なにかいいことあった?
ミーシャ・アーチャー著・ 石津 ちひろ訳 による絵本『なにかいいことあった?』の感想記事です。2026年小学生低学年の部の課題図書作品、ネタバレも含みますのでご注意ください。
なにかいいことあった?
ダニエル君とおじいちゃん、公園で待ち合わせていた二人。おじいちゃんの「なにかいいことあった?」という問いかけが、ダニエル君の物語が始まるきっかけとなる。
ダニエル君が向かうのは公園の中、そこには自然や、動物、様々なものがある。大人からすれば、ただの公園でしかないそこも、子供の想像力、好奇心を前にするとより大きく、深く、穏やかに広がった世界が描かれる。そして、子供だからこそ見える広い視点で見えたもの一つ一つにダニエル君は「なにかいいことあった?」と問いかけて回る。
動物たちのいいこと、大きな岩や、植物の「なにかいいことあった?」に対する答えは、どれもおおらかで柔らかく見ていて朗らかな気分になるもの。そして、それはある意味ではダニエル君の素直な心の内から出てきた言葉なのかな、という気もしてくる。子供らしい想像力が見せる世界のいいところを一つ一つ言葉にしていく流れが非常に穏やかに感じられます。
そんな本作、ただダニエル君が公園の中のいいところを見つけて終わるというわけではないのが話の肝。物語の終盤、おじいちゃんからのある問いかけは、それまでの世界のいいところ、を見つけてきたダニエル君に対する、おじいちゃんだからこその優しい問いかけといった感じ。
最後の1ページ、最後のダニエル君のセリフも、優しいダニエル君の物語の締めとして非常に綺麗に物語を終わらせており、最後まで何とも優しい世界を描き切る作品でした。
読書感想文の題材にするうえでも、作中のいいことを越えて、自分が見つけたいいことへ話を広げるといったことも出来そうで、それぞれの子供の個性を伸ばす感想文を書くことができそうなのも面白そうです。
2026年課題図書一覧
この作品は、2026年の課題図書となっています。今年の課題図書の一覧をまとめていますのでご参考にどうぞ。



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