏アニメ『さよならララ』の7話、『土曜の10時、びわ湖テラスで』の感想・考察記事です。アニメの内容のネタバレ等含まれますのでご注意ください。
土曜の10時、びわ湖テラスで
人魚に戻ったララ
リサとコータ、二人の過去と、リサがなぜあそこまで人間を嫌うのか、そして、彼女の中にあるだろう複雑な気持ちの片鱗が見えた前回のお話。
そこから続く今回は、OPでも姿を見せていた王子とそっくりな少年『ルカ』が登場するお話となっていました。前回ラスト、人魚の姿に戻ってしまったララと何やら慌てた茉里が奏でたらしいごつい音は、ララを殴ったわけではなく、湖へ突き落す音。
殴りはしなかったものの、これはこれでなかなかの思い切りの良さでちょっとびっくりしましたが、人魚である姿を見せないためにはあぁするしかなかった、というのもわからなくはない。ちゃんと湖に落ちてよかったな、とちょっと笑ってしまうシーンでした。
突然人魚に戻ってしまったララですが、人魚のままというわけではなく人の姿へと戻り家へと帰ることになる。ただ、結局何故人魚に戻ったのか、その理由はグレイスもわからないようではっきりとしないまま。
グレイスからは、王子のそっくりさんと出会った動揺ではないか、と語られていましたが、今回のラストでララの足元が泡になりつつあるような意味深なカットが差し込まれていたのを見ると、単にそれだけではないような気がする。
かつての王子との間にほんとうの愛を感じとりかけたララ、今回王子とそっくりなルカを見たことでその時の記憶から人魚に戻ったとするなら、その後の泡になって消えるという現象まで再び起き始めている、王子の前で消えた時のように、ほんとうの愛を知ることが、泡になるきっかけ、なのではないかという風にも思えてきます。
そんな描写を見ていると頭に浮かんでくるのは『さよならララ』という本作のタイトル。果たして、この『さよなら』にはどんな意味が込められているのか、少し本作のラストが怖くなる展開でもありました。
ルカ
そんな今回のお話で登場した王子とそっくりな少年であるルカ。何やら突然転んでしまったり、どこか不思議な空気が漂う少年といった雰囲気で、果たしてどのようにララと関わっていくのか気になる人物でした。
一見するとつかみどころがないクールな少年のようにも見える彼ですが、ララに対してはかなり積極的に動いていたりとなかなか情熱的な側面を持っていそうなのが良い感じ。
個人的に好きなのは、びわ湖テラスでカレーパンを買ってあげた彼が、転んでしまうシーン。転んだ自分の心配ではなく、手に持ったカレーパンの心配をしたララに対して流石にむっときたのか、きっと彼女のために買ってあげただろう2個目のカレーパンまで自分で食べてしまう。ルカの素直な男の子らしい部分が感じられる流れでした。
妹ではなく弟だったレオ君も含めてそうなのですが、その海外風のビジュアルに対して滋賀の方言の雰囲気なんかも相まって、なかなか珍しい表現になっているのが面白いですね。
そんなルカですが、ララに絵を見せるシーンでは、見た目ではなくそこにある見えない美しさを描きたいと語る。人魚の姿を見てナイフを向けた王子に対して、人魚の姿を見たからこそ惹かれたルカ。見た目こそそっくりですが、そこにある気持ちは、全く逆方向を向いているようにも思えます。
とはいえ、なぜ同じ姿をしているのか、というのは気になる所。単にそっくりなだけなのかもしれませんが、かつての王子にもあの時ララを受け入れられなかった後悔があり、その気持ち故に現代に転生したなんてこともなくはないのかもしれません。
ルカを避けるララ
そんなルカですが、他の友達にすら見せていない絵をララに見せることになる。最初は人魚だから近づいた彼女に対して、いつのまにやら本当に心動かされていたようです。
なんだかんだ何度も一緒に出歩いているララも、決して彼の事を悪く思っていたわけではなく、なんだかんだ二人の関係は進展していくようにも見得る話の流れでしたが、落下したペインティングナイフが、かつて自分に向けられたナイフと重なったララはルカを避けるという行動をとる。
最初は、その出来事がララに王子の事を思い出させ、無意識に重ねてしまう苦しみから彼を避けようとしたのかと思ったのですが、かつてのララと王子との別れの際に忘れていた記憶がその理由だったことが明らかになる。
それは、彼女のほんとうの愛が姿を変えたナイフが、王子の心を食べようとしたという事実。その時は、何とか抑え込むことに成功したようですが、再び誰かを愛すれば、再び同じことが起きる、誰かを傷つけてしまうのではないかという不安からルカを遠ざけていたようです。
今回の王子との過去の描写や、以前のコータを浮かんだナイフの描写から考えると、愛こそがナイフを形作るものの、そこに含まれるララの愛にとどまらない感情があのナイフを動かしていたようにも見える。まして今空に浮かぶナイフは王子の時とは比べ物にならない大きさで、それが暴発してしまえばどんなことになるのかと不安になるのもわかる。
とはいえ、今のララの中にはルカを想う気持ちも確かにあり、今回の最後にはルカと共に花火大会へ行くことができました。とはいえ、その後のシーンでは先述した通り何やら不穏な気配を漂わせており、いよいよ終盤に向かう中ララの苦難の道が見え始めたようにも思える。
果たして何がララを泡に変えつつあるのか、というのが今回残された最大の謎。ただの魔女の薬の効果が切れつつあるというだけなのか、それ以外の理由があるのか。ここから先何が描かれるのか、少し怖くなるラストとなっていました。




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