2026年4月17日に放送開始した『田鎖ブラザーズ』の感想記事です。ネタバレも含まれますのでご注意ください。
1話
田鎖兄弟
主人公である幼き頃の田鎖兄弟二人、いきなり、家の中で弟が怪我をし、両親は殺されてしまうという厳しい場面から始まった本作。続く場面では、2010年4月27日に刑事事件の時効の廃止がニュースで流れるも、1995年4月27日までの時効は成立、4月26日に事件が発生していた二人の両親の事件は時効になり、両親を殺した犯人の罪は裁かれないという現実に向き合うことになってしまう。
兄である田鎖真は刑事になり、弟である田鎖稔は、共に両親の仇を求めて警察を目指していたようですが、そのニュースはかなり大きなショックを与えていたようです。
現代パートでの描写では、兄の方は両親の仇という目標を失い少しやる気を失った気だるさであふれた警察。弟の方も、検死という仕事こそしっかりこなし、周囲から認められてはいるものの、こちらもできることをやっているだけ、といった感じで強い意志は感じられない。
1話の中でも、犯人が見つからないままである以上、その時から時間が止まってしまう、という話がありましたが、ある意味田鎖兄弟もまた、幼い頃両親の死に目を見たあの時、そして、時効が成立し自分たちが警察になった意味が失われた瞬間に、時が止まってしまっているという事なのかもしれません。
本編の時間軸で二人が初めて並んだ事件に向き合うシーンでは、どこか険悪な雰囲気が出ているように思え、時効が決まったその時から二人の間にも何かあったのかな?とも思いましたが、なんだかんだ同じ家で暮らしていたり、食事を共にしていたりと微笑ましい仲のよさなのが良い感じ。
そんな二人、目的を失い最低限の仕事だけで気だるく刑事をやっているだけなのかと見せながら、自らの境遇と重なる被害者や、時効に絡む事件では熱意を見せるというのが、実に良い塩梅。こと終盤、子供の時の目撃証言を求める対応に重ねての行動はなかなか熱い展開。そして、兄だけでなく、弟の方も、自分の仕事の範囲を超えて調査に協力する流れなんかも、二人が持つ被害者に対する悲しみへの強い共感を二人が共有しており、今の二人にとってはそれが大きな原動力になっていることがわかるのが良い感じでした。
前半の気だるさから、捜査に乗り出した時のギャップが、なかなか魅力的に映る二人でした。
二人の周囲の人間関係
1話である今回、田鎖兄弟の周囲を囲う人間関係もちらちら見えてくる。大きく出番があったのは、田鎖兄弟の幼馴染とされる、足利春子。こちらは、質屋の店主という立場ながらも、今回臓器の買い取りまで行っていたり、身元不明な被害者の情報調査を行っていたりと、何やら裏の顔も持っている人物。
兄である田鎖真が質に入れようと持ってきた腕時計は、彼女が就職祝いに送ったものだったりと、兄とは昔は素直に仲が良かったことが伺えましたが、弟の稔は、もっちゃんとの会話で距離を置いていることが伺える。
春子は、よくできた弟と語っているあたり、彼女から弟に対して悪い感情を向けられているというわけではなさそうですが、それでも弟が距離を置いている理由についてはちょっと気になる所。単に春子が一時兄と良い関係になったが故に気まずくなったなんてこともありそうですが、何か他に大きな理由があるようにも思えます。
そして、もう一人大きく目立っていたのは、中華料理屋『もっちゃん』を営業する茂木幸輝という男性。少し抜けた雰囲気のある人ですが、田鎖兄弟からすると気心知れたお店の店主である様子。勝手に入っていても、叱るのは警察の捜査状況が聞こえてきたこと。最初の何してるんだのあたりは、勝手に入って怒られたのかと思わせてからの、この流れはそのギャップについ笑ってしまうものでした。
元々は田鎖兄弟の母親のパート先という関係だったようですが、両親を失った二人を見守ってきてくれた大人といった感じの優しい人物。とはいえ、ここまで大きな扱いを受けている以上、本作で何か役割を担っているようにも思える。考えたくない話ですが、両親が死んだ過去にも何か関係している、なんてこともあるのかもしれません。
弟が憶測を嫌う理由?
