2026年3月30日より放送開始NHK朝ドラ風、薫るの19話感想記事です。
この記事には最新話のネタバレが含まれますので未視聴の方はご注意ください。
風、薫る 19話 4週目『私たちのソサイエティ』
トレインドナースを目指すかどうか悩むりん、小日向の嘘を知ってしまった直美、と話が大きく動き出す中たまきが攫われてしまうラストを迎えた前回のお話(18話感想はこちら)。
今回は、りんが亀吉親子との決着を迎えるエピソードでしたが、直美サイドのお話は一切描写されないという本作ではかなり珍しい回。それだけ、りんの描写に力を入れ、トレインドナースへの一歩を踏み出すお話として力を込めて作られていたようにも見えました。
そんな今回、前回たまきを攫ったのは、やはり亀吉の手の物であることが明らかになる。彼らの策にはまってしまい、りん達親子の場所を知らせてしまったことを悔やむ母でしたが、そんな中りんは一人たまきを求めて亀吉の元へ向かう。
亀吉親子がたまきを誘ったのは、りんを誘い出すため、というのが一番大きな目的だったようで、りんと久しぶりに対面した、亀吉は離縁の話を進めるも、たまきに関する部分だけは平行線をたどることになる。
女一人で生きていくというなら、他に男を作るしかないだろうと考える亀吉。確かに、東京に出たばかりのりんは、亀吉の考える通りの生き方を計画していたわけで、亀吉の考えはその時代であれば当然出てくる普通の考え方。しかし、東京での経験を経たりんは、自分に働くことでお金を稼ぐ力があることや、トレインドナースという新たな生き方があることを知っている。そして、たまきを想う気持ちもあって亀吉に立ち向かっていく。ただ、今の社会ではその考えはまだ簡単に受け入れられるものではなく、亀吉の言葉を否定しきることもできませんでした。
思わぬ助け舟となったのは、亀吉の母親の乱入。たまきなどやってしまえばいいと語る彼女。一見するとたまきなどどうでもいいと言っている容易に見えますが、たまきの幸せを思っての物だというのが見えてくるのが非常に良い感じ。
直前のたまきと遊んであげる描写や、その後の小魚の件がりんのお弁当と重なる描写と合わせてみると、たまきを大切に思う故に、亀吉とこの家で暮らすよりりんと過ごした方が幸せだという気持ちが見えてくる。
彼女にもりんの語る新しい生き方や、女学校に生かせるという事への理解があったのか、と言われるとそこは正直理解まではできていないのではないかと思える。ただ、それでも、亀吉とりん、どちらが真剣にたまきの事を考えているのか、という事だけは彼女にもわかり、それゆえにりんに託した方が、たまきも幸せになれると考えた、という事なのかもしれません。
亀吉との決別を終えたりんですが、ここまで付き添ってくれた虎太郎に手を引かれてしまう。彼からすれば、自分と結婚し、共に暮らそうという誘いの手であることは明白。東京に行く前のりんであれば、この誘いを受けていたかもしれませんが、おそらく、今のりんは、たまきのため、新しい社会を知るために、トレインドナースを目指すことは明らか。ある意味で、男に頼らず自らの力で道を切り開いていくこれからの生き方へ進むための最後の試練として、誰よりも優しい虎太郎の手を放すことが描かれるのかもしれません。


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