今回ちらっと気になった描写は、弟は憶測を嫌ういう点を強調していたこと。検死を行うという立場から、適当なことは言えないとしているだけなのかもしれませんが、兄にはその気付いたことを積極的に伝えている。人は苦手という彼ですが、信頼している兄には憶測でも情報を伝えるあたり、過去のに憶測に基づいて行動したことでよくない結果を招いてしまった、なんてことがあったのかもしれません。
時効のニュースを聞いているシーンでは、何もできなかったと語っていた稔、当時はまだ警察に入っていたというわけでもなさそうで、そうなると個人的に両親の時効間際に何か行動を起こしていたなんてこともありそう。もしかすると、この辺の事情が幼馴染の春子と距離が開いている理由にも何か絡んでいる、なんてこともあるのかもしれません。
犯人はなぜ逃げた?
今回、被害者である牧村が別人を名乗っていたりと、話が転がっていく中、それでも田鎖兄弟の過去と今の姿を描き、証拠の少ない事件を無事解決…かと思いきや、更に話がもう一転するというのが次回を期待させる展開でした。
偽牧村の身元、特定を頼んだ割に話に絡んでこないな?とは思ったのですが、ここで事故死だと思われた事件に、実はかつて家族を自殺に追い込まれていた、という自自が明らかになり野上に殺意があった可能性が浮上する。
一度は大人しく捕まった野上ですが、任意聴取から解放されると同時に失踪。どうにも単に今回の罪から逃げただけとも思えないのが気になる所。
1話では偽牧村は、野上の息子を自殺に追い込んだ、というデジタルタトゥーから逃れるために牧村を名乗っていたことが語られていましたが、もし仮に本当に彼がその罪を犯していたとしても、彼を殺した時点で野村の目的は果たされているはず。
それでも、まだ姿を隠したという事は、野上の息子の自殺事件には、他にも容疑者がいたなんてこともあるのかも。自殺に追い込んだという話から考えると、もしかすると加害者となった生徒が他にもいて、野村はその人たちへの復讐も考えているが故に、姿を隠したなんてこともあるのかも。
このあたりについては、次回のお話で詳しく語られることになりそうです。
両親を殺したのは誰?
そして、本作で一番気になるのは、田鎖ブラザーズの両親の事件の謎。今回明かされた範囲では、当日に父に取材の申し込みを行い、夜にもう一度来ると言っていた男の存在が明らかになっており、事件との関係が伺えます。ただ、そうだとしても謎の人物が殺す理由はまだ見えておらず、取材の件自体を恐れたが何者かによる口封じで殺されたなんて線もあり一概に彼が犯人とするのは早いように思える。
また、弟である稔は、事件の直前手に傷を受けていたのも気になる所。状況的に、その傷は両親を殺した人物が持っていた刃物で切られたという可能性が高そう。ただ、そうであるなら、稔は犯人と接触していたという事になる。
そうなると、稔は犯人の顔を見ていてもおかしくはなく、人を二人も殺した犯人は目の前の子供を傷つけるだけで逃げた、というのも少し疑問。その後、外で切り付けられた女性がいたように、単に逃げるために慌てていて切り付けただけ、というのが一番ありそうですが、もしかすると、稔の事を知っていたが故に、殺すまではできなかった、なんてこともあるのかも。どうにも、稔の過去にはまだまだ語られていない部分も多そうで、今後の話で注目していきたい描写となりそうです。
また、そもそも時効を迎えてしまった事件の犯人に迫った果てに、二人は何をするのか?というのも気になる所。法律を無視して私刑を加えることになるのか、はたまた、時効に絡んでも何かお話のギミックがあるのか。
一見熱意のない主人公二人、そこから事件に向き合う真剣さとのギャップがなかなか魅力的な本作。1話ラストの話の転がし方も次回のお話が気になるものでした。さらに、話全体を覆う両親の死の謎も気になる本作、今後のお話が楽しみです。
事件に絡む情報や、気になる伏線、犯人考察の情報をまとめてみました。田鎖兄弟にとっての最大の問題となりそうな時効をどうするのか?という点も考察。よろしければこちらもどうぞ。



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